お客様の屋根材は陶器瓦J型のハイシルバー色でした。事前の調査に来た時に雨漏りがどこから発生しているか？どういった工事を進めていくか？ということはお客様にお伝えしていました。
棟瓦は大棟5段積み、隅棟3段積みで強風及び瓦のズレ予防のためにのし瓦と5寸丸瓦にラバー工事が施されていました。
確かにラバー工事をしていれば台風などが来ても瓦は飛散しないくらい接着していますが塗り方を一つでも間違えると雨漏りにつながります。
工事初めに雨漏りをしている棟瓦を解体していきました。
順番にどこから雨水が侵入しているかを探りながら丁寧に解体をしていきます。
写真でもお分かりになると思いますが下の段に行くにつれて葺き土が雨水の侵入により色が変わってきていました。
これは年数が経っているため棟を積んでいる葺き土が痩せていってのし瓦の勾配が無くなってきているためです。
又隅棟と大棟がぶつかっているためも考えられます。

今回は隅棟を両サイドの2本と大棟の一部を解体しました。
途中の部分的な工事も可能ですが新しく補修工事した部分と既存の箇所で勾配が変わって段差が出来かねますのですべて積みなおす工事にしました。
綺麗にすべての棟瓦を撤去完了です。

棟の下の斜めにカットされた瓦も間が広い箇所は新しい瓦等で隙間を無くすように入れ替えたところで棟瓦を積んでいきます。
今回は既存ののし瓦にラバーがこびりついていましたし、うっすらひびが入っている瓦もありましたので全て新品瓦に交換していきました。
棟瓦の1段目は重量がかかり年数が経つと今回の雨漏りみたいにのし瓦の勾配が反って来るので屋根土の代わりにモルロックを使用しました。
2段目以降は従来通り屋根土で積んでいきました。

同じ工程を繰り返し、棟瓦の積み工事が完成していきました。
モルロックは面戸の漆喰工事が不要ですので表面をきれいに左官コテで仕上げていきます。
隅棟がまっすぐ綺麗に積みあがりました。

棟補修工事完成です。
鬼瓦の周りはコーキングで防水処理をしてから漆喰を巻いていっています。
街の屋根やさん大阪門真店では今では職人の数が減ってきている日本瓦の職人さんが多数在籍しております。
全て葺き替えなくても補修工事で雨漏りが止まる場合がありますのでお気軽にお問い合わせください。
ありがとうございました。