栃木市 瓦屋根漆喰の上からの増し塗りはなぜ駄目なのか？実現場で解説
更新日：2025年5月28日
屋根リフォームのご相談でよくあるのが「棟瓦の漆喰が劣化していたら、上から塗ればいいんじゃないの？」というご質問です。
しかし実はこの「上塗り」作業、見た目は綺麗になってもかえって雨漏りや棟崩れの原因になるリスクが高いのです(＞＜)
この記事では実際の現場の様子を見ながら、なぜ漆喰の上塗りが駄目なのか、正しい補修方法はどうすればいいのか、詳しく解説していきます！
瓦屋根にお住まいの皆様のご参考になれば幸いです(o^^o)
屋根のてっぺんに並んでいる棟瓦（むねがわら）の下に詰められているのが『漆喰（しっくい）』です。
この漆喰が雨風や紫外線、昼夜の温度差などで年数とともに劣化していきます。
劣化が進むと、
・表面がひび割れる
・剥がれ落ちる
・棟瓦の固定力が弱くなる
といった症状が出てきます。
このように劣化した漆喰が瓦の上にポロポロと落ちている状態は、内部まで傷んでいるサインです。
栃木市の現場は、棟の中の葺き土（ふきつち）が見えてしまっている箇所もありました。
この状態を放置すると棟瓦を支える力が弱まり、瓦がずれてきたり、最悪の場合崩落する危険性も…(>_<)
さらに、漆喰の剥がれた部分から雨水が入り込むことで、内部の木材を腐らせる原因にもなります。
漆喰の劣化は見た目だけでなく、屋根全体の耐久性に関わる大切な問題なのです。
棟漆喰の「上塗り補修」とは、既存の古い漆喰を撤去せず、その上から新しい漆喰を塗り重ねる工事です。
「古くなった漆喰の上に、そのまま新しい漆喰を重ねて塗る」
これだけの作業で、確かに見た目だけなら綺麗になります。
一見すると手軽で費用も抑えられそうに思えますが、根本的な修繕になっていないため、後々の不具合につながることが多いのです。
上塗り補修には次のようなリスクがあります。
古い漆喰が残ったま
→ 古い漆喰が劣化して剥がれると一緒に新しい漆喰も剥がれてしまう
新しい漆喰と古い漆喰の密着が悪い
→ 新しい漆喰がひび割れてしまう可能性大
棟の内部（瓦を固定する土台）が確認できない
→ 中の状態が確認できず、内部の劣化を見逃してしまう
こうした理由から、一時的には綺麗になっても長持ちする補修とは言えず、むしろ耐久性が極端に落ちてしまいます(；▽；)
たとえるなら、ボロボロの壁紙の上から新しい壁紙を貼るようなもの。
見た目だけ整えても、中の下地が悪ければ、すぐにまた剥がれてしまいますよね(^^;)
今回の現場でも、以前に漆喰の上から増し塗りがされていた痕跡がありました。
実際、過去に上塗り補修をしたものの数年でまたひび割れが発生し、結局全面的な補修が必要になったケースも少なくありません。
一時的に費用を抑えるつもりでも、結果的に2度手間・3度手間になってしまうのです(´;︵;`)
まず第一にやるべきことは、劣化した古い漆喰の撤去作業です。
ヘラや小型工具を使って丁寧に削り落としていきます。
撤去後は棟瓦の内側にある葺き土の状態を確認し、必要であれば補修を行います。
また棟瓦にズレがあれば、正しい位置に調整します。
こうした内部のメンテナンスができるのが、取り直し工事の大きなメリットですね。
下地が整ったら新しい漆喰を丁寧に詰め直し、しっかり固まるまで養生します。
お住まいの状況により、棟瓦を一度すべて取り外し、内部の土台（葺き土）や固定材を補修・交換したうえで瓦を再び積み直す「棟取り直し工事（むねとりなおしこうじ）」が必要になる場合もあります。
今回の栃木市の現場でも、増し塗りされていた漆喰の奥で葺き土が流れ出しており、放置していれば棟が大きく歪んでしまう可能性がありました(·_·;
既存の棟瓦を撤去後に強化棟金具と樹脂製垂木を取り付け、耐震機能を向上させた新しい棟瓦を設置しました！
屋根工事は、私達にお任せください！
現場に合った適正な工事内容・適正価格・高品質施工で、お客様の期待にお応えします(^o^)丿
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