波板が一部飛散してなくなってしまっています。
経年による変形や変色も見られました。
使用されているのはガラスネット入り塩ビ製波板です。劣化した塩ビ製波板は変質して固くなり、少しの衝撃でも割れてしまいます。固くなった波板が強風を受けて割れ、飛んでしまったのでしょう。
洗濯機などの設備や植木が置かれているため、濡れてしまうとお困りでした。

波板を取り付けている支柱木材は劣化して痩せ、腐食や割れがありました。
直接雨が当たったり紫外線にさらされ続けている事で劣化が進みます。
こうなると波板の固定力も低下して、新しい波板をしっかりと取り付ける事ができません。
最悪の場合、支柱そのものが倒れてしまうとなったら危険なので新しく交換する事をおすすめします。

支柱木材の一部を固定している窓格子のビスが緩み、外れかけていました。
鉄材とビスが錆びて徐々に緩んでいたところに波板が強風の煽りを受け、窓格子も一緒に引っ張られてしまったと見られます。
窓格子は何かを取り付ける事を想定した強度になっていないため、この様な支柱を取り付けたりすると安全性が低下してしまう事があります。

支柱木材を固定している土台のコンクリートブロックに割れがありました。
ブロックと木材が密着していないので、ぐらつきが生じています。
ブロックと木材の隙間を埋めるなどの対策が必要です。

2階ベランダ屋根も、玄関先と同じガラスネット入り塩ビ製波板が使用されていました。
玄関先屋根と同様に変形・変色が見られるため、張り替えをおすすめします。

直接雨が当たって劣化しやすい軒先の木材が痩せて割れており、腐食していました。
このままでは波板の固定力も落ちるため、波板を張り替えるタイミングで軒先木材も交換する事をご提案しました。

ベランダ手すりの縦格子の釘が抜けかけている箇所がありました。
釘は劣化してかなり錆びが進行していました。
縦格子が完全に外れてしまうと落下事故の可能性もあり、大変危険です。

軒先木材の劣化・縦格子の釘抜けはありましたが、その他の部分には大きな劣化はなく、そのまま再利用する事ができます。

外れかけていた窓格子（面格子）を新しいビスに交換して固定し直しました。
窓格子は防犯性能をアップさせてくれます。
外れかけている状態では落下の危険や防犯的にも不安がありましたが、これで安全性が復活しました。

新しい支柱を設置していきます。

支柱の土台コンクリートブロックが割れてしっかり固定できない状態だったため、割れていない物に交換してぐらつきの出ない様に設置しました。

新しい波板を設置していきます。
今回はポリカーボネート製波板を使用しました。
ポリカーボネート製波板はガラスネット入り塩ビ製波板よりも耐久性・耐候性に優れ、塩ビの約20倍の強度を持っています。
傘付ビスをインパクトドライバーで打ち込み、しっかりと固定させました。

1階玄関前の波板・支柱の交換が完了しました。
支柱の一部と窓格子を緊結させ、支柱の強度を高めています。
住宅前に置かれている洗濯機などの設備が濡れる事もなくなり、洗濯物も安心して干していただける様になりました。

今回、木材に塗装などは行わず白木のまま仕上げてあります。
そのため防虫・駆除・木材防腐効果の高い白アリスーパーエアゾールを支柱足元にスプレーして、防虫・防腐対策をしました。
臭気も気にならず、環境にも優しい薬品です。

2階ベランダの波板も1階と同様、既存の波板は全て撤去しました。

劣化して腐食していた軒先木材を、お客様が保管されていた木材と交換して取り付けます。

釘が抜けかけていた手すりの縦格子の補強を行います。
錆びて抜けかけていた釘は撤去し、穴の位置を変えて新しいビスに打ち替えて固定し直しました。

波板を取り付けていき、ベランダの波板張り替えが完了しました。
軒先木材を交換した事で固定力が増しました。
ベランダの枠組みも木造のため雨が直接かかると木材の劣化スピードが速まってしまいますが、張り替えを行って雨がかかりにくくなり防水性がアップしました。
ポリカーボネート製波板は紫外線もカットしてくれるため、紫外線による木材の劣化も防いでくれます。