棟瓦にはコーキング材で瓦を固定する「ラバーロック工法」が行われていました。
しかし、隙間なくコーキングが打たれ、雨水や湿気の出口がなく、誤った施工方法です。
本来であれば瓦下部にはコーキングの隙間を開け、雨水の出口を開けておく必要があります。
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漆喰の量も多すぎる為、屋根工事の知識が乏しい施工業者が誤った施工を行ったのではないでしょうか。

このままでは鬼瓦が落下したり、雨漏りの原因になります。
外れかけていた鬼瓦は外しておき、ブルーシートを被せて応急処置しておきました。
U様には鬼瓦の復旧工事をご提案し、工事のご依頼をいただきました。

錆びて切れた銅線を交換する為、鬼瓦周辺の葺き土（ふきど）を撤去しました。

新しい銅線をくくりつけたビスを棟の下地に打ちました。
切れてしまわないよう、しっかり太さのある銅線を使用しました。
万が一瓦が浮いても、銅線が切れない限りは鬼瓦が落下する事はありません。

葺き土を撤去した所に「なんばん漆喰」を詰めました。
なんばん漆喰とは通常の漆喰の原料に加え、特殊なシリコンや防水剤が添加されている為、耐久性・耐水性が高く、葺き土の役割も果たします。
なんばん漆喰を詰める事で瓦が動いたり雨漏りするのを防ぎます。
瓦の接着剤となるシリコンコーキングも打っておきました。

漆喰の周辺にはシリコンコーキングも打設し、雨水の侵入を防ぎました。
このように雨水の入り口となる瓦上部にはコーキングを打っていいのですが、雨水や湿気の排水経路となる瓦下部にはコーキングを打ってはいけません。
屋根工事に携わる者としては当然の事なのですが、誤った施工が行われてトラブルが起きているケースも度々目にします。
▶【参考】誤ったラバーロックで雨漏りしていた住宅