長野県飯田市南信濃のお宅で屋根を修理し、塗装も行いました。
家の中には大きな穴が空き、強い雨が降るときには酷い雨漏りがするとのことでした。

現状

点検すると、大屋根の棟の一部が経年劣化で釘が外れ、隙間ができていました。
棟板金を止めている釘がぬけてくるのは、施工不良でもなんでもなく、経年劣化によるものです。
金属の板金は、どうしても「熱膨張」により収縮と膨張を繰り返します。そこで徐々に釘が緩んでしまうのです。
この板金の下には貫板という板金を止めている板があるのですが、隙間ができて雨水が入り込んでしまうと、この貫板も傷んでしまいます。
放っておくと棟板金が風で飛ばされてしまった！なんてことも実際にあります。
できれば、定期的に点検したい場所なんです。

今回は棟板金を交換し、錆が広範囲に広がっていた屋根も塗装することになりました。

工事着工

足場設置・洗浄作業

職人が安全に作業が出来るように、屋根に上る足場を設置させていただきました。
労働安全衛生規則で、「高さ（または深さ）が1.5メートルを超えるところで作業を行う際は、安全に昇降する設備を設けなければならない」とされているので、これから屋根の塗装をお考えの方は、是非安全に留意していただきたいと思います。

以前にご主人が自分で塗装を行ったという屋根ですが、年月の流れを感じますね。
この洗浄作業で、できるだけ浮いた錆や古い塗膜、汚れなどを洗い流します。

棟板金設置・ケレン作業

洗浄作業が終わってすぐに、板金職人さんが入って棟をすべて新しく施工してくれました。
貫板も新しくして、浮いていた棟は新たな板金で覆われました。
あとは「ケレン」という作業を行って、高圧洗浄で落としきれなかったサビをきれいにしていきます。
この際、削りすぎてしまうと屋根材の強度が落ちてしまうので、ここは職人の見極める技術が光ります。

下塗り（錆止め）

下塗りが終わっただけの屋根ですが、しっかりツヤがよみがえりました。

中塗り

中塗り・上塗りに使ったのは、アステックペイント社の「スーパーシャネツサーモSi」という遮熱効果のあるシリコン塗料です。
重なりの部分などの細かなところはハケを使い、広い面はローラーで塗装します。

上塗り

上塗は、中塗りで使用した塗料をもう一度塗って仕上げる作業です。
各工程間で、それぞれ適切な乾燥期間を設けています。

今回使用したこの上塗り材は遮熱塗料なので、屋根の表面温度を抑え、室内の温度上昇も抑えられることが期待できます。
特に金属屋根は暑くなるイメージが強いと思いますが、職人さん曰く、この遮熱塗料を塗った後の屋根は素手で触れるとのことです。
年々暑くなる日本の夏に、こうした遮熱塗料を試してみるのも良いのではないでしょうか。

完成

足場を撤去して完成です！
錆で赤かった屋根が、つやつやになりました。
雨漏りを諦めていたというご主人ですが、工事を終えて「上手に出来た」とほめてくださいました。
遮熱塗料の効果を感じつつ、台風が来ても安心して過ごしていただけると嬉しく思います。

お家のことで、少しでも不安や心配なことがある方がいらっしゃったら、是非一度ご相談いただきたいと思います！

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