神戸市垂水区で瓦屋根の棟取り直し工事をおこないました

瓦屋根の瓦は非常に頑丈です。

ただ瓦を繋ぐ漆喰の方は、15年から20年で劣化し、瓦の固定力が弱まるため、どうしても瓦がズレてきてしまいます。

そのため、屋根の頂上で瓦が複数段積まれている棟部分は特に、定期的にメンテナンスをしておく必要があるのです。

今回おこなう『棟取り直し工事』とは、棟に積まれた瓦(長方形ののし瓦と半円型の冠瓦)を一旦解体し、再度新しい漆喰を詰めて、棟の瓦を再び積み直していく工事です。

神戸市垂水区で瓦屋根の棟取り直し工事　①足場づくり

瓦屋根の棟を解体し、積み直す工事をおこなうため、一旦解体した瓦や撤去する漆喰などの一時置き場にもなる足場を屋根上に作っておきます。

土嚢袋で固定し、足場を作りました。

神戸市垂水区で瓦屋根の棟取り直し工事　②棟の解体

歪んだ棟を一旦解体するため、瓦を固定していた銅線をカットします。

銅線をカットした後、瓦を1枚ずつめくり、解体していきます。

近隣様に土埃が舞わないよう、可能な限り丁寧かつ素早くおこないます。

神戸市垂水区で瓦屋根の棟取り直し工事　③おいあて剥がし

棟の取り直し工事の時には、「おいあて」とよばれる棟と屋根面の境目部分の瓦も再施工するため、棟の瓦と同様に剥がしておきます。

神戸市垂水区で瓦屋根の棟取り直し工事　④棟金具の設置

神戸市垂水区で瓦屋根の棟取り直し工事　⑤おいあての固定

金具の固定後、新しく施工する棟とぴったり合うように施工したおいあて瓦を漆喰で固定しておきます。

神戸市垂水区で瓦屋根の棟取り直し工事　⑥垂木の設置

次に、垂木（たるき）とよばれる棟の芯になる木材をさきほど設置した棟金具に乗せる形で取付け、固定します。

神戸市垂水区で瓦屋根の棟取り直し工事　⑦なんばん詰め

棟金具に固定した垂木を両川から囲むようにして、新しいなんばん漆喰を詰めていきます。

なんばん漆喰とは、従来の漆喰に「シリコン」や「防水材」を混ぜて練り込んだものです。

このなんばん漆喰は、あとから設置する瓦を固定すると同時に、棟部分と屋根面に出来る隙間を埋めてくれるので、雨水の浸入を防止し、雨漏りを防ぐ役割を担っています。

神戸市垂水区で瓦屋根の棟取り直し工事　⑧冠瓦の固定

いよいよ最後です。

半円型の冠瓦をさきほど詰めたなんばん漆喰に押し付けるよう隙間なく設置し、雨に強いパッキン付きのビスを垂木に打って固定します。

既存の棟のような昔ながらの工法では、棟には瓦を複数段積み上げ、荘厳さを表現させるのが一般的でした。

しかし、瓦の段数が多ければその分屋根は重くなり、地震や台風のような災害時に崩れてしまうというデメリットが近年は問題視されるようになりました。

そのため現在では、屋根を軽量化して建物の耐震性を確保し、災害時に被害に遭いにくい屋根を造ることがもっともが重要視されています。

神戸市垂水区で瓦屋根の棟取り直し工事完了

築40年でも地震や台風にも負けない頑丈な棟が完成しました！

冠瓦の下に長方形ののし瓦が複数段積まれた棟から、冠瓦のみの防災棟に仕様変更し、下地も粘土質の土から棟金具で固定した垂木に変更しました。

新しい真っ白な漆喰が均一に塗られた棟は頑丈かつ荘厳です(^^♪

家主様にも喜んでいただき、私どもも嬉しく思いました！

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