堺市西区にて飛散した棟瓦の積み直しとその他不具合箇所の部分補修工事を行いました

台風の影響で棟瓦の多くが飛散してしまい、部分補修か屋根全体の葺き替えを検討しているので現地調査と工事見積りをお願いしたいとの連絡をいただきました。➤【街の屋根やさん】が選ばれる６つの理由

被害に遭ってから他の業者にシート養生と飛散瓦の整理のみをしてもらっている状態でした。
現在はシート養生のみで雨を凌いでいるので不安な思いで生活をしているとのことです。

この工事のブログはこちら➤西区より突風被害の大屋根点検調査と補修を依頼されました

１.現地調査時の様子

棟の状態

応急処置前に撮影した写真をお客様に見させていただきました。
屋根の頂上部分である『棟』に積んでいる『冠瓦』の多くが飛散していて葺き土が丸見えの状態でした。
冠瓦は棟の頂上部に落ちた雨水を左右に排水し、棟内部に入り込むのを防ぐ役割があります。

棟の内部に雨水が入り込むと雨漏りの危険性があるだけでなく、葺き土が多くの水分を含んでしまい、土が膨張して漆喰を押し出してしまったり、廻りの瓦のズレを誘発してしまいます。

➤早めの棟瓦の修理で自然災害・悪徳業者による不安を完全払拭！

平瓦の割れや変色

飛散物が平瓦に当たって割れてしまったのだと思われます。
平瓦が割れてしまうと雨水が屋根内部に入ってしまうだけでなく、廻りの平瓦もズレやすくなります。

平瓦が変色している箇所もかなり多かったのですが、新築以来一度も葺き替えや差し替えは行っていないとのことです。恐らくですが、当時の瓦製作時の不具合かと思われます。

ケラバ瓦のズレ

ケラバ瓦（袖瓦）は雨樋の付いていない側の屋根の端であるケラバ側に葺いている瓦の事で、一番端にある瓦ということもあり風の影響を受けやすい瓦です。
ケラバは歩行者がよく通る道沿いに面している場合もあり、瓦が落下しそうな状態だと歩行者に当たってしまうといった２次災害が発生する可能性があります。台風や地震などの自然災害が起こった後は２次災害を防ぐ為に、まずはケラバや軒先の瓦が落ちそうになっていないかを確認した方がいいかと思われます。

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２.工事のご提案内容

部分補修工事と屋根の葺き替え工事の２パターンお見積りを提出しましたが、今回は部分補修工事を行うことに決定しました。

３.工事の様子

３-①棟の積み直し

棟の仮撤去

まずは棟瓦の仮撤去を行います。
棟の頂上にある冠瓦、棟の土台で積み上げているのし瓦を解体すると葺き土が出てきます。この葺き土も一旦全て取り除きます。
瓦の不足分は新しい物で補いますが、状態がいい瓦はそのまま再利用するので仮撤去した瓦は割ってしまわないようにキレイに並べておきます。

漆喰で棟の土台作り

瓦のズレ防止や隙間を埋めて雨水の侵入を防ぐ為に漆喰を塗り込みます。
こちらは『南蛮漆喰』という防水性に優れた漆喰を使用していて、葺き土の代わりにそのまま使用することも可能な漆喰となります。

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のし瓦・冠瓦を積み上げて棟の積み直し完了

のし瓦は瓦同士の繋ぎ目をズラし、千鳥にして積んでいきます。
千鳥にして積むことにより瓦同士の繋ぎ目から入った雨水がさらに下へと流れ落ちないようになります。
最後に冠瓦を積み、棟の積み直し工事は完了しました。

３-②割れた平瓦・変色した平瓦の差し替え

平瓦の差し替え

割れた平瓦や、製作時の不具合により変色した平瓦を新しい瓦に差し替えました。

３-③ズレていたケラバ瓦の葺き直し

ケラバ瓦の葺き直し

ケラバ瓦がズレていて落下する危険性があったので、真っ直ぐに葺き直し、ビスで再固定しました。
幸い下地の状態も良かったので瓦を葺き直すだけで大丈夫でした。
瓦の状態も悪くなかったので、そのまま再利用しております。

３-④お客様宅と燐家の雨樋清掃

雨樋清掃

お客様宅と燐家の雨樋に砂が流れ落ちていました。
他業者で行ったシート養生で重りに使用していた土嚢袋から砂が出ていました。
お客様宅はもちろんのこと、隣家の方にもお声がけをして清掃を行いました。

４.全ての工事が完了しました