1.現地調査

築14年のお宅です。
コロニアルの屋根にヒビが入ってしまったので見て欲しいと、ご相談をいただきました。

雨の多い時期になると心配ですので、さっそく現地調査へうかがいました。

まずはご相談のあった屋根を、高所カメラで見ていきます。

屋根全体が色褪せしてしまっています。
長年、紫外線にさらされていくうちに、塗膜が剥がれ防水機能を失ってしまうと、徐々に屋根材は脆くなり、ヒビが入ったり割れたりという劣化が進みます。

ヒビが入ってしまった場所です。
水はけも悪くなるため、カビや苔、藻も発生しやすい環境となり、一気に繁殖が広がってしまうこともあります。

続いて外壁を見ていきます。
窯業系サイディングの外壁です。

こちらも防水機能がなくなっていて、苔の繁殖で外壁を汚してしまっています。

湿気の多い場所や風通しの悪いところ、雨の多い地域などで劣化の仕方は違ってきます。

苔は苔自体も水分を含んでいるため、苔の発生は建物の大敵である水分の付着で建材を傷め脆くして劣化を早めてしまうのです。

腐食や雨漏りへとつながることにもなるので、早めに塗装などを施し建物を保護することが大切です。

外壁のメンテナンスに合わせ目地に使用されているコーキングも劣化してきます。
継ぎ目をクッション性のある機能で埋めて、雨水の侵入をブロックしているのがコーキングの役目ですが、徐々にひび割れや、肉やせ、剥離、剥がれなどが起こってくると隙間ができてしまい、雨水の侵入を許してしまうことになります。

こちらは新しいコーキングの打ち替えが必要なようです。

点検・調査の結果、屋根補修及び塗装・外壁塗装・コーキング打ち替え・付帯部塗装を施工することになりました。

2.高圧洗浄

高圧洗浄をおこなっていきます。

塗装前の下準備としておこなう洗浄では、汚れや苔、藻、かびや古い塗膜をどこまで取り除けるかで
塗装の仕上がりが大きく左右します。

洗浄をおこなったところは、キレイに汚れが落ちているのがわかりますね。

業者専用の高圧洗浄は、非常に水圧が強いので脆くなっている場所には割れてしまうこともあるので、注意して進めていきます。

外壁の苔や汚れも根こそぎ洗い流していきます。

ほこりや排気ガスも汚れのひとつです。
汚れも水分も、建物の寿命を縮めてしまう原因です。

劣化を放置し続けていると、大掛かりな工事も早めてしまいかねません。

メンテナンスは、どんな場所であって小さな劣化のうちが鉄則です！
時間も費用も節約することができるからです。

3.屋根補修及び塗装

屋根のひび割れていた場所は、塗装をおこなう前にパテで補修しておきます。

その後、屋根の下塗りをおこなっていきます。

コロニアルは、スレート屋根材の商品名です。
薄さ5ミで、軽い、安い、カラーバリエーションが豊富、施工がカンタンなので工期が短くて済むというメリットがあります。

下塗りが乾燥するのを待って、中塗りをおこなっていきます。
もう一度しっかり乾燥するのを待って、上塗りもおこないます。

今回使用するフッ素系塗料は耐久性に優れ、紫外線に強く汚れにくいのが特徴です。
耐用年数は、シリコン塗料の1.5倍で、15〜20年続きます。

ツヤのある外観が長持ちするので、今のお宅に長くのは回れる方へは、おすすめの塗料です。

4.コーキング打ち替え

コーキングの打ち替えをおこなっていきます。

まずは、既存の古いコーキングをすべて取り除いていきます。
カッターを使っていきますが、外壁や下地に傷はつけられません

コーキングの劣化は、クッション性を失い隙間を作っていくこともあるので、ひび割れや肉やせ、剥がれなどの傷みに気づいたら早めの補修が雨水の侵入を防ぎます。

コーキングを充填する前にマスキングテープで養生をおこないます。

そして、気泡や隙間ができないようにコーキングを充填していきます。
ヘラなどでならして、コーキングが乾かないうちに養生を外していきます。

コーキングはその用途によってたくさんの種類があります。

中には外壁とは相性が悪いコーキングもありますので、安易なDIYは危険です。
建材を傷めて、大掛かりな工事をすることになるケースもありますので、外壁などの広域な場所は、専門の業者に依頼しましょう。

5.外壁塗装

窯業系サイディングの外壁塗装です。

今回は、シリコン塗料を使用します。

下塗り専用塗料で、塗りムラができないよう下地を整え、シリコン塗料の密着を高めます。
しっかり乾燥するのを待ち、中塗り、上塗りとシリコン塗料を施工していきます。

シリコン塗料は、戸建住宅の外壁に一番多く使われている人気の塗料です。

その理由はシリコン塗料のメリットの多さにあります。

・光沢がある仕上がり
・耐候性・・・・・紫外線に強く劣化しにくい
・耐水性・・・・・硬い塗膜で撥水性が高い
・耐熱性・・・・・室内の温度を上げにくい
・透湿性・・・・・雨水を通しにくい
・防汚性・・・・・雨やホコリを弾く

このように劣化の原因となる太陽光や紫外線、雨風などにバランスよく対応していて、コストパフォーマンスも良いことが
人気の理由なのです。

外壁や屋根の塗装に選ばれやすいのがわかりますね。

上塗りを終え固まったら完成となります。

シリコン塗料の特徴であるキレイなつやのある外壁に仕上がりました。
塗装直後のつやが続き、美観を保つことができるので、長くお住まいになる方に最適です。

大切なお家の寿命を延ばし守っていくために、リフォームをご検討中の方は参考にしてくださいね。

6.付帯部塗装

最後に付帯部の塗装をおこなっていきます。

鼻隠を塗装前にケレンで汚れや古い塗膜を取り除く下地処理をしていきます。
鼻隠は、屋根に対して水平で長い軒先部分の板材で、雨樋を設置する際の下地材にもなっている場所です。

雨樋の不具合で、雨水が直接鼻隠に当たるようになってしまうと濡れては乾きを繰り返すうちに板材が反ってしまうことがあります。

反ってできた隙間から雨水が侵入してしまうというケースもありますので、屋根や外壁塗装の際には必ず一緒に点検をおこない、補修や塗装を実施することが大切です。

左は破風の塗装です。

鼻隠に対して、破風は同じ屋根の軒先ですが雨樋が設置していない傾斜のある部分に取り付けられている板材です。
こちらは雨樋など遮るものが何もないので、雨風を直接受けてさらに過酷な環境で建物を守っています。

そのため、傷みの進みも早いので雨を侵入させないようメンテナンスでの対策は大事です。

雨水の侵入で、すぐに室内が雨漏りになるというわけではない構造ですが、内部の木材などを腐食させる原因となることもあるので屋根や外壁の大きな工事の際には必ず点検してもらいましょう。

雨樋も寿命を延ばすには、劣化を防ぎ防水効果を維持する塗装が必要です。

建物全体の寿命を延ばすには、付帯部塗装も欠かすことはできません。
付帯部塗装の多くは建物の防水し保護している重要な役割を担っています。

リフォームをおこなう際には、付帯部塗装の工程も確認することをおすすめします。

7.施工完了

施工が完了しました。

お住まい丸ごと新築のようにキレイになりました！

ひびが入って雨水の侵入が心配だったコロニアルの屋根でしたがひびの補修をおこない、耐久性の高いフッ素系塗料での塗装で汚れを寄せ付けないツヤのある屋根に回復しました。

外壁は人気のシリコン塗料で雨を弾いてかびや苔を発生させない防汚性で、塗りたて直後の美観を長く保ちます。

今回は、屋根塗装、外壁塗装、コーキングの打ち替え、付帯部塗装をおこない、総工費約115万円、施工期間は約3週間でした。

リフォームをご検討中の方は、街の屋根やさん所沢店にお任せください。
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