奈良市東登美ケ丘の耐用年数を過ぎたスレート屋根の劣化を気にしたお客様からの依頼で、カバー工法による屋根工事を開始しました。
カバー工法とは既存の屋根はそのままに、その上に新しい屋根を重ねて覆う施工方法の事です。
既存の屋根を撤去しないため、解体費用と廃棄物処分費用が削減でき、葺き替え工事と比べて工期も短くて済みます。

前回のブログでは落下防止のため、簡易足場の組み立てと防護ネット設置をしました。
今回は既存スレートに防水紙として粘着ルーフィングを設置します。

工事開始前に簡易足場を設置

地面に配置したジャッキベースに固定した縦柱に横柱を組み合わせて、簡易足場を設置していきます。
屋根の支柱に防護ネットを設置して、屋根の上からの落下を防止します。

カバー工法による屋根工事の開始

施工前の屋根

屋根材のスレートは耐用年数が15年～20年と言われていますが、こちらの屋根は築32年ということでかなり超過していますね。
表面の塗膜が剥がれて白っぽく変色していました。
塗膜が剥がれてしまうとスレート自体に防水効果は無いため、屋根に降った雨水がどんどん屋根材に染み込んでしまいます。
このまま放置しているといずれ雨漏りに繋がってしまいます。
雨漏りが酷くなって屋根内部や基礎部分の腐食が進んでしまうと、カバー工法を行うことが出来ないという可能性もあります。

幸いまだ雨漏りは生じていないようですので、屋根のメンテナンスにはいいタイミングだったと思います。

既存スレートに粘着ルーフィング設置

既存スレートに直接防水紙を設置していきます。
使用する防水紙は粘着ルーフィングです。
粘着ルーフィングはルーフィングの裏側がシール状になっています。
釘やタッカーなどを使用せずに貼れるため、屋根を傷めません。
タッカー留めによる穴が開かないので、雨水が侵入する隙間が出来ません。

古くなったスレートはタッカーを打ち込むことで破損することもあるので、カバー工法の際には粘着ルーフィングを使用するのが一般的です。

換気棟の撤去

大棟部分に設置されていた換気棟を撤去しました。
内部の部材などを取り除くと、屋根の上にポッカリと穴が開きました。

換気棟撤去後の施工

換気棟は屋根裏に溜まった暖かい空気を排出する役割があるので、その構造上、屋根内部に通じる隙間が開いています。
そのままでは、雨水が屋根内部に侵入してしまうので、新しい部材で穴を埋めます。

すき間を塞いだ大棟にも粘着ルーフィングを貼って防水加工を施します。
大棟は屋根の最上部にあるため、常に雨風に晒されています。
その分、傷む可能性も高く、雨漏りリスクランキングの高い箇所です。
防水効果を高めるためにも、ルーフィングを重ね貼りしておきます。

次回は新しい屋根材を葺いていきます。

新しい屋根材にはスーパーガルテクトを使用します。
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