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石巻市元倉│トタン瓦棒屋根を立平ロックに葺き替え(東日本大震災被災住宅)
石巻圏 屋根補修工事 屋根補修工事
【工事のきっかけ】
3.11東日本大震災の津波で床上浸水の被害に遭い、これまでに屋根以外は修繕済みでした。最近になってしばらく使っていない子供部屋に入ると、天井が落ち、床にカビが発生していたため、ご主人が屋根に上って確認をしてみると、屋根の一部が剥がれて無くなっており、慌てて当店に相談へ駆けつけたそうです。
基本情報
- 施工内容:屋根補修工事 屋根補修工事
- 施工期間:3人×7日
- 築年数:40年以上
- 使用材料:立平ロック(SGL鋼板)、構造用ラーチ合板、改質アスファルトルーフィング他
こちらのお宅は瓦棒葺きのトタン屋根です。一目で屋根全体がひどいサビに覆われていることがわかります。津波で海水が浸みてしまったのでしょう。
屋根材が腐食して剥がれ落ちてしまった上、防水シートもなくなっています。雨風にさらされた屋根板も腐食して穴が開いています。
このお宅のように、旧式の瓦棒葺きでは木の芯材が使われていました。立ち上がり部分を剥がしてみると、芯材もだいぶ腐食しています。
軒先部分です。雨や風から軒先を守る役目を果たす軒先唐草ですが、錆びて穴が開いています。
こちらも腐食がかなり進んでいます。雨樋は被災後にリフォームしているので大丈夫のようです。
屋根全体がだいぶ傷んでおり、台風でも来たらすぐに飛ばされそうな状態です。これではせっかくリフォームした建物自体も傷んでしまいます。
屋根材や下地の状態から判断して、部分的補修やカバー工法(重ね葺き)は不可能であることをご説明し、SGL鋼板(次世代ガルバリウム鋼板)の立平ロックへの葺き替え工事をご提案しました。
お客様は石巻市の被災者住宅再建事業の補助金制度の利用をご希望されておりましたので、提出資料等の作成をお手伝いし、申請が通り次第工事に入ることとなりました。
まず最初は屋根のてっぺんから。棟板金の解体から始めます。棟板金を留めている釘を抜いて、既存の棟板金を外していきます。
棟板金を解体すると下地の木材の貫(ヌキ)板が現れます。この貫板も釘を抜いて撤去します。こちらもだいぶ腐食している箇所があります。
棟部分の解体が完了したら、平部の瓦棒屋根材を解体します。瓦棒を解体したら、残った芯木も撤去します。
既存のトタン屋根材の解体が完了したら、下地の傷み具合を確認します。
野地板の増し張り(屋根下地の補強)施工
いつもの葺き替え工事では、既存の屋根材を解体したら、既存の防水シートの上から新たにルーフィング材を重ねて張り、その上から新しい屋根材を施工します。しかし今回の屋根の場合、野地板自体の強度に不安があるため、ルーフィングの前に野地板の補強が必要となります。
そこで、ラーチ合板(構造用合板)で野地板の増し張りをして屋根下地を補強してからルーフィングを張ります。
(野地板の増し張り作業について詳しくはこちら→「石巻市元倉│野地板の増し張りで屋根下地を補強(瓦棒葺き替え工事②)」)
ラーチ合板とは?
増し張りとは?
野地板の増し張りを始めます。屋根の寸法に合わせてラーチ合板を切断し、
既存の野地板の上から、垂木がある箇所に
釘で固定します。
野地板の増し張りが完了しました。
次はこの上から防水シート(改質アスファルトルーフィング)を施工します。
軒先から棟へ向かって重ねしろを十分(上下
100mm以上、左右200mm以上
)
取りながら、ルーフィングを
張っていきます。
固定には、ホッチキスのようなタッカーという工具を使って針で固定します。
針や釘を打ち込んでも、改質アスファルトルーフィングは熱で膨張するため、穴をしっかりとカバーして雨水の浸入を防いでくれます。
ルーフィングが完了したら、新しい屋根材を施工する前に軒先と袖部に唐草を施工します。使用する唐草は、今回使用する屋根材と同じSGL鋼板を素材に加工したものです。
唐草とは?
立平ロック施工(平葺き)
改質アスファルトルーフィングと唐草の取り付けが完了したら、SGL(次世代ガルバリウム)鋼板の立平ロックを施工します。
立平ロックとは?
立平ロックは縦葺き屋根材の1つで、排水性が高いため勾配が緩やかな屋根でも
よく使用されています。
大変軽量で耐震性にも優れています。
今回は、立平ロックの素材にはガルバリウム鋼板等が使用されますが、今回は耐久性に優れた
SGL(次世代ガルバリウム)鋼板を使用します。
防水シートの上から立平ロック屋根材をビスで固定したら、また次の屋根材を
ハゼ部(凸部)
を重ね合わせてしっかりと嵌合させ、ビスで固定します。
これを繰り返して葺いていきます。
平葺きの後は、
立平ロック
ハゼ部
(凸部)の
先端に軒先カバー
キャップを取り付けます。目隠しのためと軒先からの雨水の浸入を
防ぐためです。さらに嵌合部に
雪止金具を固定します。
平葺きの際に本棟側の屋根材につけた「返し」(雨水の浸入を防ぐための処理)
の間に鼻桟という木材を
本棟のラインを挟んで対に取り付けます。
鼻桟を取り付けた上から貫板(ぬきいた)を同じように本棟に沿って対にしてビスで固定します。
下地に使う木材は全て防腐処理をしてあります。
貫板の上から棟板金(棟包み)を被せ、ステンレス製のビスで固定します。棟板金も立平ロック屋根材と同じ素材のSGL鋼板を加工したものです。
棟板金と棟板金同士を重ねる際には、ジョイント部分にコーキングを打ち、板金の
ズレと隙間からの
雨水の浸入を
防ぎます。
面戸・雨押え施工(壁際の納め)
本棟施工が完了したら、仕上げに1階屋根が2階の壁にぶつかる部分(取り合い)を納めます。この部分は、異素材がぶつかるために隙間ができやすいため、幾重にも雨仕舞が必要になります。
防水シートと平葺き施工の際、屋根が2階の壁に当たる部分の防水シートと屋根材は立ち上げ加工を施してあります。
この上から、仕上げに取り付ける板金(面戸・雨押え)の下地となる貫板を取り付けていきます。
貫板を取り付けたら、面戸(エプロン)を取り付けます。面戸によって隙間を塞ぐことで壁際部分への
雨風の吹き込みや虫・
小動物の浸入、落ち葉や
埃等が
溜まるのを防ぎます。
面戸を取り付けた後に、
貫板の上から雨押えを
被せてステンレスビスで
固定します。
壁との境目にはコーキングを打ち、更なる雨仕舞を施します。
壁際の取り合いが納め終わりました。
2階屋根部分の段差の壁際も納めました。
葺き替え工事の全て
の工程が
完了しました。
ベランダの足元も、ベランダを一旦外して葺き替えしています。
今回工事を行ったM様のお宅では、屋根材の腐食に気づかないうちに下地までが傷んでしまったため、カバー工法や部分的補修ができず、
全ての屋根材を解体して野地板の増し張りから始める、という大がかりな工事が必要となってしまいました。
屋根の傷みも早い段階で発見ができれば、工事も最小限で済むことが多く、
定期的な屋根点検の必要性を感じます。
しかし、普段の生活では目につかない屋根は忘れられてしまうことが多いのが現状です。
ですが、建物で一番厳しい環境に晒されてながら皆さんの暮らしを守っているのが屋根です。
屋根下地
が傷む前に一度、屋根点検をしてみてはいかがでしょうか?
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