那珂市でアスファルトシングル葺き『むくり屋根』の雨漏り調査
更新日：2022年6月24日
珍しい「むくり屋根」の頂上には飾り窓も設置されており、とてもお洒落なお住まいでした。
築30年が経過しているものの、お部屋はとても綺麗にされており、大切にご使用されていることが伝わってきます(^ ^)
しかし、しばらく前から雨漏りに気づきはじめ、時間の経過と共にひどくなってきたそうです。
外から屋根を見ると、かなりきつい傾斜のため、とても登れる角度ではありません。
そこで下から双眼鏡で確認すると、方々で屋根材の破損や捲れが確認できました。
ここで「むくり屋根」について、簡単に解説しますね。
下屋根（1階の屋根）で屋根材を確認しました。
屋根材はアスファルトシングルが用いられています。
ここでアスファルトシングルについて、ちょっとうんちくを・・・
しかし石の粒が殆ど落ちてしまい、基材が露出しています。
また簡単に持ち上がるとともに、少し力を入れると屋根材自体が剥がれそうな状態です。
経年による劣化が原因であり、劣化の症状は重度です（ ; ; ）
ちなみに、アスファルトシングルの耐用年数は20年〜30年といわれています。
続いて、お客様に許可をいただき、屋根裏を確認しました。
むくり屋根で勾配がある分、屋根裏は私が立てる程の高さがあるんですよ〜
※参考までに、身長は183㎝あります※
屋根裏の天井には、びっしりと断熱材が敷き詰められていました。
断熱材は断熱効果はあがるものの、思わぬデメリットも・・・
それは断熱材が雨漏りを吸収し、雨漏りに気づくのが遅くなってしまうんです(//∇//)
雨漏りの染みのある場所まで移動する途中で、かなり大きな雨染みを見つけました。
この場所をしっかり確認すると、横方向に広がりを見せています。
断熱材が一定量の雨水を吸収してしまっているので気づきにくいものの、依頼主様が気にされている以上に、屋根裏には雨漏りの症状が進行していました(>_<)
雨漏りの原因となっている箇所に到着しました。
断熱材で吸収できない程の雨漏りが発生しているようです。
ここに辿り着くまでに見てきた雨漏りの染みとは、劣化のレベルが段違いに違います。
実は屋根は、屋根材に加えて、防水紙で雨漏りを防いでいるんです。
屋根のプロは雨漏り防止の砦（とりで）として、屋根材ではなく防水紙をより重視しています。
屋根裏にこれだけ雨染みが出るということは、防水紙が破れるなどして破損している証拠なんです（ ; ; ）
関連記事➤雨漏りを防止する屋根の防水紙の重要性
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今回は依頼主様のご要望やご予算と、屋根の傷みの修繕を前提とした見積もりに明らかに開きがありました。
そこで、今後の家の使い方などをご家族で相談してみて下さいと、お話しして今回の雨漏り調査は完了となりました。
依頼主様のご要望にお応えしたい気持ちは十二分にあるものの、簡易な雨漏り修繕では、傷んだ屋根は元に戻らないんです。
もちろん、ご予算と費用が折り合わず、お応えできない場合も・・・m(_ _)m
雨漏りは、放置していても改善することがなく、むしろ時間と共に症状が悪化してしまいます。
「もしかして雨漏りかな？」と気づいた時点で、早めに相談することが何よりも大切です。
10年に1度は屋根のメンテナンス、そして25年以上経過した時は葺き替えを検討する必要があるのが屋根なんだと、ご理解いただけたら幸いです。
皆様も、ぜひ今回の記事をご参考にしていただき、早め早めの相談を心がけて下さいね^^
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