【建物立地の確認】斜面に建つため足場計画が重要

こちらのお住まいは、山の中の斜面に建っており、玄関側は道路に面していて多少の段差で済んでいますが、反対側は急斜面になっていました。

そのため、基礎の高さが非常に高く、感覚的には3～4階建てほどの高さがある状態です。

このような立地の場合、一般的な平地に建つ2階建て住宅と比べて、足場代が約1.5倍ほどかかるケースもあります。

安全に工事を行うためにも、足場計画はとても重要なポイントです。

立地的に、

• 湿度が高くなりやすい

• 日当たりが短くなりがち

という条件が重なり、外壁全体にコケの発生が多く見受けられました。

外壁材はサイディング材でしたが、サイディングは目地（つなぎ目）があるため、
その部分のシーリング劣化もかなり進行している状態でした。

玄関横の柱は、サイディング材で巻いて仕上げている構造でした。

しかし、

• 角当て（コーナー材）が付いていない

• その影響で雨水が入り込みやすい

という状態で、サイディング材が膨張して裂けているように見受けられました。

この部分は、内部にある柱の腐食も懸念されるため、
注意が必要なポイントです。

屋根を見上げて確認すると、破風板（はふいた）の一部に腐食が見られました。

破風板は、屋根の側面を保護する重要な部材ですが、ここまで傷みが進行していると、
塗装だけでは対応できない状態です。

この場合、

• 部分的に補修をしてから塗装する

• 今後を見据えて板金で巻く

といった選択肢が考えられ、
どの方法が最適か判断する必要があります。

さらに、下屋部分の軒裏（のきうら）を確認すると、雨漏りが原因と思われる腐食が確認できました。

実際には、一部を解体して内部の状況を確認しなければ、どこまで傷みが進んでいるかは分かりません。

被害が最小限であることを願いつつ、必要に応じた補修を検討していくことになります。