ガルバリウム鋼板屋根の2種類の葺き方!「横葺き」「縦葺き」それぞれの特徴や向き不向きをご紹介!
軽量で錆びにくいなどの特徴があるガルバリウム鋼板の屋根材は、これからリフォームをされる方にぜひ検討していただきたい屋根材です。「横葺き」と「縦葺き」の2つの種類がありますが、それぞれにどのような特徴があるのかご存知でしょうか?
仕上がりの見た目にも違いがありますが、これだけではありません。現在のお住まいの屋根の形状や屋根の傾きの角度によっても、おすすめしたいものが異なってきます。また、場合によっては横葺き、あるいは縦葺きが難しいこともあります。
横葺きと縦葺きのどちらにもメリットとデメリットがありますので、特徴をご理解いただいたうえでご検討ください。
ここでは、ガルバリウム鋼板による屋根リフォームに関心がある方向けに、ガルバリウム鋼板屋根のメリットをはじめ、葺き方によるそれぞれのメリットとデメリットについてご説明します。併せておすすめの屋根材についてもご紹介しますので、参考にしてみてください。
金属製の屋根にはいろいろな物がありますが、その中でも注目されているのがガリバリウム鋼板です。鋼板をメッキで覆ったものであり、このメッキの成分に特徴があります。トタンのメッキは、そのほとんどが亜鉛となっていますが、ガルバリウム鋼板はアルミニウム、亜鉛、ケイ素で構成されています。ガルバリウム鋼板に含まれているこれらの成分によって、トタンよりも耐食性が高く、錆びにくくなっています。
また、屋根材の一つである「スレート」は、耐用年数が20年前後とされていますが、ガルバリウム鋼板であれば30~40年と長持ちします。さらに、葺き替え後の塗装サイクルを考えると、スレートの場合は10年に一度必要になりますが、ガルバリウム鋼板なら15~20年に一度で良いため、手間や費用が抑えられるといったメリットもあります。
また、軽量であるため、建物に負担がかかりにくいのも良いところです。たとえば、1坪あたりの重量を比較すると、ガルバリウム鋼板は瓦の約1/10、スレートの約1/3~1/4程度の重さしかありません。屋根材は、軽いほうが柱や梁などにかかる負荷が抑えられるだけでなく、地震の際に倒壊しにくい傾向があります。
新しい屋根材をお考えの方は、錆びにくく、軽くて建物に負担がかかりにくいなどの良さがあるガルバリウム鋼板を、ぜひ一度ご検討ください。ガルバリウム鋼板は、多くの場合、横葺きと縦葺きの両方が可能です。比較しながら、イメージに合ったものお選びください。続いて、横葺きと縦葺きそれぞれのメリットとデメリットについてご紹介します。
横葺きについて
横長の屋根材を、軒先から重ねて葺いていく工法です。シンプルな形状はもちろん、複雑な形にも施工できる場合が多いため、幅広い建物に選ばれています。仕上がりは横縞になり、幅のサイズを変えることで雰囲気を大きく変えることもできます。
横葺きのメリットとデメリットについて
デザインが豊富にあり、イメージに合わせて柔軟に対応できるのも横葺きの魅力です。いくつかのカラーを取り入れて、自分らしいデザインにすることもできるほか、施工によってスタイリッシュな印象にすることも可能です。このような理由から、屋根のデザインにこだわりがある方や、自分らしい建物にしたいという強い気持ちがある方におすすめの工法だと言えます。
ただし、デメリットもあります。横葺きにすると雨水が留まりやすくなるため、屋根の形によってはおすすめできない場合もあります。雨水がスムーズに流れて行かなければ、屋根の劣化や雨漏りの心配が高くなるからです。
雨水が問題なく流れていくためには、屋根の傾斜が2.5~3寸以上必要となります。これ以下の場合は、別の方法で検討することをおすすめします。
【施工事例】スレート屋根にカバー工法でガルバリウム鋼板横葺き屋根に
スレート屋根塗装をご希望のお客さまでしたが、併せて長くもつ屋根材についてのご相談をいただきました。そこで、耐久性の高いガルバリウム鋼板を用いたカバー工事をご提案いたしました。カバー工事は、現在の屋根の上から新しい屋根材をかぶせる工法なので、軽量のガルバリウム鋼板がおすすめです。
屋根洗浄後、スレートの上から防水紙(ルーフィング)、ガルバリウム鋼板屋根材を施工します。どちらも軒先側から重ねていき、特に防水紙は雨漏り防止の要なので、20㎝以上の重ね幅を確保しながら丁寧に敷いていきました。
色あせが目立っていた古い屋根が、落ち着いた優しい色合いのブラウンになり、お客様にも大変喜んでいただけました。
色あせが目立っていた古い屋根が落ち着いた優しい色合いのブラウンになり、お客様にも大変喜んでいただけました。
縦葺きについて
長い鋼板を、棟から軒先まで縦方向に一枚で施工していく工法です。縦縞のように見えるのが特徴で、シンプル且つ、上品な雰囲気に仕上がるのが魅力です。また、屋根材の接合部分に心木を使う「瓦棒葺き(かわらぼうぶき)」と、金属を折り曲げて屋根材同士を接合する「立平葺き」などがあります。どちらにもメリットがありますが、立平葺きは木材をほとんど使うことなく施工するため、木材の腐食の心配がなく、メンテナンス費用がかかりにくいという良さがあります。雨漏りリスクもあまりありません。このような理由もあり、現在は立平葺きでの施工が注目されています。
また、立平葺きは「縦ハゼ葺き」と「嵌合式」の2つの方法があります。
縦ハゼ葺きは、締結部の板金を折り込んでいく工法で、高い防水性があります。
嵌合式は、締結部をはめ込み金属板同士を固定し、その上にキャップを取り付ける工法です。施工が比較的容易であり、費用を抑えることができます。
縦葺きのメリットとデメリットについて
できるだけ雨漏りを避けたい方に特におすすめしたいのが、縦葺きです。雨水の流れを邪魔しないため、雨漏りが起こりにくいからです。また、横葺きは屋根の傾斜によっては工事が難しい場合もありますが、縦葺きであればほとんどの屋根に施工できます。また、短い期間での施工が可能であるほか、比較的費用が抑えられるのも良いところです。
また、屋根が複雑な形の場合は施工が難しい場合があります。基本的に、シンプルなデザインに向いた工法なので、個性的な建物の工事では、ほかの方法をおすすめすることもあります。
ガルバリウム鋼板屋根 縦葺きおすすめ屋根材
縦葺き用屋根材として、数多くのガルバリウム鋼板が存在しています。いくつかご紹介しますので、参考にしながらご検討ください。
稲垣商事スタンビーシリーズ
嵌合式タイプの屋根材です。金属屋根は、雨の音や暑さが気になりやすいと言われることもありますが、こちらの製品であれば、オプションで断熱材をつけることができるので、雨音を抑えられるほか暑さ対策もできます。また、0.5寸程度の緩やかな傾斜の屋根にも施工できるなど幅広く対応可能です。
月星商事タフビーム
屋根材が、吊子部分と一体化されているのが特徴です。屋根材を、一枚ずつ引っ掛けながら張りつけていくので、留め金が屋根の表面に露出しません。そのため、留め金の抜けや錆びなどのトラブルが起こりにくいのが魅力です。
素材の表面がシンプルに仕上げられるフラットタイプと、小さな模様によって立体感を感じさせるさざ波タイプの2種類あります。曲げ施工も可能なので、アーチ形屋根にもおすすめです。
【施工事例】傾斜の緩い下屋でも安心、鮮やかなガルバリウム鋼板タフビーム縦葺き施工
増築部の下屋にほとんど傾斜がなかったので、雨水の排水性が高い縦葺きをご提案させていただきました。お選びいただいたカラーは鮮やかなレッドです。
雨漏りリスクを抑えるために、大屋根との接合部分は雨抑えの板金をパッキン付きビスで留めました。
大屋根の色とも馴染み、きれいな仕上がりになりました。しっかり雨漏り対策をしているので悪天候の日も安心です。
軽くて錆びにくいなどの魅力があるガルバリウム鋼板は、カバー工法にもおすすめしたい屋根材です。しかしながら、すべての屋根に施工できるわけではありません。また、施工業者に相談する際に確認していただきたいことがあります。以下についてご確認ください。
屋根の傾斜を確認する
横葺きと縦葺きがありますが、屋根の傾斜によっては横葺きが難しい場合があります。横葺きは2.5~3寸以上傾斜がある屋根であれば可能ですが、それ以下の場合は雨水が流れにくくなるため、避けることをおすすめします。縦葺きは0.5寸以上傾斜があれば施工できるので、ほとんどの屋根が対象になると思っていて大丈夫です。
縦葺きから横葺きに変えることは可能?
結論から言えば可能です。縦葺きと横葺きとでは屋根の印象が大きく異なるため、リフォームを機に変えてみたいとお考えの方もいるでしょう。しかしながら、先にご紹介しているように、屋根の傾斜を確認して判断する必要があります。ゆるい傾斜の屋根に横葺きでの施工をおこなってしまうと、水はけが悪くなり屋根が傷みやすくなったり、雨漏りが起こりやすくなったりするからです。
施工業者のなかには、こういった知識が乏しいところもあるようなので注意が必要です。
実績がある業者に依頼する
さまざまな屋根工事に対応しており、実績と専門的な知識を豊富に持っている業者に依頼することが何より大切です。なぜなら、経験と確かな知識がある業者でなければ、お客様のお住まいに本当に適した屋根材をご案内できないからです。また、施工技術によって見た目が左右されるだけでなく、雨漏りのリスクにも影響してきます。
ガルバリウム鋼板を用いた施工にも、同じことが言えます。ガルバリウム鋼板の特徴を理解しており、屋根をはじめ建物の状態を把握したうえで、お客様の大切な建物を守ることができる業者をお選びいただきたいと思います。
ガルバリウム鋼板屋根リフォームの手順と実例
築30年の木造住宅にお住まいのお客様から、スレート屋根からの雨漏りがひどいとのご相談を受けました。どのような状態にあるのか、まずは現地調査に伺いました。
雨漏りの原因として多く見られる、スレートの割れや棟板金の被害といった問題はなく比較的良好な状態でした。原因は、屋根の傾斜が2.5寸程度と緩めで、雨水が中に入り込みやすい状態になっていたことと、20年以上屋根のメンテナンスをされていないため、防水紙の交換がされていなかったことです。
ガルバリウム鋼板を用いたカバー工法による修繕をご案内しました。傾斜が緩めの屋根なので、横葺きではなく縦葺きをおすすめしました。これによって、屋根の水はけが良くなります。
既存屋根の棟板金を撤去すると、棟板金の固定に使用される木製の貫板の腐食が進んだ状態でした。
スレートの上から粘着タイプの防水紙を敷きつめ、雨水の侵入を防ぎます。今回は、立平葺きの屋根材を設置したため、さらに防水性が高まります。
新しい屋根材としてタフビームを施工しました。水が入り込みにくく、シャープな見た目が魅力の屋根材です。
貫板には、既存の貫板のような木材ではなく、樹脂製のタフモックの貫板を使用しました。併せて、錆に強いステンレスビスを使ったので、長く安全な状態が保てることでしょう。
外壁によく合ったおしゃれな印象の屋根が完成しました。しっかり防水加工していますので、雨漏りの心配も格段に減っています。最後に、ドローン撮影にて確認していただきましたが、イメージ通りだと喜んでいただけました。
建物は、建てたらそのままで良いというものではありません。塗装をはじめ、屋根全体のメンテナンスも必要になってきます。なんら問題がないように見えていても、築15~20年過ぎた屋根は劣化が目立っていることもあり、大きなトラブルにつながるような状態になっている場合もあります。建てられてからだいぶ経っている建物であれば、突然雨漏りが発生したり屋根が崩れたりすることもあるため、点検やリフォームを強くおすすめします。
街の屋根やさんでは、無料で自宅の屋根の状態を確認し、状況に適したリフォーム計画をご提案しています。どのような屋根材・施工方法がいいか、縦葺きか横葺きのどちらがいいのか、きちんとした理由も併せてご説明させていただきます。ガルバリウム鋼板はもちろん、様々な屋根材に対応しておりますので屋根のことでお悩みの際はぜひご相談ください。
ガルバリウム鋼板は、今特に注目されている屋根材です。軽くて錆びにくいなどのメリットがありますので、リフォームを機に検討してみてはいかがでしょうか。ご相談をいただいた際には丁寧にご説明させていただき、安心してご検討いただけるように努めています。ご相談はもちろん、調査からお見積りまでも無料で承っておりますので、お気軽に街の屋根やさんまでお問い合わせください!
ガルバリウム鋼板屋根の2種類の葺き方!まとめ
- トタンよりも錆びにくく、屋根材として軽量なガルバリウム鋼板が人気です
- 大きく分けて「横葺き」と「縦葺き」があります
- 横葺き
- ・バリエーションが多くお洒落に仕上がり、複雑な屋根にも対応可能
- ・緩勾配では雨が流れにくく施工不可
- 縦葺き
- ・棟から軒まで一枚の板金で施工するため雨が流れやすく、緩勾配でも施工可能
- ・デザイン面でバリエーションが少なく個性を出しにくい
- 傾斜が緩い屋根に横葺きだと雨漏りのリスクが高まります。リフォーム時には業者によく確認し、特に現在縦葺きのものを横葺きに変えたい際には要注意です
- ガルバリウム鋼板屋根の知識と実績のある施工業者へ依頼することがリフォーム成功への近道です
街の屋根やさんが施工している様々な、屋根工事と屋根リフォームの一覧をご紹介します。
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