枚方市 塩焼瓦屋根からカラーベスト屋根への葺き替え～後編～
更新日：2025年12月19日
下地防水紙（ゴムアスルーフィング）を屋根全体に張り付けました。
「ゴムアスルーフィング（ゴムアス）」は、正式名称を改質アスファルトルーフィングと呼び、住宅の屋根材の下に敷く「防水シート」の一種です。
主な特徴とメリットは以下の通りです。
- 高い防水性と耐久性: 通常のアスファルトルーフィングに合成ゴムや合成樹脂を混ぜているため、破れにくく、温度変化による劣化にも強いのが特徴です。
- 自己接着（シール）性: 屋根材を固定する釘やタッカーを打った際、その穴の周りのゴムが密着して隙間を埋めるため、釘穴からの雨漏りを防ぐ効果が高いです。
- 寿命: 一般的なルーフィングが10〜15年程度の寿命に対し、ゴムアスは20年〜30年ほど持つと言われており、現在の新築やリフォームでは主流の素材です。
「カラーベスト」は、正式名称を薄型化粧スレートといい、現在の日本の住宅で最も普及している屋根材の商品名（ブランド名）です。セメントとケイ石を主原料に作られており、軽量で施工しやすいのが特徴です。
主な特徴とメリット・デメリット
カラーベストは、屋根材メーカーであるケイミュー株式会社のロングセラー製品で、一般的には「コロニアル」や「スレート瓦」とも呼ばれます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 軽量なため、住宅の耐震性が上がる。 | 本体に吸水性があるため、定期的な塗装メンテナンスが欠かせない。 |
| 安価で工事費用を抑えられる。 | 凍害に弱いため、寒冷地での施工には不向き。 |
| 施工しやすく、工期が短くて済む。 | 苔やカビが発生しやすい。 |
| 豊富なカラーバリエーションがある。 | 衝撃に弱く、割れやすい場合がある。 |
耐用年数とメンテナンス
カラーベスト自体の耐用年数は約25～30年とされていますが、屋根材本体の防水性を維持するためには、約10年ごとの定期的な塗装メンテナンスが必要です。塗装を適切に行うことで、屋根を長持ちさせることができます。
- 塗装の目安: 塗膜の劣化による色あせ、コケ・カビの発生、ひび割れなどが見られたらメンテナンスのサインです。
- アスベスト（石綿）含有: 2004年までに製造された製品には、耐久性を高める目的でアスベストが含まれているものがあります。現在のアスベスト含有製品の製造・使用は禁止されていますが、古い建物のリフォーム時には専門業者による確認が必要です。
屋根材を葺きあげた後には、棟板金を取り付けて施工完了となります。
棟板金（むねばんきん）は、スレート屋根や金属屋根の頂上部分（棟）に取り付けられている金属製のカバー部材です。屋根の面同士の接合部分を覆うことで、内部への雨水の侵入を防ぎ、屋根の防水性や耐久性を保つという重要な役割を担っています。
棟板金の役割と構造
棟板金は、屋根の中でも特に風雨の影響を受けやすい箇所です。
- 役割:
- 防水: 屋根の頂上部分の隙間を塞ぎ、雨水が建物内部に侵入するのを防ぎます。
- 耐久性・強度確保: 屋根の構造を保護し、強風などから家を守る役割があります。
- 美観: 屋根全体のデザインを整える役割も果たします。
- 構造:
- 棟板金は、屋根下地の貫板（ぬきいた）と呼ばれる木材や樹脂製の板に、釘やビスで固定されています。この貫板の劣化が、棟板金全体の耐久性に大きく影響します。
劣化症状とメンテナンス
棟板金は経年劣化や自然災害によって傷みが生じやすく、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。
主な劣化サイン
- 釘の浮き・抜け: 日々の雨風で釘が緩み、浮き上がってしまう症状です。放置すると板金が強風で飛ばされる原因になります。
- 錆（さび）の発生: 塗膜の剥がれや傷から錆が発生し、進行すると穴が開いて雨漏りの原因になります。
- 板金の浮き・めくれ: 強風にあおられて板金が浮いたり、めくれたりすることがあります。
- 異音: 風が吹くたびに屋根から「バタバタ」と音がする場合、板金が浮いている可能性があります。
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