メンテナンスを機に熨斗瓦の段数を減らすのもアリです
更新日:2021年10月30日
私たち街の屋根やさんには、瓦屋根のメンテナンスについてのご相談も多くいただきます。今回は「熨斗瓦(のしがわら)」について簡単に解説します。「熨斗瓦(のしがわら)」は、屋根の面と面が合わさる頂点部分に設置する短冊型の瓦です。この屋根の面と面が合わさった鋭角な部分「棟(むね)」に「熨斗瓦(のしがわら)」を乗せ、内部への雨水侵入を防いでいます。熨斗瓦(のしがわら)
熨斗瓦は、段数が多いほど格式があると言われており、写真は繋ぎ目を覆うために「紐(ひも)」と呼ばれる突起が付けられている「紐熨斗瓦(ひものしがわら)」です。とても荘厳な雰囲気です。紐熨斗瓦の上に載っている瓦は「冠瓦/丸瓦」です。
熨斗瓦はいろいろな部位に使われています
熨斗瓦は、屋根のてっぺんにある「大棟(おおむね)」だけでなく、寄棟(よせむね)の場合は四隅や軒へ下っている「隅棟(すみむね)/下り棟」部分に使われていることもあります。また棟以外には、下屋根(げやね)と外壁の取り合い部分にも使われています。
熨斗瓦4段を無くした例
ビフォー アフター
こちらのお客様宅は、熨斗瓦のズレだけでなく、棟瓦も直線に並んでいたものが全体的に歪んでしまったため、棟瓦の取り直し工事を行ました。「棟の取り直し工事」は、棟部分の瓦を一旦取り外し、土台から作り直すという方法です。近年は、実用性や安全性から、メンテナンスを機に「熨斗瓦」の段数を減らすことが増えています。もともとあった熨斗瓦の段数を減らしたり、例のように4段全て無くすこともお選びいただけます。アフターを見ると、冠瓦(丸瓦)だけになりましたのでさっぱりとした印象に変わりました。乾式工法により、更に軽量化を図っています。
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