1.現地調査

築16年のお宅。

当社のホームページを見て、屋根の汚れや劣化が目立ってきたので、そろそろリフォームを検討していると見積もり依頼をいただきました。

さっそく現地調査うかがい、建物全体の点検をおこなっていきます。

まずは、屋根の状態を高所カメラを使ってみていきます。

スレートの屋根です。
色あせと広域に渡って苔の繁殖が目立ちます。

スレートの屋根材は主成分がセメントで表面に塗装が施してあるのですが、紫外線を受け続けるうちに
徐々に塗装が剥がれていってしまいます。

その状態が、色あせです。

剥き出しになった屋根材は雨の水分を吸収しては、晴れの日に乾燥するを繰り返すうちに、
傷み脆くなってしまいます。

ひび割れや欠け、反りなどは屋根材が脆くなってきたサインです。

つづいて外壁を点検していきます。

外壁を手で触ると、白い粉のようなものがつきました。

これはチョーキングと呼ばれ（白亜化）塗料の中の成分である顔料が劣化で粉化して、表面に浮き上がってきている状態です。

このチョーキングも外壁のメンテナンスの時期を知らせるサインとなっています。

サイディング外壁の目地です。

コーキングが黒く劣化しています。

この黒くなる原因は、コーキングに含まれる柔軟性を保つための可塑剤が表面に染み出してくると、劣化した輪ゴムのようにベタベタしてきます。そこにホコリなどが付着するので、汚れて黒くなっていくのです。

弾性もなくなり乾いていくので、コーキングが細くなる肉やせや、剥がれ、ひび割れ、亀裂などの劣化症状が出てきます。

DIYも可能なコーキングですが、なかには外壁材と相性の悪いものもあるので注意が必要です。

隙間なくキレイに充填するのも簡単ではありません。
広域な外壁のコーキングは、専門の業者へ依頼することをおすすめします。

2.高圧洗浄

塗装前の下準備として、高圧洗浄で建物を洗浄していきます。

洗浄で汚れや苔などを取り除くことが、塗装の仕上がりに大きく影響してきます。

割れてしまったり、ひび割れ部分から水が侵入してしまうこともあるので、傷みの激しいところは、水圧を調整して進めていきます。

外壁の洗浄です。

汚れの原因はかびや苔の付着以外にも、ホコリや花粉、排気ガスなどです。
建物の汚れは美観を損なうだけでなく、劣化を進めてしまうことになります。

ベランダの床も風の通りが悪い構造のことが多いため、汚れが溜まりやすく劣化も進みやすいところです。

防水を強化したい場所ですから、定期的にメンテナンスをすることが必須です。

3.屋根塗装

屋根の塗装です。

まずは、小さなひび割れの補修です。

下塗りは、シーラーを全体に塗布していきます。
傷んだ屋根材は、塗料を過度に吸収してしまうことがあるため、シーラーで下地を均し整えて強化します。

今回使用するのは、耐候性に優れたフッ素系塗料です。

フッ素系塗料は、もともと東京スカイツリーや六本木ヒルズなどの大型商業施設に塗り替えの回数を減らし美観を長く保てるように開発された塗料です。

非常に高価な塗料でしたが、最近では一般住宅用に技術開発されて、住宅に広く使われるようになってきました。

スレート屋根や金属屋根に適していて、汚れがつきにくく、紫外線にも強いので光沢が褪せずに長く続くのが特徴です。
塗り替えの回数が減らせるので、今の建物に長くお住まいの予定の方に最適です。

中塗り、上塗りを終え完成です。

苔が広がり色あせてしまっていたスレート屋根でしたが、新築のような仕上がりになりました。
棟板金も設置されました。

防水機能も回復できたので、台風やゲリラ豪雨の季節でも、安心して過ごせます。

4.外壁目地コーキング打ち替え

コーキング打ち替えです。

打ち替えは、最初に古いコーキングを残らず取り除いていきます。

そこへ新しいコーキングを隙間ができないよう均等に充填していきます。
簡単そうに見えますが、業者によっては大きな差が出るほど技術のいる作業です。

コーキングの劣化には
・細かいひびが入る
・肉やせ
・隙間ができる
・亀裂が入る
・欠落してしまう
・破断

と、上から順番に深刻度が高まります。

雨の侵入を遮断するコーキングの機能を落とさないうちに、メンテナンスするのが良いタイミングです。

5.外壁塗装

サイディングの外壁塗装です。

まずは、シーラーで下地を強化して、上塗りの密着させやすくしていきます。

下塗りが乾いたら、中塗り、上塗りをおこなっていきます。

今回使用するのは、フッ素系塗料です。
屋根に使用しているフッ素系塗料とは少し内容が違う、サイディングに適した塗料を使っていきます。

基本的な高耐久、高耐候な機能は変わりません。

キレイな光沢が出るのもフッ素系塗料ならではの特徴です。
紫外線に強いので色あせせず、塗り立て直後の美観が長く続きます。

耐用年数は15年と、ウレタンやアクリル、シリコンと比較するとダントツの長さです。
この年数が次の塗り替えの目安となります。

リフォームをお考えの方は、ぜひご検討ください。

6.付帯部塗装

付帯部塗装です。

まずは軒天です。
雨が直接当たる場所ではありませんが、湿気が溜まりやすいので傷みやすい場所です。

塩化ビニール製の雨樋も傷みやすく付帯部塗装のおこなう上位に入っています。
紫外線と雨風にさらされていくうちに、塩化ビニールが劣化でしなりがなくなり固くなるので、割れやすく歪みの原因にもなっていきます。

激しく劣化している場合は、交換となります。

帯板を塗装していきます。

帯板は、外壁に取り付けて建物のアクセントになる装飾材です。
1階と2階の間など、境界線に取り付けることが多いです。

外壁に別の部材を取り付けている帯板は、外壁よりも外側にある構造上、雨などが残り傷みが進みやすい場所です。

点検の際に劣化でひびの入っていた帯板でしたが、塗装を施し防水性も回復したので、外壁同様に建物の寿命を延ばすことができ、安心してお過ごしいただけます。

7.ベランダ防水工事

ベランダ防水工事です。

まずは下塗りで防水工事専用のプライマーを全体に塗布していきます。
傷んだ下地を均して強化し、上塗り材の過度な吸い込みを防ぎます。

今回使用する防水塗料は、オートンウレアックスHGです。

短時間で硬化し強靭な塗膜ができる高耐久の塗料です。

オートンウレアックスで、中塗り、上塗りを進めていきます。

厚い塗膜の層ができ光沢が出てきました。

オートンウレアックスは乾きが早く、わずか1日で完成することも人気の理由です。

ベランダは、屋根や外壁と同じように、紫外線や雨風を受け続ける過酷な環境にいます。
さらに、壁に囲まれ風の通りの悪い場所も多いので、防水機能が低下してくると水はけが悪くなり、その環境を好むかびや苔が付着しやすくなります。

居室とつながっていることも多いので、雨の侵入を遮断するためには、防水を徹底しておきたい場所です。

オートンウレアックスは、歩き回る床や立ち上がりでも、耐久性を長く保ち防水効果が続きます。

雨漏りに発展してしまう前に、汚れやひび割れ、かびや苔の付着に気づいたら、早めにメンテナンスをおこなうことをおすすめします。

8.施行完了

当社のホームページをご覧いただき、ご自宅の屋根の汚れと劣化が気になるのでとリフォームのお見積もりのご依頼をいただきました。
色があせて苔が繁殖していたスレート屋根でしたが、フッ素系塗料での塗装で防水性も回復し、新築のようにキレイに仕上がりました。
サイディングの外壁もフッ素系塗料で塗装をおこない、傷んでいた帯板とともに美観を取り戻しました。

ベランダ防水を含め、高耐候、高耐久のハイグレード塗料を使用し、美観を保ちながら安心して長くお過ごしいただけるお住まいになりました。

今回は屋根と外壁はフッ素系塗料で塗装、付帯部塗装、ベランダ防水工事はオートンウレアックスHGでの施工をおこないました。

総工費約135万円、施工期間約2週間でした。

そろそろうちも・・・
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