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軒どいには雨水を流す一定の勾配(傾斜)が必要。適切な勾配は?
更新日:2021年5月27日
古い雨どいと取り付け金具を全部撤去したあとに、鼻隠し板を塗装しました。黒に近いこげ茶色はお家のアクセントにもなりますし、茶系統の屋根の色ともよくマッチします。
塗装膜が十分に乾いていることを確認したら、雨どいの取り付け金具(支持金具)をつけていきます。一般には900mm間隔で設置していきますが、金具の材質や地域性によっては300mmから600mm間隔で設置する場合があります。
雨といの支持金具が全部設置されました。写真をよく見ると黄色い線が見えます。水糸という糸を張っているのですが、何のために張っているのでしょうか。
雨どいは屋根から流れ落ちてきた雨水を受け止めて地表へ流して行くのですが、単純に水平に取り付けてしまうと、雨水がきちんと流れていきません。
そこで軒樋には一定の勾配(傾斜角度)をつけてやります。軒樋に流れてきた雨水は、集水器を介してたて樋へ流して行きますので、たて樋へ向けて傾斜している必要があるのです。
その傾斜角度は「おおよそ」とか経験に裏打ちされているとはいえ「勘」などではなく、きちんと基準点を設けて計算上の適切な勾配をつけてやります。
まずは各部に必要な雨どいを仮設置していきます。定尺のまま使う材料と、必要な長さにカットして使う材料が混在している状態です。屋根の四隅にはコーナー用の部材を、たてどい付近には集水器を、横樋の継ぎ目にはジョイント部材を用意しておきます。
コーナー、集水器、継ぎ目には雨どい専用の接着剤を十分に塗布し、適切な接着力を与えます。ジョイント部に隙間が空いていないか、集水器への重ね代は十分か、支持金具にしっかりと取り付けられているかを確認しました。
よくご覧いただきますと、この雨どいの中央部分(写真の中央あたり)が高くて、写真の奥と手前側が低くなっていることが分かります。屋根の四隅に設置されているたて樋へ向けて雨水が流れるように勾配(傾斜)をつけているのです。これで雨水が適切に排水されますので安心していただけます。
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