既存の銅板の谷板金です。写真の様に表面にあらわれる緑青が銅板を覆うことで腐食しずらくなり耐久性を高めます。緑青は雨水、酸素が触れる表面に発生します。当然ですが緑青を落としたり塗装をしたりするメンテナンスは必要ありませんが築40年ともなると厳しいですね。

本来耐久性の高い銅板ですが、今回の様な陶器瓦との組み合わせでは問題もあります。陶器瓦を焼く時に使用する釉薬に銅を溶かす性質があり、陶器瓦と銅板が接触してしまうと腐食を起こし穴が開くことがあります。こちらでも見られました。

谷板金を撤去して、下地の接着性の防水紙を貼ります。瓦を撤去し、広範囲に貼り付けます。瓦の割れも多数見られますね。かなりの枚数を交換することになりそうです。

反対面の谷部も同様に瓦をはがし、なるべく広範囲に下地の防水紙を貼っていきます。

棟瓦の復旧です。漆喰を使用して瓦を積んでいきます。瓦の漆喰も多くの部分で剥がれ、剥離が見られましたので補修を行いました。

谷部下端の仕舞が完了しました。瓦も綺麗に復旧できました。以前より一回りサイズアップしていて豪雨時雨量でも安心だと思われます。

谷と棟の取り合い部分です。平瓦の復旧が完了しました。板金と瓦の重ねもしっかり確保できています。棟瓦の復旧を行えば完了です。

腐食に強いガルバリウム鋼板ですので、しばらくは安心ですね。しかし、築40年と言う事もあって耐久性の高い陶器瓦にも表層クラック等が多く見られます。永く安心してお住まいされる為には全面的な改修工事も検討されてもいい時期ですね。