岸和田市の台風の突風で崩れた降り棟を一部積み直し銅線で固定
更新日：2025年10月6日
足場は職人が作業する際の足掛かりになり、安全を確保するとともに品質の高い工事を行うために必要です。
降り棟の一部が崩れて軒先の瓦も下に落下していました。
いぶし瓦とは粘土瓦の一種で、粘土を瓦の形に形成したあと、素焼きしてから蒸し焼きにし、表面に炭素膜を形成した銀色の瓦のことです。
黄色い点線部分の崩れた棟を積み直します。
銅線を通した長いビスを降り棟の木下地に向かって打ち付けて、その銅線を鬼瓦に通して引っ張って落ちないように固定します。
新しい葺き土をのせて、その上に四角いのし瓦を積み上げます。I様邸の棟はのし瓦を3段積み上げる形状ですので間に葺き土を挟みながら葺きます。
のし瓦は雨水が棟の内側に入らないように勾配を付けないといけないので、技術が必要です。
土葺きの屋根は粘り気のある土を下地にして瓦を密着させて固定していますので、土が少ないと意味がありません。葺き土と瓦の間に隙間ができないように土をのせることが大切です。
銅線は経年で劣化し切れやすくなってしまいます。I様邸の崩れた棟の銅線も傷んで切れている状態でした。
この銅線がないと、土だけで固定することになりますので、瓦が動きやすくなり、棟が崩れる原因になってしまいます。
被害箇所以外の降り棟も、今後のことをふまえてコーキングで補強しました。このように瓦同士を繋ぐことにより、瓦がバラバラに飛散するのを防ぐことができます。この工法のことを「ラバーロック」といいます。
次は、軒先瓦の復旧や瓦の固定の様子をご紹介します。
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