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王寺町の医院、台風被害のカラーベスト屋根を5日間かけて葺き直し
更新日:2026年7月10日
以前ご紹介した、奈良県王寺町の医院様の台風被害屋根修繕工事がいよいよ始まりました。現地調査で確認していた通り、カラーベスト屋根材の割れや飛散、樋の詰まりなど複数の不具合が生じており、早急な対応が必要な状態でした。今回の工事では、足場を組んでの本格的な作業となり、予想以上に手間のかかる工程もございましたが、安全を最優先に丁寧に施工を進めてまいりました。その詳しい内容をご報告いたします。
屋根工事を安全に行うために、まず足場の設置から作業を開始しました。屋根の上での作業は高所になるため、職人が安全に動き回れる環境を整えることが何より大切です。足場をしっかりと組むことで、作業効率も上がり、より丁寧な施工が可能になります。歯科医院として診療も続けていただいている中での工事となりましたので、騒音や安全面にも十分配慮しながら進めてまいりました。
カラーベストの取り外し作業、実は一筋縄ではいきませんでした
台風で飛散した軒先部分から作業を開始しました。カラーベストを取り外す際は、専用の特殊工具を使って留め付けてある留め具を抜いていきます。通常の住宅では釘で留めてあることがほとんどですが、今回の歯科医院の屋根は少し違いました。
この建物の屋根下地には「センチュリーボード」という耐火野地板が使われていました。センチュリーボードとは、火に強い素材で作られた特殊な屋根の下地材で、万一の火災時にも燃えにくい性能を持っています。ただ、この素材は硬くて密度が高いため、通常の釘では固定できず、カラーベストはすべてビス(ネジ)で留め付けられていました。
このビスを抜くのに、今回の現場では非常に苦労しました。釘の頭に引っかけて引き抜くための専用工具を使っても、ビスの形状が違うためうまく抜けません。次に、先端が鋸の刃のようになっている工具を使って切断を試みましたが、ビス自体が非常に硬く、なかなか切れませんでした。
新しいルーフィングを敷き直し、カラーベストを葺き直しました
苦労の末にビスを抜いても、さらに問題が起きました。カラーベストを下へ引き抜こうとすると、長年の経過によって屋根材の裏面が「ルーフィング」とくっ付いてしまっていたのです。ルーフィングとは、屋根材の下に敷かれている防水シートのことで、雨水が建物内部に入り込まないようにするための大切な素材です。
無理やり引き抜くとルーフィングが破れてしまい、防水性能が損なわれる危険がありました。そのため、方針を変え、棟(屋根の一番高い頂上部分)から順番に、すべてのカラーベストのビスを丁寧に抜きながら、一枚ずつ取り外していく方法を選択しました。
取り外した屋根材の中から、割れておらずまだ使えるものをより分けて一か所にまとめ、今後の再利用に備えました。
新しいルーフィングを敷き直し、カラーベストを葺き直しました
既存のカラーベストを取り外した際に、やはりルーフィングが各所で破れてしまいました。破れたままでは防水の役割を果たせなくなりますので、新しいルーフィングを全面に敷き直しました。
その後、取り外して使えると判断したカラーベストを下から順に葺いていき、破損して使えなくなった部分には新しい屋根材として「コロニアル・クアッド」を使用しました。コロニアル・クアッドはカラーベストの一種で、現在でも広く流通している定番の屋根材です。新しい材料は上部にまとめて葺き直し、再利用できる既存材を下部に使う配置で施工を進めました。
すべてのカラーベストが葺き終わったら、次は「棟」の仕上げ作業です。棟とは屋根の頂点にある部分で、ここをしっかり仕上げることが雨漏り防止の要になります。棟を覆う板金(棟包板金)は既存のものをそのまま再利用しましたが、その板金を固定するための下地となる木材は新しいものに取り替えました。古くなった木材は腐食している場合があり、そのまま使用すると後々の不具合につながる恐れがあるためです。
棟包板金同士のつなぎ目には、コーキング(防水シール材)を二重に打つ「二重コーキング」を施し、防水性と耐久性を高めました。さらに板金の側面からビスで固定し、強風でも動かないようにしっかりと仕上げました。
今回の工事では、既存のカラーベストを再利用した部分と、新しいコロニアル・クアッドを使用した部分が混在するため、仕上がり後に色のまだらが生じました。これは経年変化により既存材の色が褪せているためで、やむを得ない部分ではありますが、防水性能や耐久性の面では問題のない状態です。足場の設置から葺き直し完了まで、延べ5日間の工事となりました。
現地調査の際に確認していた通り、樋の中には長年の汚泥や苔が大量に堆積しており、そのままでは雨水がスムーズに流れない状態でした。屋根工事と合わせて樋の清掃もしっかりと行い、排水が正常に機能する状態に整えました。樋の詰まりは雨漏りや建物の外壁への水漏れにもつながりますので、今後も定期的な清掃をお勧めしております。
ノンアスベストのカラーベストは、経年とともに素材が脆くなる性質があり、台風などの強風が加わることで今回のような広範な被害につながりやすい屋根材です。また、センチュリーボードへのビス留めという特殊な仕様が重なり、取り外し作業に大変な手間がかかる現場となりましたが、一つ一つの工程を丁寧に進めることで、安全で確かな仕上がりを実現することができました。街の屋根やさん奈良店では、このような難易度の高い現場にも対応しております。屋根の状態が気になる方、台風後に異変を感じた方は、まずはお気軽に無料現地調査へお問い合わせください。
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