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橿原市の祠屋根を漆喰詰め増しでしっかり守りました
更新日:2026年6月15日
今回ご依頼をいただいたのは、橿原市内に佇むお地蔵さまの祠屋根修繕工事です。日ごろよりお付き合いのあるお客さまからのご紹介で、「最近、屋根まわりが少し気になる」という一言がきっかけでした。
人さまのお住まいとはまた違う、仏さまのお住まいへの工事です。職人として手を抜けないのはもちろんのこと、どこか背筋の伸びるような緊張感を覚えながら、作業の準備を進めました。それでは、工事の様子をご覧ください。
現場に到着し、トラックを横づけして梯子をかけます。地上から眺めると一見きれいに見えるお地蔵さまの屋根ですが、見た目だけで判断するのは禁物です。屋根の傷みは近づいてみて初めて気づくことがほとんどで、今回もしっかり各所を点検させていただきました。
点検してすぐに気になったのが、掛け瓦の上あたりから土がこぼれている箇所です。
「面戸(めんど)」とは、棟瓦と平瓦の隙間を埋める部分のことです。本来はここに漆喰(しっくい)が詰められており、雨水や虫の侵入を防ぐ役割を担っています。その漆喰が経年劣化によって崩れ落ち、中の土がむき出しになっていました。このまま放置すると、雨水が屋根内部に浸入して雨漏りにつながる危険があります。早めの詰め直しが必要な状態でした。
また、正面から見て奥のほうにも同様に漆喰が剥がれかかっている箇所があり、こちらも詰め増し(既存の漆喰の上から新しい漆喰を補充する工法)で対応することにしました。
屋根の上に上がり、さらに詳しく見ていくと、平瓦と紐丸瓦(ひもまるがわら)のつなぎ目部分の漆喰が、今にも剥がれそうな状態になっていることがわかりました。
「紐丸瓦」とは、棟(屋根のてっぺん)や隅棟などに並ぶ丸みのある瓦のことで、雨水の流れを整える大切な役割を持っています。こういった特殊な形状の瓦は一般住宅ではあまり見かけませんが、お寺や神社、地蔵堂などの和風建築では古くから使われてきた伝統的な瓦です。
また今回使用されているのは「いぶし瓦」と呼ばれるもので、焼成後に燻す(いぶす)工程を経て独特の銀色の光沢を持つ瓦です。耐久性が高く、適切なメンテナンスさえ続ければ数十年にわたって使い続けることができます。今回も瓦そのものにはまだ十分な寿命があり、漆喰の補修だけで屋根を守ることができると判断しました。
棟台場(むねだいば)と呼ばれる棟の土台部分の面戸に、新しい漆喰を丁寧に詰め増ししていきます。「棟台場」とは、棟瓦を積み上げていくための基礎となる部分で、ここの漆喰が傷むと棟全体の安定性に影響が出てきます。
詰め増しが完了すると、真っ白な漆喰がくっきりと際立ち、屋根全体がぐっと引き締まった印象になりました。見た目の美しさだけでなく、防水性・強度ともに回復しています。
続いて、ケラバ破風(屋根の妻側の端部)の漆喰も丁寧に詰め増しします。「ケラバ」とは屋根の斜面の端にあたる部分で、雨風を直接受けやすい箇所です。ここの漆喰が傷んでいると、下地まで水が回ってしまうことがあります。目立ちにくい部分ではありますが、仕上がりにこだわって丁寧に施工しました。
まず施工前の状態を確認してください。紐丸瓦のまわりの漆喰が劣化し、所々が白く粉を吹いたり、欠けたりしています。
施工後は、新しい漆喰がしっかりと詰められ、瓦との境目もきれいに整っています。漆喰が安定したことで、瓦自体の固定力もアップし、雨風に対する耐性が高まりました。
なお、今回の屋根で見られた「浅瓦(あさがわら)」という葺き方についても触れておきます。一般住宅に比べて瓦の重なり(働き幅)が少ない葺き方で、このようなお堂や地蔵堂の屋根によく使われます。見た目はすっきりとしていますが、その分、漆喰による目地処理が屋根の防水性において非常に重要な役割を担っています。
無事に全ての漆喰詰め増し工事が完了しました。卍の紋様が刻まれた鬼瓦(おにがわら)もひとまわり風格が増したように見えます。「鬼瓦」とは棟の端に設置される装飾瓦で、魔除けや守護の意味が込められた、和の屋根には欠かせない存在です。
作業をしながら感じたのは、「しっかり仕上げなければ」という職人としての自然な気持ちでした。仏さまに見守られているような感覚の中で、一つひとつの工程に真剣に向き合うことができた現場でした。
漆喰の詰め増し工事は、一見地味に思えるかもしれませんが、瓦屋根を長持ちさせるうえで欠かせないメンテナンスです。「うちの瓦屋根、最近なんとなく気になっている…」という方は、ぜひ一度、街の屋根やさん奈良店にご相談ください。無料で点検にお伺いし、現状と必要な対処をわかりやすくご説明いたします。お気軽にお電話・またはWebフォームよりお問い合わせください。
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