まず状況とご相談

こんにちは、成田屋根工事店です😊
多治見市の美容院オーナーさま（50代）から「大きな出窓の角あたりから雨漏りする」とご相談。屋根と壁、サッシまわりを拝見すると、打ってはいけない所にコーキングがされ、さらに防水テープがベタベタ。いわゆるその場しのぎの補修”が積み重なっていました💦
「見た目だけ止まっている」ケースは再発が早いのが特徴。そこで後日、水掛け試験（ホースで段階的に散水し侵入点を絞る検査）をご提案。実施の結果、シャッターを開けた内部の納まりで木部が露出している箇所からピンポイントで浸水していることが分かりました。

まずは家電類を一時退避。水掛け試験は屋根→外壁→サッシ→シャッター内部の順で10〜15分刻みに散水範囲を増やし、原因帯を一点に特定しました。建物内部の基礎、取り合いに淡いコーヒー色の染みが現れ、クロスの波打ちと巾木付近の点状シミが確認できます。雨は一気に入るタイプではなく、細く長く染み続けた痕跡。付近にはコンセントと延長コードが見えるため、漏電リスクも無視できません。

原因の正体はここ！

屋外で確認できたのは、屋根と壁・サッシの“取り合い”に不適切なコーキングが多数。雨仕舞い（あまじまい：雨を適切に受けて流す工夫）は“塞ぐ”より“逃がす”が基本なのに、重ね代（かさねしろ）や水切り（金属の傾斜板）の役割をコーキングで代用してしまうと、内部に水が回ったときの逃げ道がゼロに。
とどめはシャッター内の木部露出。“水が触れたらダメな素材”がむき出しだと、毛細管現象（細い隙間を水が逆走）で室内側へ吸い込むように進入します。水掛け試験ではそこへ散水した瞬間、出窓の角から雨漏りが再現されました📸

近接写真では、サッシ上端のシールが段差越しにべったりと盛られ、排水の逃げが完全に塞がれています。塞ぐ発想ではなく、板金で受けて前に逃がす発想に設計を戻すことが再発防止の近道です。

放置はキケン！想定される二次被害⚠️

今後のご提案

A｜応急＋営業継続を最優先（今日止めるプラン）
• 出窓角の侵入点にトタン（水切り板金）を当てて一次止水
• 浮いたテープ・余剰コーキングは排水阻害部のみ撤去して水路を確保
• 室内は受けバケツの最適化／家電退避
⏱1〜2時間／費用＝小：営業中の安全第一に。

B｜準本工事（再発防止の“逃がす設計”へ）※推奨
• シャッター内の木部露出に専用水切り板金＋捨て板金を新設
• サッシ下端の排水ルートを板金で作り直し、禁忌部のコーキング撤去
• 水掛け試験で再確認して完了引き渡し
⏱半日〜1日／費用＝中：見えない裏側から理屈で直す現実解。

C｜長期安定プラン（外装リフレッシュと同時に）
• 出窓まわりの笠木板金、シャッターBOX内板金の総見直し
• シーリングは可動部・水路を避ける配置で最小限に
• 将来の外壁塗装タイミングに同時施工で足場コスト最適化
⏱1〜2日／費用＝中〜大：耐久性UPと維持費ダウンを両立。

まとめ

今回の多治見市のケースは、出窓の角から雨漏りという症状でも、真犯人はシャッター内部の木部露出＋排水路の塞ぎでした。塞ぐ補修から、逃がす設計へ。まずはAの応急で営業を守り、次にBの準本工事で再発ルートを根本断ちしましょう。

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