最近主流のガルバリウム鋼板やステンレスとは違い銅板は非常に柔らかい板金です。そのために少しの衝撃で穴が空いたり曲がってしまいます。
工事初め一度銅板の上に瓦が葺いていますので撤去していきました。

撤去後下地の木材は腐食していませんでしたのでそのまま下葺きのルーフィングを貼り銅板の取り付け工事をしていきます。
予め板金屋さんと仕様を打ち合わせていましたので加工済みの唐草板金（写真左）を取り付けます。
その唐草板金に挟み込むように新しい銅板を取り付けていきます。
注意点は銅板は素手で触ると変色して黒ずんでいくので、板金屋さんも新しい軍手に何回も取り換えていました。
仕上がりは出来立ての10円玉みたいな色です。

銅板が仕上がり日本瓦の復旧作業です。
軒先瓦は一文字瓦と言う瓦です。
棟部も屋根土ではなく今後のことを考えてモルロックで積んでいきました。

完成写真です。　今回は道路側の面だけの工事でしたので仕上がりの色目がはっきりとわかると思います。
最後に右側の銅板は酸化銅と言いますが長い年月をかけてこの自然な色になります。
簡単にどのような仕組みでこうなっていくのか説明を付けます。

1. 酸化: 銅が空気中の酸素と反応して赤褐色の酸化銅（Cu₂O, CuO）ができる。
2. 反応: その酸化銅がさらに空気中の水分と二酸化炭素（CO₂）に触れる。
3. 生成: これらが反応して、青緑色の塩基性炭酸銅（主成分）などが生成され、緑青となる。 

• 保護膜: 非常に緻密で硬く、銅の表面に密着して内部の腐食を止める役割がある。
• 無害: 昭和時代に有毒と誤解されていたが、科学実験により無害であると証明された（ただし、酸性の飲食物との長時間の接触は避けるべき）。

最近ではこのような立派な日本家屋が少なくなってきていますが、きちんとメンテナンスをすれば長持ちします。
街の屋根やさん大阪門真店では板金の加工をそな場で臨機応変に対応できるスタッフもたくさん在籍しております。
気になることがあればお気軽にお問い合わせください。
ありがとうございました。