雨漏り箇所を点検調査

室内に入り、まず雨漏りが発生している箇所を確認しました。

雨漏りは天井と天袋内部に跨って発生しており、天袋の近くには木製の戸袋があります。

戸袋の内部の底と天袋の天井は非常に近接しており、築年数の経過した建物では戸袋が雨漏りの原因になることがあります。

そのため、ベランダに上がって戸袋の内部を確認しました。

戸袋を確認したところ、雨戸のレール用に使われていた木材が破損していることがわかりました。
レール部分は雨水が溜まりやすく、他の木材に比べて腐食しやすい傾向があります。

また、戸袋内部の板がふやけて波打っており、雨水が当たりやすい箇所であることが判明しました。
後日、戸袋内部に高圧の水をかけたところ、天井や天袋の内部から雨水が漏れることが確認されました。

この状況では、戸袋がある限り雨漏りは避けられないため、普段使用されていないことも踏まえ、戸袋を撤去し、新しい外壁を設置する工事を行いました。

新規の外壁取り付け工事

既存の戸袋を撤去

木製の戸袋とベランダのデッキの接合部には、L型の金物が取り付けられていました。
おそらく双方を固定するためのものです。

今回は戸袋を撤去するため、このL型金物を取り外します。
金物を外すことで戸袋の撤去が可能となります。

解体作業を進めて戸袋を取り除き、内部の板も撤去することで、雨漏りの原因となっていた部分が解消されました。

新規の外壁を取り付け

雨漏りの原因となっていた部分を取り除いたことで、新たに外壁を設置できる状態となりました。

既存の外壁がモルタルで造られているため、既存に合わせてモルタル壁を施工します。

まず防水紙（ルーフィング）を張り、その上にラスカットボードを取り付ける作業です。

戸袋を撤去した箇所にはもともと枠がないため、木材で枠を設け、その内側を仕上げていきます。

表面にモルタル塗装

ラスカットボードの取り付けが完了した後、表面にモルタルを塗布していきます。

モルタルは2段階に分けて塗り、最後に表面をきれいに均して仕上げます。

モルタルが乾燥した後は塗装作業に移り、下塗り材を1回塗り、上塗り材を2回塗る計3回の塗り重ねで完成させます。

外壁の塗装作業

使用した塗料は日本ペイントの「パーフェクトトップ」で、色はND-108です。

モルタルに塗る際の下塗り材には、同じく日本ペイントの「パーフェクトフィラー」を使用しました。

最初に塗布した白色の塗料が下塗り材にあたるパーフェクトフィラーです。

下塗り、中塗り、上塗りの各工程では、塗布後にしっかり乾燥を確認してから次の塗り重ねを行っています。

完工

取付けた木枠も周囲の色に合わせて塗装し、日本ペイントの「ファインSi」23-255で焦げ茶色に仕上げました。

雨漏りの原因となっていた戸袋を撤去し、雨水の侵入がない外壁を新たに施工する工事が完了しました。

これにより、雨漏りやそれに伴う不安の心配はなくなりました。