お悩み

瓦屋根住宅にお住まいのお客様より、室内床に濃い雨じみができていると緊急のご相談をいただきました。
天井にも大きな雨じみが確認され、大量の雨水が侵入したことによる深刻な被害が推測されました。

雨漏り診断結果：軒先板金の穴あきを特定

✅雨漏り調査
室内を確認すると、天井には大きな雨じみが確認されました。
大量の雨水が侵入したことで、床に濃いしみができていました。

室内での雨漏り箇所から、雨水が屋根の軒先から侵入している可能性が高いと判断し、軒先周辺を詳細に調査しました。

• 軒先板金の劣化
  屋根材の最も先端部分にある軒先板金に、経年による腐食で複数の穴が確認されました。

• 大量の浸水
  軒先板金は、屋根全体から流れ落ちてくる雨水を最初に受け止める部分です。
  この部分に穴が空いたことで、大量の雨水が板金の裏側、すなわち建物の軒下に直接流れ込み、天井や床にまで達するほどの雨漏りを引き起こしたと特定しました。

軒先板金の穴あきはなぜ起こる？

✅板金の穴あきはなぜ起こるの？

軒先板金は、金属（トタンやカラーステンレスなど）でできており、常に雨や紫外線にさらされています。

1. 塗膜・メッキの劣化
   長年の風雨により、金属を錆びから守る表面の塗膜やメッキが剥がれます。

2. 腐食の進行
   メッキが失われた金属は空気や水に触れることで腐食（サビ）が急速に進行し、やがて穴が開いてしまいます。
   特に雨水が集中する軒先は、腐食が進みやすい箇所です。

板金の穴あきは雨漏りするほどの深刻な状態なの？

✅板金の穴あきは非常に深刻な状態です。

軒先板金は、屋根全体を流れてきた雨水を集め、軒樋へと導く「最終防波堤」の役割を果たしています。
この板金に穴が空くと、雨水が集中した状態で直接軒下の内部に流れ込むため、通常の雨漏りよりもはるかに大量の水が短時間で侵入します。
その結果、今回の事例のように天井だけでなく床までシミを作るほどの深刻な被害につながるのです。

ご提案・実施工事：板金カバーと瓦の葺き直し工事

雨漏りの原因を根本的に解決するため、以下の工事を実施しました。

軒先板金に新しい板金をカバーする工事

カバー工法
既存の軒先板金の上に、耐久性の高い新しい板金を重ねて設置するカバー工法を実施しました。
穴の空いた板金を完全に覆うことで、水の侵入経路を遮断しました。

軒先板金付近の瓦の葺き直し

瓦の葺き直し
板金カバー工事を行う際、周辺の瓦を一時的に取り外す必要があります。
新しい板金設置後、取り外した瓦をズレがないように元の位置に正確に葺き戻し、雨水が適切に板金の上に流れるよう調整しました。

今回は、軒先板金の交換（カバー）に必要な範囲に限定してこの手法を用いました。瓦を再利用するため、費用を抑えつつ、防水性を回復できる工法です。

福岡市早良区｜雨漏り工事工程

✅腐食した板金の上に防水シートを施工しました。
板金近くの瓦を一度撤去します。
葺き直し工事では、撤去した瓦を再利用するため、丁寧な作業が求められます。

✅防水シートの上に板金をカバーします。

✅撤去した瓦を元の位置に戻します。

✅これで、板金カバー工事と瓦の葺き直し工事が完了しました。

福岡市早良区｜大量の雨漏りから解放

軒先板金に耐久性の高い新しい板金をカバーし、周辺の瓦も正しく葺き戻したことで、雨漏りの不安は完全に解消されました。
お客様からは、「あんなにひどい雨漏りだったのに、原因が板金にあると分かり、的確に直してもらえて本当に安心しました」とのお声をいただきました。

今回の事例は、瓦屋根であっても、金属部品の寿命が雨漏りを引き起こすこと、そしてその劣化を放置すると大量の浸水被害につながることを示しています。
軒先板金などの金属部品は、築年数に応じて定期的な点検が必要です。