FRP防水の劣化と雨漏りリスク

職人目線で現場を見ると、FRP防水の劣化には特徴があります。

• 表面のゲルコートがひび割れ
  紫外線や熱による収縮で割れが生じます。

• 膨れや浮き
  下地に水分が入り込むと、FRPが膨れて剥がれやすくなります。

• 排水ドレンまわりの損傷
  ドレン周辺の防水が切れていると、雨水が逆流し室内に浸入するリスクがあります。

劣化が進むと、ベランダ下の天井や柱、下地木材まで腐食する可能性があり、早期の施工が家を守る最善策です。

ウレタン通気緩衝工法を選んだ理由

今回のような劣化があるFRPベランダでは、従来の密着工法では再び膨れが起きる可能性があります。
そこで選んだのが ウレタン通気緩衝工法 です。

• 下地に残る水分を逃がせる通気層

• 弾性のあるウレタンでひび割れに強い

• 厚みを確保でき、耐久性アップ

• FRPを完全撤去せず施工できるためコストを抑えられる

職人目線では、「膨れや割れのリスクを最小限に抑えつつ、仕上がりを美しくできる」点が最大のメリットです。

施工の流れ（職人のこだわり）

1. 高圧洗浄・下地処理

ベランダ全体を高圧洗浄で汚れを落とし、膨れや剥がれを確認。
下地の浮きやひび割れはケレンで補修します。
ここを丁寧に行うかで仕上がりの耐久性が大きく変わります。

2. プライマー塗布

ウレタンの密着性を高めるプライマーを塗布。
薄くムラなく塗ることで、後のウレタン層がしっかりくっつきます。

3. 通気緩衝シートの敷設

通気層を確保するシートをベランダ全体に貼り込みます。
これにより下地に残る水分が自然に逃げ、膨れや剥がれを防ぎます。

4. ウレタン防水塗布（1層目・2層目）

ローラーで均一に塗り重ね、角や立ち上がりも丁寧に塗布。
職人の経験が仕上がりに直結する工程です。

5. トップコート仕上げ

最後に保護塗料を塗布し、紫外線や摩耗から防水層を守ります。
落ち着いたグレーで仕上げることで、美観も確保しました。

よくある質問（Q&A）

Q1. FRP防水の上からウレタン防水を施工できますか？
A. 可能です。ただし下地に水分が残っている場合は膨れや剥がれの原因になるため、通気緩衝工法で湿気を逃がすことが重要です。

Q2. 工事期間はどれくらいかかりますか？
A. ベランダの広さにもよりますが、2〜4日程度。天候に左右されることがあります。

Q3. 工事中はベランダを使用できますか？
A. 施工中は立ち入りできませんが、数日で完了するためご不便は最小限です。

Q4. 将来のメンテナンスはどうすればいいですか？
A. トップコートの再塗布や排水ドレンの点検を定期的に行うと、耐久性をさらに長持ちさせられます。

職人からのアドバイス

• ベランダ防水は10〜15年が交換の目安

• 表面のひび割れや膨れが見えたら早めの点検を

• 通気緩衝工法は膨れや剥がれを防ぐ工法として非常に有効

• DIYでの補修は応急処置にしかならず、根本的な解決にはならない

まとめ

四日市市での施工事例をご紹介しました。
FRP防水の劣化で雨漏りしていたベランダも、ウレタン通気緩衝工法で根本から改修することで、美観も機能も新築同様に生まれ変わりました。

ベランダ防水は家を守る重要な部分です。少しの劣化でも放置せず、定期点検や早めの施工をおすすめします。