▷限界がある理由

①屋根材そのものの耐久性の問題
・スレート材はセメントを主原料としており、経年劣化で徐々に脆くなります。塗膜をいくら重ねても、基材の寿命を超えてしまえばひび割れや反りを防げません。

②塗装の効果が薄れる
・既に複数回塗装されていると、塗料が密着しにくくなり、剥がれや膨れが起こりやすくなります。

③雨漏りリスクの高まり
・見た目に割れがなくても、屋根材の裏側や釘穴まわりから雨水が回り込み、塗装ではカバーできない雨漏りにつながることがあります。

仮設足場設置

安全に作業を行うために、まずは仮設足場を設置します。

併せてメッシュシートを張り、周囲への飛散防止対策も徹底します。

高圧洗浄

通常、カバー工法では既存屋根を撤去せず上から新しい屋根材を施工するため、必ずしも高圧洗浄は必要ありません。

しかし、今回は外壁塗装も同時に行うため、建物全体をきれいに洗浄。

その一環で屋根にも高圧洗浄を施しました。

ルーフィング施工

ルーフィングを全面に敷設します。

採用したのは、七王工業㈱ 『エコタック』です。
👉高い防水性能を持ち、屋根下地への浸水を防ぐ重要な役割を担います。

唐草板金の取り付け

唐草板金：屋根の軒先部分に取り付ける金属部材のことです。

屋根の端部は雨水がもっとも集まりやすく、建物内部へ浸入するリスクが高い場所です。
唐草板金を取り付けることで、雨水が屋根材の下へ回り込むのを防ぎます。

ケラバ水切りの取り付け工程

ケラバ水切り：屋根の端（妻側・ケラバ部分）に取り付ける金属部材のことです。

屋根の側面は風の影響を受けやすく、強風時には雨水が吹き込みやすい箇所です。
ケラバ水切りを設置することで、雨水の浸入を防ぎ、外壁や下地材の劣化を抑えます。

新しい屋根材の施工

最後に、新しい屋根材『横暖ルーフαS』を施工しました。

軒先から順に葺いていきます。
縦横の重なりを正しく施工することで、雨水の浸入を防ぎ、強風にも耐えられる仕上がりとなります！

横断ルーフαSについて

▷ニチハ　『横断ルーフαS』

断熱材一体型のガルバリウム鋼板屋根材

棟施工の様子

棟部分の下地には、木材ではなく樹脂製の貫板を使用しました。
木材の貫板は長年の使用で雨水を吸って腐食や痩せが生じやすく、固定力が弱まる原因となります。

🔶樹脂製貫板

・雨水を吸わないため腐食しない
・反りや割れが起きにくく、長期間安定
・棟板金の浮き上がり防止につながる

近年では耐久性を重視するリフォームで採用が増えています。

樹脂製貫板の上に棟板金をかぶせ、専用ビスでしっかり固定します。
➡ビスには錆びにくく抜けにくい構造のステンレス製を採用し、強風にも耐える仕様です。

接合部分にはシーリングを充填し、雨水が侵入しないよう防水処理を徹底しています。

棟全体を覆うように板金を仕上げることで、屋根の最上部からの雨漏りリスクを防ぎます。

カバー工法完成

今回の工事では、塗装から一歩進めて「カバー工法」を選択いただきました。

横暖ルーフαSは高い耐久性と遮熱性を備えていて、メーカー保証も充実しているので、今後長期にわたって快適で安心して暮らしていただける屋根となります( ˘ω˘ )