工事前の雨樋の状態

既存の雨樋は大きく変形しており、雨水が正常に流れない状態でした。

樋が歪んでしまうと雨水が一部に偏り、オーバーフローを起こして外壁や基礎に直接水がかかる原因となります。

また、雨樋の内部には大量の苔が堆積していました。

苔や落ち葉が詰まると排水不良を引き起こし、雨水があふれて金具のサビや雨漏りへとつながる恐れがあります。

【雨樋の一般的メンテナンス頻度】
・点検目安：年に１回（特に梅雨前や台風シーズン前がおすすめ）
・清掃目安：２～３年に１回（落ち葉や苔が溜まりやすい環境では毎年🍂）
・交換目安：20～30年程度（樋の材質や設置環境により変動）

➡雨樋とは？種類と形状・素材を一挙解説！修理時に確認したい雨樋基礎知識

既存雨樋の撤去・処分

雨樋交換工事の様子をご紹介します(^^)/

まずは既存の軒樋を取り外していきます。
変形した樋はそのままでは機能を果たさないため、すべて撤去して新しい樋に交換します。

樋を支えていた固定金具も撤去します。

古い金具はサビや劣化が進んでおり、新しい角樋には対応できないため、すべて入れ替えを行います。

新しい雨樋に交換していきます

新しい固定金具を設置します。

このとき重要なのが勾配調整です。

雨樋は水平ではなく、わずかに傾斜をつけて取り付けることで、雨水がスムーズに排水口へと流れていきます。
勾配が不十分だと、水が溜まって逆流やオーバーフローの原因になりますよ💦

水糸を使って、微調整しながら取り付けていきます。

固定金具に沿って、新しい軒樋を取り付けていきます。

工場のような大規模建物では、雨水の処理量が非常に多いため、耐久性・排水能力の高い雨樋を採用することが大切です！

今回使用した雨樋についてご紹介

🔶エスロン角樋 超芯V200

【特長】
・大容量排水が可能
・高耐久素材
・大型建物に対応

既存の雨樋は丸型の雨樋が採用されていました。

丸型：丸い断面。水の流れがスムーズで扱いやすい一方、容量が小さいため、大雨時にオーバーフローが発生する場合があります。

角型：四角い断面。工場やマンションなど、大規模な建物に向いており、排水機能を重視するケースに最適です。

👉今回は、既存の丸樋から角樋へ交換したことで、工場全体の排水能力が大幅に向上しました。

竪樋を取り付けていきます

最後に竪樋を設置します。

屋根から集めた雨水を地上へ安全に流す重要な部分で、固定金具をしっかり取り付けることで、強風や大量の雨にも対応できる仕上がりとなります！

雨樋交換工事完成

今回ご紹介した呉市の工場では、変形や苔の詰まりで機能していなかった雨樋を撤去し、高耐久で大規模建物に適したエスロン角樋V200へ交換しました。

丸樋から角樋に変更したことで排水能力が向上し、雨水のオーバーフローや外壁への被害リスクを大幅に減らすことができます( ˘ω˘ )

雨樋は普段あまり目につかない部分ですが、劣化や詰まりを放置すると外壁や基礎の劣化、雨漏りの原因になることもあります。

工場や倉庫などの大規模建物では、特に定期的な点検・メンテナンスが重要です。