いぶし瓦の屋根を点検すると…色ムラと漆喰の劣化を確認！

まずはドローンを使って屋根全体を確認しました。

今回のお宅の瓦は「いぶし瓦」という粘土瓦です。いぶし瓦は高温で焼き上げたあとに燻す（いぶす）工程を加えて仕上げた瓦のこと。表面に炭素膜ができることで独特の銀色をまとい、落ち着いた雰囲気を演出してくれます。

いぶし瓦自体はとても長持ちしますが、表面の炭素膜は年数が経つと剥がれてくるので、次第に色ムラが生じてきます。

しかし色ムラは屋根の強度に大きな影響は与えないので、それほど心配する必要はありません。むしろ味わいとして好まれることもあります！

ただし「漆喰」のヒビは住まいの耐久性を劣化させる原因となるので、注意が必要です。

今回の点検では、大棟と呼ばれる屋根のてっぺん部分に、漆喰のひび割れや変色がありました。
漆喰が劣化すると瓦がずれたり、雨水が侵入して棟が歪むなどのリスクが高まります。

まずは養生から！古い漆喰をきれいに撤去

漆喰の劣化のリスクと工事内容にご納得いただけたので、さっそく工事を開始します！

工事の前に欠かせないのが養生です。作業で出る粉や破片が瓦を汚さないよう、マスカーやシートで保護します。

これをしっかり行っておくと、最後の清掃もスムーズです。

準備が整ったら、古い漆喰をひとつずつていねいに取り除きます。削った奥には「葺き土（ふきつち）」という茶色い土が現れます。

これは棟瓦を支える大事な土台です。漆喰が傷んで雨水が入り込むと、この葺き土が流れ出してしまい、棟の歪みや雨漏りにつながります。そうなる前に補修をすることが、とても大切です。

大棟の根元「三日月部」に南蛮漆喰をしっかり詰め直し

撤去が終わったら、新しい漆喰を詰め直していきます。

大棟の根元にある半円状の部分は「三日月漆喰」と言います。ここは雨水が入り込みやすい要注意ポイント！しっかり補修することで、屋根全体の耐久性も増します。

今回使った漆喰は「南蛮漆喰（なんばんしっくい）」です。南蛮漆喰は普通の漆喰に防水性や耐久性を高める成分を加えたもので、長く性能を維持できるのが特徴です。

水を加えて練った南蛮漆喰を、職人がコテで適度な厚みに調整しながら詰め直します。厚すぎても薄すぎても長持ちしないため、経験を生かした施工が求められる部分です…！

表面をなめらかに整えて仕上げることで、雨水をしっかり弾き、見た目もきれいになりました！

鬼瓦のまわりも忘れず補修！鬼巻き施工で安心をプラス

大棟の端には「鬼瓦（おにがわら）」が据えられています。魔除けや装飾の意味を持つ伝統的な瓦で、屋根の顔ともいえる存在です。

鬼瓦の周囲は複数の瓦が重なり合うため、隙間ができやすく、そこから雨水が入り込む危険があります。

そのため、鬼瓦まわりに漆喰を巻くように施工する「鬼巻き（おにまき）」も行いました。古い漆喰を撤去してから新しい漆喰を丁寧に巻き直すことで、雨水の侵入を防ぎつつ、白く美しい仕上がりに。

鬼瓦の存在感も際立ち、屋根全体が引き締まった印象になりました！

漆喰工事の完成！白く引き締まった屋根に

すべての補修が終わると、屋根は見違えるようにきれいになりました！

施工前にあったひび割れや変色はすべて解消され、雨水の心配もなくなっています。白い漆喰が映えて、屋根全体がぐっと引き締まった印象です。

いぶし瓦そのものはとても長寿命ですが、漆喰は10年ほどで劣化が進みます。定期的な補修をしておくことで、屋根全体を長持ちさせることができます。

今回のお客様のお宅も、これで安心して住み続けていただける状態になりました。

屋根の漆喰が気になったら街の屋根やさんにご相談ください

瓦屋根は丈夫ですが、漆喰だけはどうしても早く劣化してしまいます。そのままにしておくと雨漏りや棟の崩れにつながるため、早めの点検と補修が必要です。

街の屋根やさん名古屋南店では、今回のような漆喰補修をはじめ、屋根の点検やリフォームに幅広く対応しています。

「漆喰が剥がれてきた気がする」「屋根を見てもらいたい」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください！

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