今回は、神戸市西区で行わせていただいた現場から、普段あまり気にされないかもしれませんが、お住まいを湿気や劣化から守る上で非常に重要な役割を担っている「軒天（のきてん）」の塗装工事についてご紹介します。

特に今回は、「穴あき軒天」と呼ばれる換気機能を持つタイプと、玄関上の美観を保つ穴のない軒天の塗装に加え、軒天パネルの目地に行う「シーリング打設」という、耐久性を格段に上げるための重要な作業についても詳しく解説します。

１．住まいの呼吸を支える「穴あき軒天（有孔軒天）」の塗装

まずご覧いただくのが、建物側面に見られる「穴の空いた軒天（有孔軒天）」です。

この穴あき軒天の最も重要な役割は、屋根裏の換気です。
屋根裏には日中の熱がこもりやすく、また、室内からの湿気が上昇して結露しやすい環境にあります。
穴あき軒天は、この熱気や湿気を外部に効率よく逃がし、屋根裏から「呼吸」できるようにしています。
この機能のおかげで、屋根裏の木材の腐食やカビの発生、断熱材の性能低下を防ぎ、結果として建物の長寿命化と省エネ効果につながっているのです。

今回の現場（神戸市西区）の軒天は、全体的に退色しており、特に穴の周りやパネルの継ぎ目などに、長年の風雨や紫外線による細かな汚れや劣化の兆候が見られました。

この状態で塗装をせずに放っておくと、素材自体が傷んでしまい、将来的に軒天の張替えといった大掛かりな工事が必要になるリスクがあります。
さらに、塗膜が剥がれて素材が剥き出しになると、湿気を吸い込みやすくなり、換気機能が落ちることで屋根裏の環境が悪化し、建物全体の耐久性にも影響を及ぼしかねません。


私どもは、この大切な換気機能を絶対に塞いでしまわないよう細心の注意を払いながら作業を進めました。
まずは下地処理として古い塗膜をしっかり除去し、塗料の粘度や塗布量を厳密に管理しながら、専用の塗料「マルチエースⅡ」で丁寧に塗り重ねていきました。
軒天部は弊社では主に「マルチエースⅡ」と言う塗料を使っていますが、この塗料の特徴は軒裏の湿気を透過させる能力が高いです.


ムラなく、穴を潰さないように刷毛とローラーを使い分け、耐久性の高い塗膜を形成することで、これから何年も神戸市の気候からお住まいを守り続けます。お客様からは、「穴が塞がってしまうか心配だったが、プロの丁寧な仕事で安心した」とのお声をいただきました。

２．美観と保護を兼ねる「玄関上軒天（穴なし）」の塗装

次に、玄関上にある、穴の空いていないタイプの一般的な軒天です。

こちらの玄関上の軒天は、お客様の出入りで必ず目に入る部分です。
現場では、経年によるくすみや、隣接する外壁との取り合い部分に細かなひび割れや汚れの付着が見受けられました。

このままにしていると見た目はもちろん、防水性能も落ちてきます。

軒天は、火災時に炎が外壁の通気層や屋根裏に燃え広がるのを遅らせるという重要な役割も担っていますが、劣化するとその機能も低下してしまいます。

3、軒天の継ぎ目に命を吹き込む「シーリング打設」

次に、軒天の継ぎ目に対するシーリング打設工事についてご紹介します。
これは塗装だけでは対応できない、防水性と耐久性を高めるためのプロの重要な一手です。

写真（打設前）をご覧ください。

軒天部分と、その奥にある雨樋の間に軒天の目地部分があり、細い隙間や以前のシーリングの劣化が見られます。
このわずかな隙間こそが、雨水や湿気が建物の内部に浸入する弱点となります。

目地が開いたままでは、せっかく塗装で表面を保護しても、裏側から水が入って内部の腐食や雨漏りの原因になってしまうのです。

お客様が抱える軒天に関するQ&A

まとめ：次は外壁！軒天を終えて見えてくる住まいの美しさ