前回、熊本市南区のお客様より、「軒先の板が外れかけている」とご相談いただき、現地調査を行いました。
浮いていた板は、軒樋を隠してスタイリッシュに見せるための「軒樋隠し」の板でした。

軒樋隠しの板が浮いてしまった原因として、下地木材が劣化しており、ビスではなく釘による固定で抜けやすくなっていたこと、重量による負荷が大きかったこと、長年の風雨による劣化などが考えられます。
このままではいつ板が落下してもおかしくない、危険な状態と言えました。
【現地調査の様子】熊本市南区で屋根軒先の軒樋隠し板が落下寸前！安全性を優先した改修をご提案

そこで、意匠性よりも安全性を優先した改修方法として以下のような提案を行いました。

現状とは違って軒樋が見えることになりますが、しっかりとした構造で固定するため、落下などのリスクを減らすことができます。
お見積り書を提出し、工事のご依頼をいただきました。

鼻隠しとは、屋根の端部（軒先）に取り付ける板のことで、垂木などの構造材を隠しながら、雨樋をしっかり支えるための重要な部材です。
今回は鼻隠しを適切に取り付け、そこに新しい軒樋を取り付けていきます。
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まずは、安全に作業ができるように部分足場を仮設します。
2階の軒先での作業となるため、作業員の転落防止や効率的な作業のためにも、足場は欠かせません。

足場設置には金属をたたく大きな音が発生しますが、当店では周辺住民様へのご挨拶を行い、できる限り近所迷惑にならないように取り組んでいます。
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劣化した軒樋隠しの下地板も撤去しました。
軒樋隠しで軒樋を見えないようにするのは、スタイリッシュな見た目になる反面、木部が水に濡れやすく、メンテナンスが必要な箇所も増えてしまいます。

鼻隠し板を正しく取り付けるためには、下地の面を整えることが重要です。
軒先に合板や角材を取り付け、面を調整して強度を確保しました。
下地調整を行うことで、後に取り付ける鼻隠しや軒樋も、ずれやゆがみのない状態で施工できます。

今回は、「窯業系（ようぎょうけい）」の鼻隠しを採用しました。

吊り金具に新しい軒樋を固定しました。
今回取り付けたのは、容量の多い角型（かくがた）軒樋です。
雨量が多い地域や、急勾配の屋根におすすめの形状で、大量の雨水でもあふれにくく、しっかりと排水してくれます。
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軒樋を固定する金具には、今回のような「吊り金具」と、「受け金具」の2通りのタイプがあります。

新しく取り付けた軒樋から、竪樋への接続も行いました。
住宅に降った雨水は、こういった雨どいを伝って適切に排水されていきます。
どこか一部でも外れや割れ、詰まりがあると適切に排水されず、住宅を傷める原因になるため、不具合箇所は早めに直しておきましょう。
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屋根の軒先は、雨水から建物を守る重要な部分です。
軒樋や鼻隠しの劣化は、見た目の問題だけでなく、建物の構造にも影響を与える可能性があります。
もし軒樋の不具合や鼻隠しの劣化が気になる場合は、お早めにご相談ください。

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