屋根の点検、見積りをして欲しいとご相談

お客様宅は隣り合わせの2軒を所有されており「外から見る限り屋根のメンテナンスが必要な気がするため、一度点検・見積りをお願いします。」とご依頼をいただきました。

こちらの住宅の大屋根には「セキスイかわらU」という屋根材が使用されており、一部の屋根材が飛散していました。
いつ飛散したかは不明ですが、おそらく強風を受けた際に飛散したものと見られます。
他に飛散していたり割れが顕著な箇所はありませんでしたが、経年によって全体的に表面が劣化しています。
塗膜の剥離がはじまっている箇所もあり、対応が必要な状態です。

お客様は「今回は部分補修で対応してほしい」とのご希望であったため、下記のご提案を行いました。

「かわらUは廃盤だから、屋根をすべて張り替えないといけないのでは？」とご心配される方もいらっしゃいますが、部分的な補修で対応することも可能です。
今回は耐久性のあるGL鋼板を加工して使用する補修方法をご提案しました。

セキスイかわらU・釉薬瓦屋根の補修工事

屋根のアンテナ撤去

まず、電気工事士により使用されていないアンテナの撤去作業を行います。

長年設置されていたアンテナは屋根に固定されたままで、強風などの影響を受けやすくなっていました。
今後も使用予定がないためアンテナ本体を撤去し、配線は風で飛ばされたりバラバラになることのないようにまとめて軒樋金物にしっかりと固定してあります。
屋根まわりがスッキリして、アンテナが転倒したり落下する心配もなくなりました。
【参考記事】堺市南区にて屋根上の不要になったパラボラアンテナの撤去を行った施工事例

かわらUの飛散箇所の補修

かわらUが一部飛散している箇所の補修を行います。
飛散箇所は下地木材がむき出しとなっていました。
ルーフィング（防水紙）のみで雨水を防いでいる状況で、このままでは木材の腐食や雨漏りが発生するリスクが高い状態でした。

ガルバリウム鋼板と既存のかわらUの間には、雨水が入り込まないようにコーキングを充填してしっかりと防水処理しました。
このように一部の破損でも迅速に対応することで、屋根全体の耐久性を保つことができます。
▶屋根がセキスイかわらUで適切なリフォームが分からない方へ

かわらUの穴開き部分を補修

アンテナの撤去作業中に、かわらUに小さな穴が空いているのを発見しました。
放置すれば雨漏りにつながる恐れがあるため、防水テープで塞いだ上にコーキングを丁寧に充填しました。
小さな穴でもしっかり対応することで、屋根全体の防水性を保つことができます。
▶ちょっとした屋根の補修も街の屋根やさんにお任せください

下屋の瓦補修①（青い瓦）

下屋には釉薬瓦が使用されており、平瓦が1枚落下していました。
さらに、瓦を固定するために使われていた漆喰も風雨や経年劣化により崩れてしまっていたため、あわせて補修を行います。

まず、残っていた古い漆喰を綺麗に取り除き、屋根の形状に合わせて新しいケラバ瓦と冠瓦を取り付けます。
壁際には防水性を高めるために漆喰を丁寧に塗り込み、コテを使用して表面が滑らかになるように仕上げていきます。
冠瓦の面戸部分にも漆喰をしっかりと詰め、瓦が動かないよう固定しました。

防水性が復活し、瓦がしっかりと固定されて今後の瓦のズレや落下リスクも軽減されました。
漆喰は見た目の美しさだけでなく防水・防風の役割も果たし、瓦の下地を守る重要な部材です。
屋根の耐久性を維持して雨水の侵入を防ぐためにも、漆喰は定期的な詰め直しが必要です。
▶傷んだ漆喰の詰め直し、棟瓦の取り直しで瓦屋根を健全に保つ

下屋の瓦補修②（茶色い瓦）

もう一軒あるお住まいの下屋部分ではのし瓦のズレがあったため、補修します。

瓦のズレを戻し、瓦同士をしっかりと固定しました。
これで、瓦がズレ落ちてくる心配がなくなります。
のし瓦は積み重ねて施工されているため、地震や強風の影響で少しずつズレが生じやすい箇所です。
そのまま放置すると雨漏りや瓦の落下といった二次被害につながる恐れがあるため、ズレを見つけたら早めに修理しておくと安心です。
▶重くて硬い瓦の落下は二次被害を招きます、だからメンテナンスが超重要

工事が完了しました

屋根補修工事が完了しました！
今回の屋根材は現在廃盤となっているセキスイかわらＵが使用されていたため、お客様は補修で対応できるかどうかご心配されていました。
ＧＬ鋼板をかわらUと同じ波型に加工して取り付けることで、無事補修工事が完了しました。