こんにちは！街の屋根やさん岐阜店の天野です。

今回は岐阜市内のお住まいで行った「棟の取り直し工事」の様子をご紹介します。
この記事では、

• どんな状態の棟をどう直したのか

• 現場での作業の様子

• 放っておいた場合のリスク

などを、現場写真とともにわかりやすくお伝えします。

「うちも屋根、大丈夫かな…？」とご心配な方は、ぜひ最後までご覧ください！

◆既存の棟は歪みやズレが発生していました

現地に到着し、まず目に入ったのは棟のズレ。
長年の風雨で棟瓦が少しずつ歪み、真っ直ぐであるべきラインがガタガタになっていました。
棟の中漆喰も剥離して葺き土も痩せてしまっていて、瓦が不安定な状態でした。

このままにしておくと、ちょっとした風で瓦が崩れ落ちてしまう危険もあります。
実際に、台風の後に「瓦が落ちてきた！」とご相談いただくケースも多いです。
早めの対応が、家全体を守る大切なポイントなんです。

◆棟の解体作業。ひとつずつ丁寧に取り外します

まずは既存の棟を解体するところからスタートです。
一枚ずつ棟瓦を外し、中の古い土や漆喰もすべて取り除いていきました。
この工程では、下にある瓦や屋根材を傷つけないよう、細心の注意を払っています。

古い棟の中には湿気た土や崩れた漆喰がたくさん入っていて、このままでは強度が保てません。
しっかり取り除くことで、新しい棟が長持ちする基礎が整います。

こんな感じで瓦を一枚一枚外して解体をしていきます。
中の土が見えてきました。
色が通常よりも濃いのですが、これは棟の内部に水が入っていたことを意味しています。

ですので今回は漆喰ではなく棟の取り直し工事をしていて正解でした。

このような感じで全ての棟を取り外しました。
しかしまだ土が残っておりますので細かい土も綺麗に清掃していきます。

◆なんばん漆喰を使って新たに棟を積み直します

下地が整ったら、いよいよ新しい棟の施工です。
今回は、強度と耐久性に優れた「なんばん漆喰」を使って棟を積み直しました。
なんばん漆喰は硬化後の割れが起きにくく、風雨にも強いため、今後のメンテナンス性も高まります。

漆喰はただ塗ればいいというものではありません。
量や塗り方を間違えると、逆に瓦を浮かせてしまったり、後々の剥がれにつながることも。
ここは職人の腕の見せどころですね。

こちらが今回使用する瓦です。
施工前に使われておりました、塩焼きの瓦は現在使われておりませんので陶器瓦で代用することになりました。
なるべく施工箇所が目立たないように近似色のチョコレート色という瓦の色で工事をすることになりました

墨出しを行い瓦を一枚一枚丁寧に積み上げていけます。
とても繊細で慎重な作業が必要になります。
積み上げた瓦の勾配に異常があると逆に雨漏りのしやすい棟になってしまうので丁寧な作業をしていきます。

◆施工完了後の状態。しっかりと真っ直ぐな棟に！

すべての棟瓦を新しく積み終え、最後に全体のバランスを見て微調整。
歪みもなく、美しく真っ直ぐな棟が仕上がりました。
お客様からも「安心して過ごせるようになった」と、嬉しいお声をいただきました！

屋根は普段見えにくい場所だからこそ、こうした定期的なチェックと修繕がとても大切です。
見た目以上に中が劣化しているケースも多いので、少しでも気になることがあれば早めの点検をおすすめします！

修理せず放置しておくとどうなる？

◆1. 棟瓦が崩れる・落下する危険があります

棟瓦がズレたままになると、風の影響を受けやすくなり、台風や強風の際に崩れたり落下する恐れがあります。
実際、強風の後に「瓦が庭に落ちていた」といったお問合せをいただくこともあります。
運悪く下に人や車がいた場合、大きな事故につながる可能性も…。

◆2. 雨漏りが発生しやすくなります

棟の中には、土や漆喰が詰まっており、そこから雨水の侵入を防いでいます。
しかし劣化が進んで隙間ができてしまうと、そこから屋根内部に水が入り込んでしまいます。

雨漏りはすぐに天井に染み出るわけではなく、まずは野地板や垂木など、屋根の骨組みを腐らせていきます。

気づいた時には大掛かりな修繕が必要になるケースもあるため、要注意です。

◆3. シロアリやカビなど、二次被害につながることも

雨水が侵入して構造材が濡れ続けると、木材の腐食だけでなく、カビやシロアリ被害にまで発展することがあります。
特にシロアリは湿った木材を好みますので、雨漏りを放置してしまうと格好の棲みかになってしまいます。

◆4. 修理費用がどんどん高くなる可能性があります

「今はまだ大丈夫」と思って放置してしまうと、いざ不具合が起きた時には、棟だけでなく屋根全体や内装の補修まで必要になることも…。
そうなると、当然ながら費用も膨らんでしまいます。

今回は岐阜市で行った「棟の取り直し工事」の様子をご紹介しました。

棟は屋根のてっぺん、風や雨の影響を一番受けやすい場所です。
だからこそ、しっかりとメンテナンスしておくことが、住まい全体の長寿命につながります。

「うちは大丈夫かな？」と少しでも気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください！
現地調査・点検は無料で行っておりますので、まずは一度プロの目で状態を見させていただけたらと思います。

お問合せ、お待ちしております！