トイレが雨漏りしていた瓦屋根の長屋

トイレでは天井と壁が雨漏り被害を受けており、水濡れの跡が見られます。
雨水が木材に浸透すると、劣化が早まりシロアリ被害も受けやすくなります。
住宅の耐久性や強度にも悪影響を及ぼすため、被害がこれ以上広がる前に雨漏りの原因を解消しなければいけません。

お隣と屋根が繋がっており、近くで確認すると、瓦と金属屋根の接合部に雨漏りの原因がありました。
立ち上がりの板金が曲がっており、雨水が入る隙間ができている状態です。
こちらは雨漏りしているトイレのちょうど真上に位置しており、屋根同士の接続部からの雨漏りであると判明しました。

また、防水紙（ルーフィング）にも隙間や破れが多く見られました。
屋根の防水は屋根材で行っているように見えますが、実はこの防水紙が雨漏りを防ぐ重要な役割を担っています。
このように防水紙に隙間や破れがあると、そこから建物内に雨漏りする原因になります。

瓦屋根の一部葺き直し工事を行うことになりました

トイレの雨漏りの主な原因は、隣家との屋根の接続部分であると判明しました。
また、瓦屋根の下にある防水紙にも雨漏り原因が見られました。
H様には屋根の接続部の補修と瓦屋根の一部葺き直し工事をご提案しました。

葺き直し工事は、瓦を仮撤去し、下地の補修を行った上で既存の瓦を戻す工事です。
瓦を再利用するため、材料費を節約でき、廃材も最低限で済むエコロジー、エコノミーな工事方法です。

既存の瓦を仮撤去

改質アスファルトルーフィングを敷設

老朽化したルーフィングの上から、新しい改質アスファルトルーフィングを敷設しました。
改質アスファルトルーフィングは高い防水性能と耐久性を持っており、長期にわたり屋根の防水性を維持できます。
瓦を固定するための「桟木（さんぎ）」と呼ばれる木材も取り付けました。
桟木も劣化すると瓦がズレたり外れる原因になります。年数が経過している瓦屋根は、下地の劣化がないか点検する事をおススメします。

既存の瓦を復旧

仮撤去していた瓦を元の位置に復旧しました。
ズレがあると雨水が入り、下地が劣化する原因になるため、ズレがないように綺麗に並べました。
葺き直し工事は瓦を再利用するため、材料費が節約でき、廃材も最低限で済む工事方法です。
【参考】これまでの瓦を再利用して屋根を葺き替える屋根葺き直し

水切り板金を施工

瓦屋根の葺き直し工事が完了

雨水が建物内に入らないよう、屋根接続部の隙間にも水切り板金を加工取り付けしました。
こういった立ち上がりや隙間は雨漏りリスクが高いため、しっかり点検・メンテナンスを行いましょう。

2坪程度の部分的な葺き直し工事ですが、雨漏りの原因を解消できました。
H様にも「真夏の暑い中、丁寧なお仕事をありがとうございました」とお喜びいただけました（＾＾）