屋根裏の雨漏り箇所

屋根の裏の雨漏り箇所には新聞紙やトレーを置いていました。
屋根板にはリボンで目印にしています。
お客様の雨漏りに対する不安が感じ取れます。

塗膜で塞がる屋根瓦

約2年前にされた塗装により、瓦の継ぎ目が塞がっています。
縁切り不足です。

瓦の僅かな隙間でも雨水は入ります。
塗膜で重なり部分が塞がれている瓦では、侵入した雨水が排出できず、室内に雨が漏れ出します。

雨が瓦の隙間に入らなければ雨漏りする可能性は低いので、特定の条件の時に発生します。
＊頻度は低いですが、同時に発見も遅れてしまいます。

瓦が古いと塗料がうまく乗らない事もあります。
また、過去に雨漏り箇所を部分的に補修している跡があります。
ただし雨漏りは止まらなかったという事です。

葺き替えと葺き戻しでお見積り。

修繕としては
１，葺き替えをする。
２、瓦を縁切りして葺き戻しをする。
です。

塗装して日が浅いので費用を抑えたい気持ちと、思い切って葺き替えて不安を拭いたい気持ち、話す旅感じ取れます。
何度か打ち合わせや点検、周りの人の勧めで、葺き替えをすることに決められました。

塗膜でガチガチの瓦

瓦の撤去に入ります。
5～6段ある棟を取り除けているのですが・・・まあ塗料の密着で堅いのなんの
1人では抱えきれない塊で棟が取れることも

瓦が滑り落ちないように、軒先付近の瓦を除けて滑り止めにします。
おっ！防水シートに雨漏り跡が

どんどん瓦が退いていきます。
瓦も塗膜がくっついて2，3枚同時に抜けます。
屋根裏でいくつも雨漏り箇所があったので、防水シート上にも複数個所雨漏り跡があります。

下地調整しつつ屋根板状態へ

瓦の下にはホコリや、チリが溜まっています。
鳥の巣であろうワラやセメント瓦の砂が落ちたりしています。
ルーフィング（防水シート）上である程度ゴミを集め、ルーフィングを剥がしていきます。

屋根板上には至る所に釘が飛び出ています。
瓦についてたものや屋根板に打っていたのが浮いてたりしているので、抜いたり打ち込んだりします。

谷板金も交換するので取り除けます。
この現場は2か所谷があります。(1か所はV字）
V字の方は一度交換しているみたいです。

屋根板状態になったら、もう一度残ったゴミや浮いている釘を確認して処理します。
今回は屋根板は部分補修なので、釘が効かなそうな腐った屋根地を交換していきます。

ルーフィングでしっかり雨を防ぐ。

ルーフィングを貼っていきます。
ルーフィングは雨漏りを防ぐ最終関門。
きっちり貼っていきます。

初めに谷部分をゴムアスルーフィングで縦に貼っていきます。

屋根板部分に高分子ルーフィング「レボゼロ」を貼っていきます。
下(軒先）から上（棟）に向かって貼ります。
150㎜は下のルーフィングと重ねていきます。

谷の先に樋ではなく屋根板が続く屋根があります。
谷際までは屋根板上にルーフィングを貼ってから谷部分にルーフィングを縦張りします。

レボゼロは無数に散らばる突起と一定間隔に流れ方向に列を成す突起があります。
桟木を打っても突起が僅かな隙間を生み出し水はけを良くします。瓦系統に合ったルーフィンです。
ただし、谷のように縦張りする場合、列を成す突起が横方向になるので雨水を横走りさせてしまうため、谷部分には向いていません。

桟木を垂木(屋根を支える木）上に打つためにルーフィング上に印をします。

今回の使用瓦　ケイミュー「ROOGA」

今回使用する瓦は、ケイミューさんの「ROOGA鉄平」になります。
陶器ではなく、樹脂繊維混入の軽量セメント瓦です。
特徴は瓦の風潮を出しつつ、軽くなるという屋根材です。

陶器平板瓦とルーガの1枚当たりの重さは変わりません（約3.4キロ）が
ルーガの大きさは平板瓦約2枚分のため、実質重量が半分になります。

瓦の情景を保ちつつ屋根を軽くしたい方にはオススメです。

水切などの下準備

屋根の両端や先端に木を打ちます。
先端の瓦と両端の瓦をきちんと施工するためです。
水切りの板金を付けて雨が屋根の先端や両端に流れないようにします。

ルーガの縦寸法に合わせて瓦割をし、桟木を取り付けます。
ルーガは250㎜～300㎜の範囲で縦寸法を調整出来るので融通が効きます。
シンプルな屋根の場合は、ほぼ棟際でピッタリ納まるよう調整できます。

谷の板金を取り付けます。
板金は両端に立ち上げがあるので、幅に合わせて桟木を取付て板金に合わせます。
立上げ部分に釘を打って固定します。

取付タイミングは桟木や軒先の水切を打った後から、谷際の地伏せ加工前までに行います。
＊ただし屋根面に流れる谷の場合、直前までの地伏せを済ませてから取り付けた方がいいです。

瓦を上げて葺いていきます。

瓦を屋根に上げます。ルーガは6枚1束です。

屋根面の瓦に打つ釘は3か所です。
屋根の先端にくる瓦は3か所とも釘を打ちます。
風の影響を受けにくくするためです。
2段目からは上と横1か所ずつの2本で構いません。

葺替えで樋を変えない場合は、樋に雨が落ちるよう瓦で調整します。

屋根面の瓦葺が進んでいます。

壁際や屋根の両端には横に水が入らないように防水シーラーを貼っています。

谷部分の板金にも防水シーラーを貼っていきます。
谷部分は流れる雨水が1番集中する部分です。
場合によっては雨が板金を越えてしまうことがあるのでその為の防水処理です。

瓦は板金の流れ沿って加工して施工します。

屋根面の瓦が葺きあがりました！！

端っこの瓦や棟の瓦を取り付けて完成

屋根の端っこに瓦を取り付けます。
両端に取り付ける瓦を「袖瓦」と言います。
取付は横に2か所、上に1か所ビスを打って留めます。

屋根の天辺部分は必要あれば加工して取り付けます。

屋根の天辺の瓦を取り付けます。
今回は漆喰を使わない「乾式棟工法」で施工します。
漆喰を入れない代わりに防水シーラーと板金で横と上からの雨を塞いで瓦を取り付けます。

漆喰が無いだけで結構重さが変わります。
仮に漆喰を10個使用すれば、重さが250キロくらいになります。
その代わり防水力は高いです。

板金を複数枚使う時は50㎜くらい重ねて、防水シール（コーキング）でくっつけます。

屋根の天辺の瓦を取り付けます。
瓦1枚に付き2か所ビスを打ちます。

屋根の両端に来る天辺の瓦を「棟巴」と言います。

葺き替え完了です。

葺き替えが完了しました。
悩んでいた雨漏りも解消できたと思います。
また、お客様は軽量屋根に魅力を感じていらっしゃいました。

コチラのご自宅
屋根坪が約45坪
和型セメントは1坪が約150キロなので45×150＝6750キロ
ルーガは鉄平は1坪が約76キロなので45×150＝3420キロ
おおよそ半分に重量が減りました。

この施工事例のブログはコチラから

No1・新居浜市て複数個所から雨漏り。塗装後に縁切りされずに雨水の排出口が塞がれたのが原因。
No2・新居浜市で塗装後に雨漏りしている屋根の葺き替え工事！塗料でべったりの瓦の撤去は大変！
No3・新居浜市にて雨漏りに困っている和型セメント瓦の葺き替え工事。新しい屋根材施工前の準備。
No4・新居浜市で雨漏りに悩まされてた和型セメント瓦を葺き替え。軽量セメント瓦のルーガ（鉄平）に大変身。
No5・新居浜市でルーガの葺き替え。袖と棟を取り付けて完成！前よりも軽くなりました。