現地調査でわかった“構造上の問題”

現地にて屋根に上がってみると、原因はすぐにわかりました。

それは谷板金（たにばんきん：屋根と屋根が合流する谷状の部分に取り付けられる金属の水切り部材）の構造にありました。

谷板金が、母屋と納屋の取り合い部分に施工されているのですが

• 板金の幅が狭い

• 板金の勾配が“壁側”に流れるようになっていて、しかも排水口が小さすぎる

という、雨水処理にとって非常にリスクの高い形状になっていたのです。

板金職人による現場調査の様子です。

瓦を数枚剥がすと雨が侵入し、瓦の下地が傷んでいました。

ご提案内容

✅ 谷板金の幅を大きく確保
　→ 雨量の多い時でも余裕を持って水を流せるように。

✅ 勾配を壁側とは反対側に変更
　→ 壁に水が当たらないように設計し直します。

✅ 素材をガルバリウム鋼板に変更
　→ 耐久性・防錆性の高い金属素材です。

工事開始

まずは、板金の幅を広げるため瓦を横二列ほど剥がし、既存の谷板金をすべて撤去します。

瓦の下地にも穴が空いたり、傷みが出ていますね。

防水シートも敷いていない為雨漏りしやすい状態です。

板金を取り付けるための下地をしっかり作りました。

下地材の上にガルバリウム鋼板製の谷板金を加工し、設置しました。

瓦を復旧します。

谷板金は勾配も付け、絞ることでよりスムーズに雨水が流れるよう加工を施しました。

雨水の排水

雨水を壁側ではなく逆側に流れるよう勾配をつけ、最終的に横樋で受ける構造に変更します。

雨水がスムーズに流れるよう板金を設置しました。

※ご予算の関係で、横樋の交換工事は今回は行っておりません。

谷板金の幅を広げ、大雨でも処理できる幅に広げました。

壁に雨水が流れない構造に変更したことにより雨漏りを改善しました。

今回のように、屋根の構造そのものが原因だったケースは珍しくありません。

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