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平群町|40年物の青緑瓦屋根、面戸漆喰をきれいに塗り替えました
平群町 屋根材(瓦)
【工事のきっかけ】
「屋根の棟のあたりが、なんだか白くポロポロしているんですが…」。大和高田市にお住まいのお客様からそんなご相談をいただいたのが、今回の工事のはじまりでした。屋根に上がって確認すると、昭和の時代に多く葺かれた青緑色の和形釉薬瓦がほぼ健全な状態で残っていた一方、棟まわりの面戸漆喰や鬼瓦廻りの漆喰はひび割れ・欠落が進み、触れるだけでボロボロと崩れる状態でした。放っておくと雨水が棟の内部へ浸入し、下地の傷みや雨漏りへとつながりかねません。お客様のご不安にしっかりお応えするため、漆喰の全面塗り替え工事をご提案し、ご依頼をいただきました。
基本情報
- 施工内容:屋根材(瓦)
- 施工期間:3日間
- 築年数:40年以上
今回の屋根に使われていたのは「和形釉薬瓦」と呼ばれる、日本の住宅でもっとも広く使われてきた粘土瓦の一種です。釉薬とは、瓦の表面に焼き付けたガラス質のコーティングのこと。水を弾き、色艶を長持ちさせる効果があります。
色は昭和40〜50年代に流行した「青緑色」。独特の深みある色合いは今も根強いファンがいますが、現在ではあまり生産されていないレアな色でもあります。葺いてからおよそ40年が経っていますが、釉薬瓦は適切なメンテナンスを行えば60年・70年と使い続けられる非常に耐久性の高い建材。今回も瓦本体はしっかりと健全な状態を保っており、交換の必要はありませんでした。
問題があったのは「面戸漆喰」と「鬼瓦廻りの漆喰」でした。
面戸漆喰とは、屋根の平部に並ぶ桟瓦と、屋根のてっぺん部分「棟」との取り合いにできる三日月型の隙間を埋めるために塗られる漆喰のことです。桟瓦=屋根の平らな面を覆う一般的な波形の瓦。棟=屋根の頂点部分。面戸=その境目にできる隙間のこと。
また、棟の両端に取り付けられる「鬼瓦」のまわりにも、隙間をふさぐために漆喰が巻かれています。どちらも雨水や鳥・虫の侵入を防ぐ、屋根にとって非常に重要な部位です。
今回拝見した漆喰はひび割れが全面に広がり、指で触れるとポロポロと崩れ落ちる状態。内部の土(のし土・葺き土)も露出しはじめており、このまま放置すれば雨水が棟の内側へ入り込み、雨漏りへとつながるリスクがありました。
工事の最初のステップは、既存の面戸漆喰を全て丁寧に剥がすことです。
業者のなかには、古い漆喰の上からそのまま新しい漆喰を重ね塗りするケースがあります。しかしこれは大変危険な施工方法です。古い漆喰はすでに接着力を失っており、その上に新しい漆喰を乗せても、下地ごと剥落するリスクがあります。また重ね塗りを繰り返すと漆喰の厚みが増し、重量が増加して棟全体への負担が大きくなります。さらに古い漆喰の内部に残った水分や菌が新しい漆喰を内側から傷め、かえって早期劣化につながることもあります。正しい施工は「剥がしてから塗る」が大原則です。
漆喰を剥がしたら、下地の土も表面を削ります
漆喰を剥がした後は、その下にある土(葺き土・のし土)の表面も少し削っておきます。次の工程で新しい土を足して高さを均すのですが、もし削らずにそのままにしておくと、土の厚みが増えた分だけ漆喰が瓦の表面よりも盛り上がってしまいます。すると雨水が漆喰の上に溜まりやすくなり、うまく軒先へ「雨を切る」ことができなくなってしまいます。こうした細かな下地処理の積み重ねが、仕上がりの美しさと耐久性を左右します。

下地処理が終わったら、新しい土(南蛮漆喰や葺き土)を補充し、コテで平らに均して形を整えます。この工程が、仕上げの漆喰をきれいに乗せるための大切な「土台づくり」です。均し方が雑だと漆喰の厚みにムラが生じ、後々のひび割れにつながることもあります。熟練した職人の腕の見せどころのひとつです。

下地が整ったら、新しい漆喰をコテで塗っていきます。漆喰は塗り方によって仕上がりの表面の滑らかさや耐久性が大きく変わります。力の入れ方・コテの角度・塗りの厚みを均一に保ちながら、三日月型の面戸漆喰を一カ所ずつ丁寧に仕上げていきます。
漆喰は乾燥とともに若干収縮するため、一度に厚く塗りすぎず、適切な厚みで塗ることが長持ちのポイントです。職人が長年の経験で感覚として習得している、まさに「職人技」の工程です。
割れていた熨斗瓦を交換、鬼瓦廻りの漆喰も巻き直して完成
漆喰の塗り替え作業と並行して、棟を確認したところ、熨斗瓦が一枚割れているのを発見しました。
熨斗瓦=棟の積み重ねに使われる平たい瓦。棟の形を整え、防水の役割も担います。割れたまま放置すると隙間から雨水が入り込みやすくなるため、今回あわせて新しい瓦に交換しています。
最後に、棟の両端の鬼瓦まわりの漆喰も全て剥がして新たに巻き直しました。鬼瓦は大きな面積を持つため、まわりの漆喰が劣化すると隙間も大きくなりがち。しっかりと密着させて仕上げています。これで今回の工事は全て完了です。
屋根というと瓦そのものに目が向きがちですが、棟まわりの漆喰は「見えないところで屋根全体を守る縁の下の力持ち」です。雨水や鳥・虫の侵入を防ぎ、棟瓦がズレないよう固定する役割も担っています。漆喰は一般に20〜30年を目安に劣化が進むと言われており、ヒビや欠落が見え始めたらできるだけ早めのメンテナンスをお勧めします。「瓦は大丈夫そうだから」と安心していても、漆喰の劣化が雨漏りの原因になるケースは非常に多いのです。
屋根の漆喰が気になったら、街の屋根やさん奈良店へご相談ください
街の屋根やさん奈良店は、創業51年の瓦屋が母体となって運営しています。長年にわたって和形釉薬瓦をはじめとした日本瓦を扱ってきた豊富な知識と経験を持ち、瓦工事の実務ができる「職方(しょっかた)」が在籍しているのが大きな強みです。他社では「瓦のことはわからない」と断られてしまうような案件も、ぜひ一度ご相談ください。
「棟のあたりがボロボロしている」「漆喰の白い粉が落ちてきた」「屋根のことが何となく心配」
そんなお悩みでも構いません。現地調査・お見積もりは無料で承っております。奈良県全域に対応していますので、まずはお気軽にお電話またはWebよりお問い合わせください。
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