洗浄作業

屋根外壁塗装工事にあたって、まず足場組立工事を行います。近隣にゴミや塗料の飛散を防ぐため目の細かいネットで建物全体を覆います。

建物全体(屋根、外壁）を高圧洗浄していきます。屋根材はスレート（セメントを主材料とした薄い板状で防水塗装が施してある）なのですが、経年劣化で塗膜が傷んでしまっているためコケなどがかなり付着しています。築１０年程度でのメンテナンス（塗り替え）が理想ですが、日々の生活に追われなかなか屋根のことまで気にかけるのは難しいですよね。

高圧洗浄で丁寧にコケや古い塗膜を落としていくとこのような感じになります。白っぽくなってる所は古い塗膜が完全に除去（セメント基材のみになった）された所です。屋根塗装においてこの洗浄作業は重要で、洗浄をおろそかにすると仕上がりや後の耐久性に問題が出てきてしまいます。外壁も同様に洗浄していきます。

サッシ廻りコーキング打ち替え

塗装前にサッシ廻りのコーキングを打ち替えていきます。マスキング後、プライマー（建材とコーキング剤を密着させる）を塗布し、変成シリコンを打っていきます。コーキング剤は大まかに２種類あり室内の水廻り（キッチン、浴室など）に使われる「シリコン」と建物外部（外壁サイディングやクラック補修など）に使われる「変成シリコン」があります。シリコンは耐水性、耐熱性に優れるが塗装は不可、一方変成シリコンは対候性に優れ塗装も可能なので外装全般に使用されます。

屋根外壁塗装

屋根は専用プライマー（セメント面と塗料を密着させる下地材）を塗布し、塗料を２回（中塗り、仕上げ塗り）塗り重ねていきます。今回屋根材の吸い込みが激しかったのでプライマーは２回塗布しました。なので屋根塗装は計４回塗りということになります。

ガラスサッシ廻りやベランダ笠木などに塗料が付着しないようにマスカーテープで養生していきます。その後、１回目下塗り塗料（サーフェイサー）を塗っていきます。サーフェイサーは密着性と下地調整の役割がありシーラーやプライマーよりも膜厚が付き下地が滑らかになるため上塗り塗料の性能や光沢を引き出します。

下塗り後、２回目中塗り（仕上げの塗料）に入っていきます。先に刷毛でALC目地など塗料が入りずらい部分を塗っていき、ローラーで均一に塗り広げていきます。ローラーにも多種多様なものがありますが今回は塗り残しがでないよう毛足の長いものを使用しました。

そして３回目仕上げ塗り（作業は中塗りと同じ）を行い外壁は終了です。

シート防水塗装

ベランダシート防水は汚れさえ目立つものの、剥がれや損傷はなくまだ丈夫なので専用の塗料を上塗りしていきます。

屋根外壁と同じく洗浄後、防水シート専用のプライマーを塗布します。

乾燥後、アクリルシリコン樹脂系塗料で仕上げていきます。この塗料は対候性（耐水性）に優れ、防水材（シート）の伸縮にも対応する塩ビシート防水専用の塗料です。一般的な塗料を使用してしまうと塩ビに含まれる可塑剤の影響でベタツキが発生し汚れが付着してしまいます。

塗装完了です。防水シートの状態が良かったこともあり、まるで新品のように美しく仕上がりました。

工事を終えて