1.現地調査

築20年のお宅です。

玄関を入ったところの天井から雨漏りがして、壁紙にシミができてしまっているので見て欲しいとのご相談をいただきました。

現地調査にうかがい、点検をおこなっていきます。

壁紙の一部にシミが確認できます。
原因を探しながら、調査を進めていきます。

屋根を高所カメラを使って確認していきます。

スレート屋根で、特に目立った割れや欠けは確認できませんが、紫外線による色あせがかなり進んでいます。

色あせは紫外線を受け続けることで、塗料の樹脂が壊され塗装の防水機能が失われていく症状です。

防水性がなくなると、雨の度にスレートが雨水を吸収し、晴れると乾燥するという状況を繰り返すうちに、スレート材が反ってしまったり、割れ、欠けなどの劣化が見られるようになります。

水はけが悪くなるので、その環境を好むカビや苔を繁殖させてしまうこともあります。

メンテナンスの時期を見逃すと、屋根に寿命は短くなってしまいます。
適切なタイミングでメンテナンスをおこなうことが費用も時間も少なくてすみます。

続いて、モルタルの外壁を点検していきます。

防水性がなくなってくると、モルタルの特徴である凹凸に汚れが入り込んでしまいます。

ひびが大きく入っている場所もあります。
ひびを長く放置していると、雨の侵入を許してしまうことになりかねません。

もともとモルタルはひびが入りやすく、経年劣化や乾燥、地震などで起こります。
なかでも一番多いのが、経年劣化が原因のひびです。

こちらの劣化も屋根と同様に塗装の防水性がなくなっている状態なので、雨の際に吸収そして乾燥を繰り返すうちに。ひびが入ってしまうのです。
雨の侵入を許してしまうことになりかねませんから、早急に対策をしないとさらにひびが増えていくこともあります。

また、自信が原因の場合は横にひびが入ることが多く、崩れるなどの危険が伴うこともあるので、待ったなし！です。
早めに専門の業者に点検してもらいましょう。

屋根と同様にこちらもメンテナンスの時期がきていますね。

庇です。

塗装が剥がれているのがわかりますね。
庇も小さいながらも屋根ですので、雨の侵入は禁物です。

軒天も塗装の剥がれが、確認できます。

軒天は屋根から雨水が回ることもあり、雨染みができていたら注意が必要です。

雨が侵入すると、屋根裏の野地板を腐食させることになったり、室内の天井へは雨漏りにつながります。
外にある部分ですが、雨漏りにつながり建物を傷めます。

庇も軒天も一緒に塗装をおこない、防水性を回復させるタイミングにきているようです。

どちらも塗装で防水性を回復させることが必要な場所です。

2.高圧洗浄

バイオ洗浄をおこなっていきます。

バイオ洗浄は、通常の高圧洗浄では落としきれない、強力な洗浄力でかびや苔を根こそぎ剥がし取っていきます。

水圧の強さで落とす高圧洗浄と違うのは、バイオ洗浄液を噴霧して汚れやかび、苔を浮かして分解してから洗い流していくので、水圧に頼らず汚れが一掃されます。

そのため、建物への負担も最小限で済むというメリットがあります。

凹凸のあるモルタル外壁に入り込んでいた汚れも、一瞬でキレイに洗い流していきます。

みるみるうちに落ちていくのがわかりますね。

汚れで隠れていた小さなひびや傷も、見つけやすくなります。

3.屋根塗装

まずは錆止めの下塗りを色があせてしまっていたスレート屋根全体に塗布していきます。

雨が侵入しやすい側面の板金部分も一緒です。

この下塗りを丁寧におこなうことが、このあとの上塗りの仕上がりに大きく影響していきます。

錆止めが完全に乾くのを待ち、中塗りに入ります。

今回は、無機塗料を使用していきます。

無機塗料は、紫外線で劣化の原因となる樹脂成分がほとんど含まれていないので、劣化しにくく塗り立て直後の光沢が長く続きます。

なかなか一般住宅には馴染みのない高価な塗料ですが、非常に高機能です。

中塗りを終えたら、上塗りです。

しっかり乾くのを待ち、完成です。

耐久性、耐候性ともに優れ、耐用年数も20年以上ととても長持ちな塗料ですから、今のお家に長くお住まいの予定の方に最適です。

無機塗料の特徴である光沢で色合いも落ち着いた良い雰囲気に仕上がりましたね。

4.外壁塗装

続いてモルタルの外壁塗装です。

まずは、下塗りの微弾性フィラーを塗布していきます。

フィラーはひび割れの隙間を埋める働きがあり、さらに下地が上塗り塗料を過度に吸い込んでしまうことを防ぐしシーラーの要素も併せ持ったのが微弾性フィラーです。

モルタルはひび割れが起こりやすい素材なので、補強効果も兼ねています。

中塗り、上塗りをおこなっていきます。

使用するのは、無機塗料です。

無機塗料は、かびや苔を寄せ付けません。
これは、かびや苔が栄養とする有機物がほとんど含まれていないためで、防かび、防藻機能が非常に高いのです。

また、汚れもつきにくいのは親水性が高いためです。
これは撥水して水を弾くということではなく、汚れを浮かせ雨水がその間に入り込み一緒に流れるという働きです。

5.付帯部塗装

軒天の塗装です。

塗装することで、雨染みやかびを防ぎ耐久性が向上します。

シャターボックスも塗装対象です。

錆を発生させないように、金属部分も塗装で寿命を延ばします。

帯板の塗装です。

帯板は一階と二階との境界線に設置されていたりすることが多い、建物のアクセントになっています。
構造上、外壁より外側に設置してあるため雨水が残りやすいので、塗装でしっかり防水機能をあげておきたい場所です。

庇の塗装です。

庇は「霧よけ」とも呼ばれ、直射日光や雨を遮り日陰を作ります。
小雨程度なら、窓を開けていても庇があれば、雨の侵入を防げて便利です。

日差しや雨から家を守ってくれている重要な役割の庇も防止性を高めておきたい場所ですね。

雨漏りがあった壁も原因を見つけ補修し、壁紙も張り替えをおこない一掃しました。

最後に雨樋の塗装です。

紫外線にさらされ色あせていく雨樋は、塩化ビニールで劣化が進むと柔軟性がなくなり、固くなっていきます。
割れやすくなり、他にも歪みや外れなどの不具合が出てきます。

雨を受ける雨樋ですから、最も防水性を強化しておきたい場所です。

6.ベランダ防水工事

ベランダ防水工事です。

まずは、下塗りで下地を強化する専用のプライマーを塗布していきます。

ベランダはさまざまなことが原因の雨漏りが多い場所です。
居室につながっていることも多いことから、徹底して防水を極めたいところです。

使用するのは、オートンウレアックスHGです。

短時間で耐久性に優れた塗膜が完成することで、好評の防水塗料です。

耐用年数は約20年ととても長持ちします。
リフォームをおこなっても、ベランダだけが寿命が短くては意味がありません。

オートンウレアックスは、歩き回るベランダであっても施工完了時の光沢が長く続き、雨からお家を守ります。

長くお住まいの予定の方は、ベランダ防水工事の際にぜひ、ご検討ください。

7.施工完了

雨漏りを心配されてご相談をいただき、リフォームをおこなうことになったお宅でした。
外壁の色合いに、屋根の色がアクセントになり、とてもいい感じに仕上がりました。

今回は屋根と外壁を無機塗料で塗装、付帯部塗装、ベランダ防水工事はオートンウレアックス HGでの施工をおこないました。

総工費約190万円、施工期間約3週間でした。

お住まいは建てたら終わりと思っていませんか？

計画的リフォームで住まいの寿命は延ばせます。