2025年11月24日　更新

🏠【外壁トラブルの真相とは】

諏訪市は標高が高く、夏と冬の気温差がとても大きい地域です。
この寒暖差は、実は外壁サイディングにとって大きな負担になります。
「外壁が波打ってきた」「ボードが浮いて見える」
そんなご相談をいただくことが増えてきました。

特に築15〜20年前後のサイディング住宅に多いのが、
ボードが反ってしまう“膨張収縮トラブル”。
放置すると雨水が入り込み、内部の腐食（ふしょく）や雨漏りにつながる危険があります。

今回ご紹介するのは、まさにその典型例。
外壁の一部が大きく反ってしまい、これ以上の劣化を防ぎたいとのご相談から、
**金属サイディングの重ね張り工法（カバー工法）**を行った事例です。

女性スタッフの私が現場に同行しながら、
写真付きで専門的な内容を“誰でも理解できる言葉”でお話しします。

寒暖差で反ったサイディング

写真のように、外壁が大きく波打っています。
これは表面仕上げの劣化ではなく、サイディングボードそのものが反っている状態です。

サイディングボードが反る主な原因は3つあります。

① 寒暖差による膨張・収縮
諏訪市のように−10℃から35℃まで温度差が大きい地域では、
ボードが日ごとに伸び縮みします。
その繰り返しが数年続くと、固定しているビスが負けてしまい、反りが発生。

② 含水率の変化
雨や結露の影響でボード内部に水分が入り、乾く過程で歪みが生じることがあります。
防水シートが古くなると特に影響が出やすい部分です。

③ ビスピッチ（取り付け間隔）の不良
施工時の間隔が広いと、負荷に耐えきれず板が浮いてしまうことがあります。

このまま放置すると、雨水が内部に侵入し、柱や断熱材まで傷む可能性があるため早めの対処が必要です。

反ったボードを剥がして透湿防水シート敷設

反ったサイディングを慎重に撤去すると、内部の防水シートが見えてきます。
今回は経年で劣化が進み、一部が波打ったり柔らかくなったりと、雨水の影響があったことが分かりました。

そのため、新しい透湿防水シートを全面に敷き直します。
透湿防水シートは
・外からの雨を防ぐ
・室内側の湿気だけ外へ逃がす
という“建物の呼吸”を助ける重要な役割があります。

特に諏訪市のように湿度差が大きい地域では、
透湿性能の高いシートにすることで、外壁内部の結露リスクが大きく減ります。
シートは重ね幅を一定に保ち、タッカーで固定しながら張っていきます。

剥がした部分に構造用合板を取り付け

次に外壁内部の補強として、**構造用合板（こうぞうようごうはん）**を追加します。
反りが出ていた部分は下地の強度が弱くなっていたため、
ここでしっかり補強を入れておくことで、家全体の耐久性が向上します。

構造用合板は壁の揺れを分散し、面として強度を発揮する“耐力壁”の役割を持つ材料。
下地がしっかりしていないと、後から取り付ける金属サイディングの精度にも大きく影響するため、
この工程は非常に重要です。

合板はわずかな隙間も出ないよう、職人がミリ単位でカットし取り付けます。
このひと手間が、長期的な外壁性能を左右します。

金属サイディングの下地：樹脂胴縁取り付け

金属サイディングの重ね張りで欠かせないのが、**樹脂胴縁（どうぶち）**です。
これは通気層を確保するための重要パーツで、
外壁と新しい金属サイディングの間に“空気が流れる道”をつくります。

通気層があると…
✔ 外壁内部の湿気が抜ける
✔ 夏の熱がこもらない
✔ 外壁の寿命が延びる

特に諏訪市では冬の結露が多いため、通気層の有無で家の快適さが大きく変わります。

樹脂胴縁は木材と違い水を吸わないため、腐食リスクがありません。
ビスでしっかり固定しながら、縦方向にまっすぐ通気ラインを確保します。

スターター・土台水切り取り付け

金属サイディングを貼る前に、スターターと土台水切りを取り付けます。

スターターとは
→ 一段目の金属サイディングを支える“土台”のような役割。

土台水切りとは
→ 外壁内部に雨水が入り込まないよう、下端から排水するための金属部品。

これらがきちんとついていないと
・サイディングが水平に貼れない
・下から雨が入り込む
・外壁寿命が短くなる
という重大なトラブルにつながります。

写真ではレーザー水平器を使って正確に位置を調整しながら取り付けています。
仕上がりの美しさと耐久性を左右する、とても重要な工程です。

金属サイディング取り付け

いよいよ金属サイディング本体の施工です。
今回は雪に強く、軽量で断熱性に優れた高耐久タイプを使用しました。

金属サイディングはジョイント部分が噛み合う構造になっていて、
パチンとしっかり固定されるため風に強く、地震時の落下リスクも最小限。

諏訪市の冬は氷点下10度を下回る日もあるため、
金属サイディングの断熱効果が大きく活きます。
家の暖かさを逃さず、光熱費にも優しい壁材です。

取り付けは一枚一枚水平を確認しながら進め、
わずかなズレが出ないよう丁寧に施工しています。

出隅ベース・同質出隅カバー取り付け

外壁の角にあたる部分を“出隅（ですみ）”と呼びます。
ここは見た目の美しさと耐久性のどちらも求められる箇所。

まず“出隅ベース”を固定し、その上からサイディングと同じ材質・同じ色の“同質出隅カバー”を取り付けます。
これにより、外壁の角が滑らかにつながり、デザイン性が一気に引き締まります。

さらに、角は風を受けやすい弱点でもあるため、
二重構造にしておくことで耐風性が大きく向上します。
諏訪市のように強風の吹く地域でも安心です。

完工

完工後の外壁は、まるで新築のような美しい仕上がりです。
金属サイディング特有のシャープさと高級感が加わり、
お住まい全体の雰囲気が引き締まりました。

これまで反っていた部分も完全に解消され、
通気層・防水層・下地補強と、見えない部分までしっかり整えたことで
外壁の寿命は大きく延びています。

金属サイディングはメンテナンス性にも優れ、
再塗装までの期間が長く、長期的に費用が抑えられるのも大きなメリットです。

📘【外壁の反りを放置しないために】

サイディングボードの反りは、見た目だけの問題ではありません。
内部への雨水侵入、断熱性能の低下、建物の寿命短縮。
住まいにさまざまな影響を与える可能性があります。

今回のように
・サイディング撤去
・防水シート更新
・下地補強
・樹脂胴縁
・金属サイディング重ね張り
という一連の工事によって、外壁の性能は新築同等まで回復します。

「反っているかも？」
と思ったら、早めの点検がなにより大切です。

お客様の声＋担当者よりひとこと

🗣️【お客様の声】

外壁が反ってきて不安でしたが、丁寧に調査していただき安心しました。
工事中の説明も分かりやすく、どんな作業をしているのかよく理解できました。
金属サイディングの仕上がりがとても綺麗で、家全体が明るく見えるようになりました。
これからの冬も安心して過ごせそうです。

👷‍♂️【担当者よりひとこと】

外壁の反りは気づいたときにはすでに内部に影響が出ている場合があります。
今回は早めにご相談いただけたことで、建物へのダメージを最小限に抑えることができました。
諏訪市は寒暖差が激しい土地柄なので、今後も定期的な点検を行いながら、安心して暮らせる住まいづくりのお手伝いができればと思います。

🏔️【諏訪市と外壁の関係性】

諏訪市は諏訪湖を中心に標高の高い山々に囲まれ、夏と冬の気温差が非常に大きい地域です。
この寒暖差が外壁への負担となり、サイディングの反り・浮き・シーリング割れが起こりやすい特徴があります。

また、湖からの湿気、強い北風、冬の冷え込みなど、建物にとっては過酷な条件が重なります。
外壁材の選び方ひとつで、住まいの寿命が何年も変わることも珍しくありません。

金属サイディングは、こうした諏訪市の気候に非常に相性の良い外壁材です。
断熱性も高く、冬の寒さが和らぐというメリットもあります。

📞【まずは無料点検から】