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松本市外壁塗装|塗装不可のサイディングを目地カバー工法で塗装
松本市 欠陥住宅
【工事のきっかけ】
お風呂の窓下の外壁が崩れていました(凍害による爆裂※1)。この補修でお問い合わせをいただき、調査に伺ったところ、爆裂は確かに発生していましたがグレーの外壁の色が全体的に白っぽく見え、触ってみたところべったりとチョーキング※2の汚れが付きました。外壁全体を見せていただくと、窯業系サイディング※3ボードの反り、サイディングボード間のシーリングの劣化が顕著で、外壁のメンテナンスが必要というご提案をさせて頂き、塗装工事及びシーリングの打ち直しをさせて頂きました。
※1凍害による爆裂
何らかの理由で外壁材が水を吸ってしまい、それが凍結融解を繰り返すうちに外壁を壊す現象
※2チョーキング
紫外線の影響で塗料の中に含まれる顔料(色の成分)が粉状に表面に出てくる現象
※3窯業系サイディング(ようぎょうけいサイディング)
セメントと繊維質を混合して高温処理して板状に成型した外壁材。高温処理の際、窯(かま)を使うことから窯業系(ようぎょうけい)と呼ばれる。今最もシェアの高い外壁材
基本情報
- 使用材料:塗料 下塗り材
関西ペイント RSサーフ
上塗り材
関西ペイント RSシルバーグロスSi
シーリング材
オートンイクシード
目地カバー
松本市で外壁塗装およびシーリングの打ち替え工事を目地カバー工法で行う工事を行いました。
外壁材は窯業系(ようぎょうけい)サイディングで、厚さが12mmしかなく、ボードに反りが見られました。窯業系サイディングはボードとボードのジョイント部分にシーリングというかたまるとゴム状になる防水材を打ちます。シーリングも紫外線等により劣化しますが、このお家のシーリングも例外なく劣化していました。
目地カバー工法はその名の通りガルバリウム鋼板でできたカバー材をかぶせることによって、シーリングの劣化を防ぐとともに、反っていたボードを押さえることができます。本来ならば金属サイディングの重ね張り工法を取りたい劣化症状でしたが、何らかの理由で重ね張り工法ができない場合に、目地カバー工法を採用することがあります。
写真のようにボードとボードの間に打たれているのがシーリングです。紫外線や雨風の影響、またサイディングボードは昼夜の寒暖差だけで伸縮します。これらが原因でシーリングは剥離、亀裂、断裂などの不具合が発生します。シーリングは板間からの水の侵入を防ぐ防水材なので、シーリングの劣化は雨水の侵入を許すことになります。外壁のメンテナンスはまず塗装が思いつくかと思いますが、塗装よりもシーリングのメンテナンスのほうが優先度は高いと思っています。ご自分のお家の外壁材が窯業系サイディングでしたら一度シーリングのチェックをしてみてください。
後程書きますが、このお家のシーリングには考えられない大きな問題がありました。
通常シーリングの施工は目地の奥にボンドブレーカーという奥の面にシーリングが付かないように薄いフィルムのようなものを貼ります。こうすることによりシーリングは左右の面2点に接着することになります。奥の面も接着して3点接着にするとボードの動きについていけなくなるので、あえて2点接着にします。ボードの厚み分奥行きがあるので少なくとも12mm以上はシーリング材を入れることになります。これを板間目地と窓周り玄関ドア廻りなどに打っていくと、距離にして200mくらいになります。相当量のシーリング材を使うことになります。
ところがこのお家のシーリングは、200m全てではありませんでしたが、スポンジのようなバックアップ材?を目地に入れて、それを隠すようにシーリングを表面にだけ薄く打っている個所がありました。ひどいところはバックアップ材が足りなくなったのか、細い木の枝を入れているところもありました。材料をケチる完全な手抜き工事です。こんなひどいシーリング、というかシーリングとは呼べない工事は見たことがありませんでした。
外壁が劣化するのも無理はありません!
シーリングの打ち替えから始めます。塗料によってはシーリングを塗装後に打たなければなりませんが、今回使う塗料は先打ちが可能なので、塗装前にシーリングの打ち替えを行います。
既存のシーリング?をすべて撤去します。通常は両サイドにカッターを奥までしっかり入れて剥がすのですが、今回は表面にしかシーリング材がなかったのでその点は楽でした。
左の写真の黒い線のように見えるのがボンドブレーカーです。
目地の両サイドにシーリング材がはみ出ないようにマスキングテープを貼ります。
たまにご自分でシーリングを打つ方がいますが、このマスキングを知らない方が非常に多く、左右にはみ出してぐちゃぐちゃな目地をよく見ます。マスキングをすることでシーリングのラインがはみ出すことなくまっすぐきれいになります。こういったところがプロの仕上がりです。
裸になった目地にプライマーを塗ります。プライマーはシーリング材と外壁の密着を高める接着剤の役割をする塗料です。DIYでシール打ちをする場合このプライマーも見落とすところではないでしょうか。
DIYを否定するわけではありませんが、やはりプロはお金をもらえる仕事をしますし知識もあります。
押し出しのガンでシーリング材を注入していきます。変なバックアップ材なんて入れません。奥まですべてシーリング材が入ります。はじめはノリ状のシーリング材ですが、固まるとゴム状になります。シーリングを打ってすぐにマスキングテープを剥がします。固まってから剥がすとせっかくのシーリング材を引っ張ってきてしまうからです。
外壁の色と違うので目立って見えますが、このあと上から塗装しますし、目地カバーで隠れるので問題ありません。
シーリングが完全に硬化するまで3日間ほど時間をおいて、外壁塗装を行います。
下塗りは関西ペイントのRSサーフ、微弾性の下塗り材でサイディングボードの伸縮についていける塗料です。シーリングのプライマーと同様塗料と外壁の密着性をたかめる接着剤の役割も兼務しています。
中塗り、上塗りは同じ塗料を使います。同じく関西ペイントのRSシルバーグロスSiです。シリコン樹脂塗料で今はやりのラジカル制御型塗料です。ラジカル制御型とは、塗膜に紫外線が当たるとラジカルという塗膜劣化成分が発生し、チョーキングが始まり、徐々に塗膜が劣化していきます。このラジカルの発生を抑制するのがラジカル制御型塗料です。つまりラジカル制御型塗料はそうでない塗料よりも長持ちします。あまり値段差も大きくないコスパにも優れた塗料です。これを中塗り、上塗りと2回、下塗りと合わせて合計3回塗りで仕上げます。下塗りで密着性を高め、中塗りで塗料の性能を塗装、上塗りは色つやを引き出すための塗装といったイメージです。
今回の工事のポイント、目地カバーのご紹介です。
左の写真のような長さ3m、幅25cmのガルバリウム鋼板の板金を目地にビス止めします。目地をカバーすることによってシーリングが紫外線を受けなくなるので劣化しません。ビス止めをすることでボードの反りもある程度補修されます。外壁の塗料と同じ色で塗るのであまり目立ちません。ただし、外壁の窯業系サイディングと、カバ材のガルバリウム鋼板で素材が違うので塗料も金属用の塗料を塗ります。色は調色して同じにします。
窓周りはカバーできませんが、板間の目地はすべてカバーしました。
こちらのお家は外壁の色を決めるのに時間をかけました。カラーシミュレーションをしてようやく決まったという経緯があります。上の画像はカラーシミュレーションで作ったイメージ画像と実際の仕上がりの写真です。ご主人は目地カバーを含めての機能面の仕上がりにご満足いただき、奥様はイメージ通りの見た目の仕上がりにご満足いただきました。
カラーシミュレーションのご紹介は別のブログで書きましたので下のリンクからご覧ください。
関連記事 カラーシミュレーションのご紹介 現場ブログ
【松本市|外壁塗装の際の色選びカラーシミュレーションを作成します はコチラ>>>
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