1.屋根・外壁の状況

現場は賃貸で借りている工場。以前増築しており、増築部から雨がバシャバシャ雨漏りしています。また、夏は暑くて困っているため屋根全体に黒いシートやスプリンクラーが設置しているというお話も伺いました。

今回の原因は増築部から雨水が元々あった工場部分へと流れ込み、排水経路が細いため排水できなかった雨水がオーバーフローして雨漏りになっていました。

敷地内に大きな松の木があり落ち葉が積もってつまりの原因にもなっていました。

今回は屋根の状況も悪く、雨漏り解消のためには屋根だけでなく排水経路もしっかりと確保しなければいけません。

• 屋根カバー工法
• 外壁・破風板板金

雨漏り・断熱のためガルバリウム鋼板で全体を覆う

• 谷樋新設

排水経路を広くする

谷樋を19ｍのものに差し替え、上流から下流に対し40cmほど幅を狭めスムーズに排水経路を広くスムーズに流れるようにする。

• 谷樋尼落とし口2重構造

万が一つまりがあってもオーバーフローして建物の外に流れるように設置

• 雨樋の撤去・新設

人の出入りがある工場入り口側(南側)のみ撤去・新設

工場北側は人通りもないため、落ち葉のつまりなどの管理を考え、雨樋は撤去のみで設置なし。

2.屋根片付け

工事の前に屋根の清掃を行います。遮熱用のシートや砂・泥、落ち葉などをきれいに片づけます。

スプリンクラーの配管の脱着も行います。

3.屋根材荷揚げ

清掃が終わったら、屋根材の荷揚げを行います。

クレーン車を使って慎重に作業します。

4.屋根工事開始

ガルバリウム鋼板の屋根材を既存の屋根の端から少しづつ重ねていきます。

5.谷樋着手前

谷樋着手前の様子です。狭い谷樋で排水を十分に行えませんでした。

砂・泥も詰まっている様子がわかります。

6.谷樋清掃中

こちらもしっかりと清掃してから、新しい谷樋板金工事を行います。

谷樋板金加工中

長さ19メートルの谷樋を造ります。現場で板金加工中の様子です。

屋根かさ上げ鉄骨施工

屋根をかさ上げする鉄骨を施工していきます。

谷樋設置中

長さ約19メートル　上流と下流で幅約40センチ差があります。

幅を変えて角度をつけることでスムーズに流れるようにする工夫です。

10.谷樋雨水落とし口2重構造

流れてきた雨水の落とし口を設置します。

さらに2重底を設置して、落ち葉などが詰まってオーバーフローしても

建物の外に水が流れるように工夫しています。

11.AC室外機下屋根材・貫通部コーキング施工

工事前に外しておいたAC室外機を載せている架台を新しい屋根材の上に設置して、

架台を止めるためのアンカー貫通部の防水コーキング処理をします。

貫通部はできる限り雨が侵入する可能性を少なくするために高くなっている部分になるように、

計算して屋根を置いています。

12.屋根材施工中

屋根材かさ上げのため施工した鉄骨の上に屋根材を順番に施工していきます。

13.頂部水返し2重施工・コーキングうち

頂部(屋根の一番高いところ)に水の侵入を防ぐ水返しがあります。

今回はその下に天端にプラスチックが付いたスポンジ材を施工して2重に水返しを付けています。

防水と固定用にコーキングを打ちます。

14.頂部換気ダクト部板金・頂部雨押え板金

換気ダクトの周りを板金施工します。

さらに水返し施工の終わった頂部の雨押え板金施工します。

これで雨漏りの心配はありません。

15.テント倉庫外壁板金

倉庫の外壁にテントシートを吊るしてあったので、当社で提案して外壁板金を行いました。

16.破風板板金

破風板にも板金施工していきます。

雨樋工事

雨樋施工の様子です。

工場の南側は入口があり人通りがあるため、古い雨樋を撤去し新設工事をおこないました。

工場北側は人通りがなく、雨樋を設置すると落ち葉で詰まるなど管理の手間もかかりますので、

撤去のみで新設しませんでした。

テント倉庫・屋根清掃完了

こちらは工事箇所ではありませんでしたが、お掃除のみさせていただきました。

19.完了写真

工事が完了しました。

既設の屋根の上にガルバリウム鋼板の屋根材がしっかり覆い、

もう雨漏りの心配はありません。悩みの一つでもあった暑さも断熱効果で解消されるはずです。

大きく勾配のある谷樋を新設したことで十分な排水経路を確保できました。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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