カラーベストの落下で雨漏り発生。ドローンで屋根の状態を確認

まずはドローンを使って屋根の全体を確認しました。すると、カラーベスト屋根の一部が剥がれ落ちていることがわかりました。

屋根材のカラーベストは、セメントを主原料とした薄いスレート材です。軽量で施工しやすい一方、風の影響を受けやすく、強風によって飛ばされてしまうこともあります。また、雨の影響も受けやすく、劣化スピードが早い点も特徴です。

実際に今回のお住まいのカラーベスト屋根も、一部が剥がれているだけでなく、屋根全体に色あせが見られ、塗膜の防水機能が衰えていました。

さらに、棟板金（屋根の頂上部を覆う金属部材）を留める釘が緩み、風で抜けかけている箇所も発見…！

緊急的な処置として、カラーベスト屋根が剥がれている部分には、防水テープを使った応急修理を行い、まずはこれ以上の雨漏り被害を防止することに。

この段階でお客様と相談のうえ、既存屋根の上に新しい金属屋根をかぶせる「屋根カバー工法」で修繕することに決定しました。

改質アスファルトルーフィングと役物の取り付け

屋根カバー工事の最初の工程は「ルーフィング（防水シート）」の施工です。

ルーフィングは、屋根材の下に敷いて雨水の侵入を防ぐ、いわば「最後の砦」となる大切な部材です。

今回は、耐久性の高い「改質アスファルトルーフィング カッパ23」を採用しました。これは一般的なルーフィングに合成ゴムや樹脂を加えて改良したもので、熱や湿気に強く、長期にわたって防水性能を保ちます。

ルーフィングは軒先（屋根の下端）から棟（屋根の頂上）へ向かって、重ねながら丁寧に施工していきます。既存のカラーベストの上に張るため、通常のステープル（針型の固定具）は使えず、金属プレートをあてて釘で確実に固定しました。

次に、屋根の端部である「軒先」と「ケラバ」に、雨水を屋根の外へスムーズに流すための「水切り板金（役物）」を取り付けます。板金役物の取り付けが正確でないと雨漏りの原因になってしまうため、ひとつひとつ確認しながら慎重に施工を行いました。

ガルバリウム鋼板屋根の取り付け。樹脂製の貫板で耐久性アップ

ルーフィングと板金役物の設置が完了したら、次はいよいよ屋根本体の施工です。

既存の屋根の上に貼る新しい屋根材は「ガルバリウム鋼板」。アルミ・亜鉛・シリコンの合金でつくられた金属屋根で、サビや熱に強く、長持ちするのが特徴です。

こちらも、ルーフィング同様に軒先から順番に貼っていきます。

また、屋根の棟部分には「貫板（ぬきいた）」という下地材を取り付けます。

通常は木材が使われますが、今回は樹脂製の貫板を使用しました。樹脂製の貫板は木材と比べて水に強く、長期にわたって強度を保てるため、台風などの強風対策にも有効です。

その上にガルバリウム鋼板製の棟板金をステンレスビスでしっかり固定！

最後に換気棟（かんきむね）を取り付け、小屋裏にこもる熱気や湿気を外へ逃がすようにしました。

これで、屋根の通気性と耐久性の両方を高めることができました。

外壁サイディングの劣化を補修。高耐久シーリング材で防水性を確保

続いて行ったのが外壁のメンテナンスです。

現場調査では、外壁サイディングにチョーキング（表面をこすると白い粉がつく現象）が見られ、コーキングのひび割れや剥離も進行していました。

せっかくのモダンでかっこいい住まい。外壁も塗り替えて、美観を取り戻していきます！

まずは古いシーリング材をすべて撤去します！

まずは古くなったシーリング材を撤去。その後、目地の両側にマスキングテープを貼り、下地にプライマーを塗布してから新しいシーリング材を打ち込みます。

乾燥後、丁寧に充填・ならし作業を行い、マスキングを剥がして完成させました。これで、サッシまわりや外壁の継ぎ目からの雨水侵入を防ぐことができます。

破風板・鼻隠し・軒天も塗り替えで一新！防カビ塗料で美観を維持

次に、外観の印象を左右する「破風板（はふいた）」「軒天（のきてん）」の塗装を行いました。「鼻隠し（はなかくし）」の塗装も終えています。

これらの部分は、風雨や湿気の影響を受けやすく、カビや苔が発生しやすい箇所です。

高圧洗浄で汚れやカビをしっかり落としたあと、下塗り・中塗り・上塗りの3工程で仕上げます。

仕上がり後は、まるで新築のような姿に生まれ変わりました。

外壁は高耐久の無機塗料で仕上げ。美しさと強さを両立

外壁全体の塗装には、弊社オリジナルの無機塗料を採用しました。

無機塗料は、紫外線に強く色あせしにくい特性があり、10年以上にわたって高い耐久性を維持できます。塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りで実施し、均一でムラのない仕上がりに。

外壁の色味も、お客様のご希望に合わせて落ち着いたトーンに整え、屋根との統一感を持たせました。

ベランダ防水のトップコート塗り替えで仕上げ

最後に行ったのがベランダ防水のメンテナンスです。

ベランダは洗濯物を干したり、外の空気に触れたりと、生活に関わることの多い場所。一方で、雨や紫外線の影響を強く受ける場所でもあります。

暮らしの快適さと住まいの寿命を守るためにも、定期的なメンテナンスを忘れたくない部分です。

まず高圧洗浄でベランダの汚れやカビを洗い流し、下地を整えてからプライマーを塗布していきます。

その上にトップコートを2回塗り重ねて完成させました。

トップコートは、防水層を守る「フタ」のような役割を担うため、定期的な塗り替えが大切です。一般的には5年を目安にメンテナンスを行うことで、防水機能を長持ちさせることができます。

施工完了！見た目も性能も新築のように

すべての工事が完了し、屋根・外壁ともに防水性が回復！外観も一新されました。

特に、雨漏りの原因だった屋根の問題をしっかり解消できたことに、お客様も安心されたご様子でした。

屋根や外壁のメンテナンスは、見た目をきれいにするだけではありません。

雨や風、紫外線から住まいを守る大切な役割があります。少しでも「色あせてきた」「苔が目立つ」「雨漏りかもしれない」と感じたら、早めの点検をおすすめします。

街の屋根やさん名古屋南店では、点検・ご相談・お見積もりをすべて無料で承っております。

「もしかしてうちも…？」と気になる方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。

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