近所の方に棟板金が飛散していると言われたとご相談があり、調査に伺いました。
屋根に上がると、棟板金が一部飛散している状態が確認できました。
棟板金は屋根の最も高い所に取り付けられているため風の影響を受けやすく、台風などで飛散する被害が少なくありません。
おそらく、5年前の大型台風時に飛散してしまった可能性が高いと考えられます。

屋根に残っている棟板金の状態を確認すると、釘が浮いている箇所が複数ありました。
釘が浮くことで固定力が弱まり、強風時に棟板金がズレたり飛散するリスクが高まります。
特に台風や暴風の際には飛散する可能性が大きくなるため、しっかりと固定し直す必要があります。

棟板金のジョイント部のコーキングにも劣化が見られました。
コーキングはジョイント部（継ぎ目）からの雨水の浸入を防止するものですが、劣化すると隙間ができてそこから雨水が内部に浸入しやすくなります。
これが原因で貫板や屋根の下地木材に浸水し、腐食や雨漏りが起こるリスクが高まります。

腐食している既存の貫板を撤去します。
撤去する際、下地の屋根材や構造部分を傷つけないように注意します。
腐食した貫板は釘が抜けにくいことがあるため、専用工具を使用し慎重に作業を進めます。

新しい貫板を取り付けます。
屋根材のラインに沿って真っすぐ取り付けることで棟板金の安定性が増し、仕上がりが整います。
貫板の固定には釘よりも抜けにくいビスを使用し、間隔を一定に保って打つことで強度が増します。

新しい棟板金を貫板の上に被せ、取り付けます。
今回使用する棟板金はガルバリウム鋼板製です。
錆びに強く、対候性や耐久性に優れているため長期的に安心して使用することができます。
棟板金と貫板の間に隙間が生じないよう、しっかり押さえてビスで固定します。

棟板金の継目にコーキング処理を行い、防水性を高めて雨水の侵入を防ぎます。

▶屋根工事と雨漏り補修に必要なシーリングやコーキングの種類と使用法