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
堺市北区にて老朽化したサンルームのポリカ中空ボード屋根をポリカ波板へ張り替えた施工事例
【工事のきっかけ】
堺市北区のT様より、過去の台風で破損したサンルームに色んなところから雨が入り込んで困っているとご相談をいただきました。
調査に伺うと屋根のポリカーボネート製中空ボードには大きな穴が開き、全体的に老朽化していました。
T様宅のサンルーム屋根は勾配が緩く水はけが悪いため、屋根に雨水が溜まりやすい形状でした。
既存のポリカ中空ボードの施工方法と勾配の緩い屋根は相性が悪く雨漏りが起こりやすいと判断し、中空ボードではなくポリカ波板への張り替えをお勧めしました。
また、破損して雨水が流れずオーバーフローを起こしていた雨樋の交換も行い、排水機能を復活させるご提案をして工事のご依頼をいただきました。
基本情報

- 使用材料:ポリカ波板9尺(7枚)、傘付ビス、水切り板金(3.6m)、上合、竪樋、エルボ、ソケット、支持金具
サンルームの屋根は過去の大型台風時に破損し、大きな穴が開いていました。
天井には照明器具が設置されており、配線も露出している状態です。
照明器具付近で雨漏りが起こると照明器具や電気経路に雨水が入り込んだり、漏電する可能性があるため注意が必要です。

屋根材はポリカーボネート製の中空ボード(ツインカーボ)が使用されています。
ポリカ中空ボードは段ボールの様な構造で断熱性、遮音性、耐久性に優れています。
空気を挟んで中空にする事で断熱性能を高めているため、サンルームなどの屋根や壁面に使用される事の多い部材です。
一方で空気を挟む両面の板が薄いため、波板や平板に比べると傷みやすいというデメリットがあります。
ポリカーボネートはガラスの約15倍の強度があり新幹線や飛行機の窓や車のヘッドライトなど様々な用途で使用されている部材ですが、一般的な耐用年数は10~15年程度です。
変色・変形・汚れなどの劣化が見られました。
こちらの屋根は設置後約40年程経過しているため経年劣化で変質して硬化し、台風の衝撃で割れてしまったのでしょう。
また、屋根の勾配(傾斜)が緩いため雨水が流れにくく、屋根の上に雨水が溜まりやすい形状になっていました。

屋根の上から状態を確認すると、中空ボードを固定しているビスが外れて抜けてしまっている箇所がありました。
ビスが抜けると中空ボードの固定力が低下して飛散してしまう可能性があるだけでなく、ビス穴から雨水が入り込み雨漏りに繋がってしまいます。

中空ボードの継ぎ目に打たれているコーキングの劣化も見られました。
コーキングが劣化すると硬化したり亀裂が入ってしまい、その隙間から雨水が入り込んでしまいます。
サンルームの床材はクッションフロアになっています。
クッションフロアは耐水性はあるものの、完全な防水性はありません。
クッションフロアが敷かれている下の部材も防水施工はされておらず、雨水が染み込んでしまうとカビが発生したり腐食してしまう可能性があります。
そのため雨水を受ける容器があちこちに置かれてあり、床が水浸しにならない様に対策をされていました。
軒樋(のきどい)に雨水が溜まっています。
雨樋全体を確認すると上合(じょうご)が割れがありました。
上合周辺にはゴミが溜まっており、雨水が流れずに溢れてしまう『オーバーフロー』を起こしていました。
竪樋(たてどい)も変形して歪んでおり、適切に排水できていない状態です。
雨樋周辺からも雨漏りが起こっているのではないかと思われます。
溜まったゴミを掃除して、上合と竪樋の交換をした方が良さそうです。
▶雨樋詰まり対策と清掃方法もご紹介
調査が完了し、不具合箇所が複数ある事をお客様にご説明して下記のご提案を行いました。
まず破損して劣化が進んでいる既存のポリカ中空ボードを撤去しました。
中空ボードを剝がすと雨樋の役割を果たしているフレーム(枠組み)の溝には、ゴミや泥が溜まっていました。
この溜まったゴミで穴の部分が詰まり、雨水の排水を妨げていた事がわかります。
ゴミや泥を掻き出して清掃します。
フレームの清掃は屋根材が取り付けられた状態ではできないため、屋根材の張り替えを行う際には必ず清掃も行います。
こちらの屋根は勾配(傾斜)が緩いため水はけが悪く、屋根に雨水が溜まりやすい形状になっています。
既存の中空ボードはボード同士を突き付けて屋根押さえ材で取り付け、コーキングを打って隙間を埋めてありました。
コーキングが劣化して亀裂が入ると隙間ができてしまい、継ぎ目から雨水が入り込みやすくなってしまいます。
雨漏りを起こりにくくするため、板同士を重ねて取り付けるポリカ波板へ張り替えます。

今回は波板の重ね代を3.5山と大きくして取り付けました。
通常は重ね代を2.5山持たせて取り付けます。
重ね代が2.5山未満だと横殴りの雨や大雨の時に隙間から雨水が入り込みやすくなってしまいますが、重ね代を大きくすると雨水が侵入しにくくなります。
また、2.5山以上重ねる事でより頑丈に固定する事ができます。

傘付の専用ビスで波板を固定します。
ビス頭の傘部分が、ビス穴のわずかな隙間から雨水が侵入する事を防いでくれます。
ビスは波板の施工基準を守った5山以内の間隔で留め付けました。
▶波板用ビスや釘の種類についてはこちら
波板への張り替えが完了しました。
クリアマットの波板を使用しています。
擦りガラス調になっていますが屋根の下の明るさを保ち、紫外線もカットしてくれます。
屋根の端に水切り板金を取り付けます。
水切り板金を取り付ける事で、波板の端部分から内部に雨水が入り込む事を防ぎます。
新しく取り付けた波板を傷つける事のない様に「足場板」と呼ばれる板を屋根に乗せ、その上で施工を行いました。
サンルームの両側に竪樋(たてどい)が設置されています。
片側の竪樋はフレームを清掃すると排水機能が復活し、破損もない事から継続使用が可能でした。
もう片側の竪樋は上合(じょうご)に割れがあり、竪樋も変形しているため交換が必要です。
既存の上合と竪樋を撤去して、新しい上合と竪樋を取り付けます。
竪樋は掴み金具を取り付けてしっかりと固定してあります。
軒樋(のきどい)から水を流してみると、詰まる事なく排水できる様になりました。
これで軒樋に雨水が溜まって溢れてしまう、オーバーフローを起こす事はなくなります。
▶雨樋詰まり対策と清掃方法もご紹介
サンルーム屋根の張り替え、雨樋の交換工事が完了しました!
既存の屋根は大きな穴が開き、サンルーム全体が老朽化してあちこちから雨漏りが起こっていましたが、工事を行ない雨漏りの原因が全て解消されました。
ポリカ製屋根のサンルームの耐用年数は一般的に10~20年程度となっています。
定期的に点検・メンテナンスを行う事で雨漏りや破損を防ぐことができますので「うちは大丈夫かな?」と気になる事があれば、お気軽に当店までご相談下さい!
▶メールにてお問い合わせ(24時間受付中)
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