雨漏り箇所を見せていただくと、２階建て住宅の１階和室が雨漏りしていました。

２階建てなのに１階が雨漏りする事もあるの？と思われるかもしれませんが、このようなケースは特に珍しくありません。
雨漏りは屋根だけでなく、外壁や下屋（１階にかかる屋根）、ベランダ床の不具合などでも発生します。

以前、別の業者に雨漏り修理をしてもらったが、雨漏りは一向に収まらず悪化する一方で、お客様もお困りの様子でした。
まずは雨漏りの原因がどこにあるのか調査します。

水切り板金に大きな隙間が開いています。

実は、水切り板金には水下側に軽く隙間を開けておくことが正解なのです。
というのも、隙間なくぴったり詰めていると、中に入った雨水や中で発生した水蒸気の出口がなく、かえって雨漏りを助長させる事になります。
雨水の出口確保の為に、水切り板金に隙間を残す事は大切なのですが、現状では隙間が大きすぎて雨水の入り口になっていると考えられます！

こちらの水切り板金はコーキングが打たれていますが、ほとんど隙間がない状態です。

これでは水分が中で滞留してしまい、雨漏りの原因になってしまいます。
隙間が開きすぎてもいけませんし、隙間がなさ過ぎても雨漏りになる為、施工が難しい場所でもあります。

板金を重ね張りする前に、まずコーキングを切って隙間を開けておきました。

既存のコーキングには隙間がほとんどなく、水分の出口がなかった為、重ね張りを行う前に経路を確保させておきました。

板金職人が現場で板金加工を行い、重ね張りを行いました。

板金の上はしっかり隙間なくコーキングを打って『防水』し、下は隙間を開けて『雨仕舞』を行いました。
建物の雨漏りを防ぐ為には、『防水』だけでなく『雨仕舞』も重要であるという事を知っていただければ幸いです。
▶雨漏りをさせないために、雨水を積極的に誘導して排水させる雨仕舞い