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宇城市にて地震被害を受けた瓦屋根の改修工事|谷板金張り替え 瓦葺き直し 棟取り直しを行った場合の施工費用や工程をご紹介
宇城市 谷板金修理
【工事のきっかけ】
宇城市のT様より「大雨で天井が落ちてきた」とご相談があり、現地調査を行いました。
瓦屋根の調査を行うと、瓦の割れや欠け落ちが見られました。
また、棟に漆喰を大量に塗りすぎるなどの施工不良が見られ、それも雨漏りの原因になっていました。
T様邸は熊本地震の際に瓦が崩壊する被害があり、ボランティアの方が応急処置してくださったそうです。
熊本地震の際は施工業者も手が回っておらず、仕方がなかったのかもしれませんが、屋根の施工不良は雨漏りに繋がる為、正しく施工し直す必要があります。
T様には屋根を全体的に金属屋根に葺き替え、または被害箇所のみの葺き直し工事など、いくつかお見積り書を提出させていただきました。
今回は屋根葺き直し、下屋の谷板金張り替え、棟補修をご依頼いただきました。
基本情報
- 施工内容:谷板金修理
- 施工期間:約1ヶ月
- 築年数:35年
- 使用材料:【応急処置】シルバーシート(#3000)、土嚢袋
【谷板金張り替え 約10m】アスファルトルーフィング「ライトルーフ」、ガルバリウム鋼板製谷樋、谷シーラー、
【屋根葺き直し 約116.5㎡】アスファルトルーフィング「ライトルーフ」、水抜き加工済み桟木、銅箔テープ
【棟取り直し 約13m】棟補強金物、なんばん漆喰、芯材、乾式面戸シート「ハイロール」、イブシ瓦7寸丸
漆喰が剥がれた事で葺き土が流出し、瓦もズレています。
被害を受けた箇所では漆喰の塗りすぎが多数見られました。
漆喰には瓦同士の隙間を埋めてズレや雨水の侵入を防ぐ役割がありますが、塗りすぎると雨水を内部に誘導する原因になります。
ボランティアの方が補修してくれたという事ですので、恐らく屋根工事の知識がない方が施工されたのではないでしょうか。
震災後の混乱で仕方なかったかもしれませんが、こういった誤った施工も雨漏りの一因になっていたようです。
▶台風や地震の後は屋根にのぼらないこと、災害便乗商法に注意すること
被害が大きい大屋根と下屋の工事をご依頼いただきました
全体的に被害がある為、全面葺き替えが推奨ですが、立派なお家で屋根の面積も大きい分、全面葺き替えとなると費用もかなりかかってしまいます。
お客様には屋根葺き替えと部分補修など、何通りかのお見積りを作成させていただき、今回は被害が大きい大屋根と下屋(1階の屋根)の工事をご依頼いただきました。
工事内容
・谷樋張り替え
・瓦葺き直し
・棟取り直し
(クリックで工事の様子にジャンプします)
▶費用と保証から考える 屋根の部分補修と全面改修、どっちがお得!?
雨漏りの被害がひどいため、本工事までの繋ぎとしてシートで応急処置を行う事になりました。
雨漏りがひどい玄関上部の隅棟にシルバーシートを被せました。
ブルーシートなど応急処置に使用されるシートには、番手と呼ばれる厚みの基準が定められています。
使用したのは#3000のシートでしっかり防水できる厚みがあり、約9ヵ月~1年程度の耐用が見込めます。
反対に言うと、長くても1年程度しか持ちませんので、応急処置後はできるだけ早く本工事を行う必要があります。
谷樋(たにどい)、谷板金(たにばんきん)は、屋根の谷間に設置される排水用の部材です。
2つの屋根面が交差する谷部分に取り付けられ、雨水を効率的に排水する重要な役割を果たします。
雨水が大量に流れてくる為、適切にメンテナンスされていないと穴が開いて雨漏りの原因となる可能性が高い箇所です。
【参考】屋根で最も雨漏りしやすい部分「谷板金」の修理方法
まずは既存の谷樋を撤去します。
既存の銅製谷樋に大きな穴が開いている状態を確認しました。
これが雨漏りの主な原因の一つとなっていたことは明らかでした。
劣化した既存の銅製谷樋を撤去しました。
谷樋の下に敷いている防水紙も破れており、雨漏りの原因になっていました。
谷樋は複数の板金を繋げて設置しています。
谷樋同士の接続部には接着剤としてコーキングを打っています。
両脇から雨水が漏れないよう、谷樋の両脇は立ち上がりを持たせています。
谷樋の設置後、谷シーラーを取り付け、谷樋周辺の瓦を元の位置に戻しました。
谷シーラーを取り付けずに瓦を戻すと、どうしても谷樋と瓦の間に隙間ができてしまいます。
谷シーラーはその隙間を埋め、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を果たします。
これで谷樋の張り替え工事は全て完了です。
谷樋の設置後、谷シーラーを取り付けました。
谷シーラーを取り付けずに瓦を戻すと、どうしても谷樋と瓦の間に隙間ができてしまいます。
谷シーラーはその隙間を埋め、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を果たします。
穴が開いていた銅製の谷樋を、錆びに強いガルバリウム鋼板製の谷樋に張り替えました。
ガルバリウムも穴が開かないわけではないですが、耐久性が高く、錆にも強い為、谷樋からの雨漏りを長期に渡って予防できます。
瓦の割れや外れなど大きな被害を受けていた平瓦の葺き直しを行います。
葺き直しとは、瓦を仮撤去し、屋根の下地を補修した後に瓦を戻す工事です。
新しい屋根材に交換する「葺き替え」よりも材料費や廃材処分費が抑えられる工事です。
【参考】これまでの瓦を再利用して屋根を葺き替える屋根葺き直し
まず、既存の屋根瓦を慎重に仮撤去しました。
瓦を外すと、劣化したルーフィングが出てきます。
仮撤去した瓦は後ほど再利用するため、破損しないよう細心の注意を払って保管しました。
作業中に出た葺き土や細かいゴミは、土嚢袋に入れて作業を進めました。
屋根に残っている桟木(さんぎ)を撤去します。
桟木は瓦を引っ掛けて固定する為の細長い木材です。
これが劣化すると瓦の固定力が下がり、瓦のズレる原因になる為、桟木も定期的に交換する必要があります。
瓦を安定して固定するための、新しい桟木を取り付けました。
桟木には水通しの穴が開いており、屋根内部に入り込んだ雨水を効果的に排水できる設計になっています。
仮撤去していた瓦を数枚ごとに配置し、軒先から順に葺き直していきます。
瓦を葺き直す際は、瓦をビスで固定しました。
先ほど取り付けた桟木を下地にし、ビスを打って固定していきます。
施工前の瓦は留め付けが行われていなかった為、ズレも起きやすい状態でしたが、こうして留め付ける事でズレも起きにくくなります。
特に築年数が経った土葺きの瓦屋根は、屋根の重量も大きく瓦が動きやすくなっている為、葺き直し・葺き替え工事がおススメです。
【参考】土葺き瓦屋根を葺き替えで地震・台風に強く!おすすめ屋根材は?
2階の大屋根と同様に、下屋(1階の屋根)も葺き直しを行いました。
ただし、今回はお客様のご予算を考慮し、雨漏りが発生していた箇所を中心とした部分的な葺き直しを行いました。
銅板の穴あきは銅箔テープで補修を行いました。
銅箔テープは、その名の通り薄い銅のシートをテープ状に加工したものです。
キラキラとしているので補修箇所が目立ちますが、次第に変色して周辺と馴染んでいきます。
瓦屋根の葺き直し工事が完了しました!
葺き直し工事では、既存の屋根材を再利用するため、見た目が劇的に新しくなるわけではありません。
しかし、下葺き材であるルーフィングを張り替えることで、屋根の防水性能を大幅に向上させることができます。
棟瓦取り直しとは、瓦屋根の最上部に位置する棟部分の瓦を取り外し、新しい瓦(または既存の瓦)で積み直す工事のことです。
棟が崩れると、瓦の落下や雨漏りの原因となる為、自然災害の影響を受けやすい棟瓦は、定期的にメンテナンスが必要です。
【参考】早めの棟瓦の修理で自然災害・悪徳業者による不安を完全払拭!
今回の棟瓦取り直し工事では、瓦が再利用できる状態の棟は「湿式工法」、瓦の崩壊がひどく、新しい瓦に交換する棟は「乾式工法」と、被害状況によって工法を分けて進めていきます。
湿式工法は、漆喰を使って棟を固定する、従来からある工法です。
今回は「なんばん漆喰」を使用して取り直しを行いました。
まず、既存の棟瓦を丁寧に解体します。
湿式工法を行う箇所の棟瓦は、既存の棟瓦を再利用するため、破損しないように慎重に取り扱います。
解体した棟部は土が残っているため、綺麗に清掃を行います。
のし瓦を固定するための下地として、なんばん漆喰をしっかりと詰めます。
湿式工法ではなんばん漆喰を使って瓦を固定していきます。
瓦同士の隙間を埋め、内部に雨水が入らないようにする防水の役割もあります。
なんばん漆喰を詰めた所に、のし瓦を乗せて固定していきます。
のし瓦に穴を開け、銅線で屋根下地に緊結しており、万が一の揺れでも落下しないように対策しています。
最後に棟瓦の頂上に乗せる「冠瓦」を取り付けました。
冠瓦にも穴が開いており、銅線を通して緊結しています。
湿式工法での棟瓦取り直しが完了しました!
既存の棟瓦を再利用し、綺麗に積み直しました。
湿式工法は昔ながらの瓦屋根の風合いも維持できる工法です。
既存の瓦を再利用し、新たに使用したのは「なんばん漆喰」だけですので、材料費が節約できる工法とも言えます。
棟の崩壊がひどく、瓦が割れて交換する必要がある棟には「乾式工法」で取り直しを行います。
乾式工法は漆喰を使わず、専用の材料で棟を取り直す工法です。
まずは既存の棟瓦を解体・撤去します。
乾式工法を行う棟は瓦の剥がれ落ちや割れがひどく、瓦の再利用ができない状態です。
その為、既存の棟瓦は解体後に撤去し、新しい瓦に交換します。
大棟(屋根の最上部にある一番大きな棟)も乾式工法で取り直しを行います。
瓦を剥がすと、瓦を固定していた葺き土も出てくるため、綺麗に清掃を行います。
「芯材」と呼ばれる木材を棟の中心に設置します。
芯材が棟瓦を取り付ける基礎となります。
芯材の周辺をハイロール(乾式面戸シート)で覆って貼り付けます。
乾式工法と湿式工法の大きな違いは、このハイロールを使うかどうかです。
ハイロールを使うと漆喰を使わずに棟の施工を行う事ができ、屋根の軽量化にも繋がります。
冠瓦はパッキン付きのビスで芯材に留め付けています。
ビスの下にパッキンがあるので、内部に雨水が入らないようになっています。
乾式工法で取り直す棟には、「冠瓦一本伏せ」という、冠瓦のみを被せる棟に仕上げます。
瓦の数が少ない為、棟の軽量化になり、材料費も最低限で済むメリットがあります。
これで棟瓦の乾式工法が全て完了しました。
乾式工法による棟取り直しが完了しました!
一番大きな棟を乾式工法で取り直すと、屋根の重さも軽くなり、雨風の影響も受けにくくなります!
今回は宇城市での瓦屋根改修工事の様子をご紹介しました。
特に瓦屋根は台風や地震の被害を受けやすい為、適切に点検・メンテナンスを行いましょう。
街の屋根やさん熊本店では、屋根工事の正しい知識を持って工事を行います。
屋根の雨漏りや老朽化でお困りの方は、まずはお気軽にご相談くださいね。
【参考】その台風による屋根への被災、予防できたかもしれません
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熊本県上益城郡益城町古閑88−8
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