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伊賀市で日本家屋の下屋根の雨漏り修理、野地板の膨らみや白蟻被害を補修
【工事のきっかけ】
伊賀市にお住まいのお客様より、築100年の趣ある日本家屋で長年続く下屋根の雨漏りに悩んでいるとご相談をいただきました。
室内からだけでは原因がはっきりせず、不安を抱えながら過ごされていたそうです。
現地で下屋根の裏側や床下まで確認したところ、屋根下地の傷みだけでなく木部の腐食も見られたため、早めの点検と部分解体を含めた補修をご提案しました。
基本情報
下屋根全体を確認すると雨水が回りやすい傷みが見られました

まずは建物の外観と下屋根の位置関係を確認し、雨漏りが起きている範囲を丁寧に調べました。
築年数の長い日本家屋は、瓦自体がしっかりしていても、内部の下地が先に傷んでいることが少なくありません。
今回も外から見た印象だけでは判断できない状態で、下屋根の一部に不自然な沈みが疑われました。
樹木が近く、湿気がこもりやすい環境も重なっていたため、雨水が抜けにくくなっていた可能性があります。
こうした建物では、表面の瓦だけを見るのではなく、裏側の野地板や軒先の通り、床下の木部まで確認することが大切です。

屋根の上に上がって確認すると、雨漏りは下屋根の限られた範囲で起きていました。
見た目には瓦が大きく崩れていなくても、昔ながらの土葺き屋根は内部に水が回ると下地にじわじわ負担がかかります。
特に今回のような下屋根は、上からの雨水の影響も受けやすく、同じ場所に雨水がたまり続けることで劣化が進んでいました。
原因箇所を曖昧にしたまま工事を進めると再発につながるため、まずは範囲の見極めを行い、必要な部分だけを確実に解体・補修する方針で進めました。

下屋根を裏側から見ると、野地板がふくらんで垂れ下がっているのがはっきり分かりました。
これは単なる経年変化ではなく、雨水を吸い続けたことで板が傷み、強度が落ちているサインです。
さらに表面にはカビも見られ、長い期間にわたって湿気を含んでいたことがうかがえました。
野地板が膨らむ状態は下地の寿命が近い証拠でもあります。
そのまま放置すると、瓦を支える力まで失われるため、今回は表面的な補修ではなく、傷んだ下地をやり替える工事が必要でした。

さらに状態を細かく確認すると、腐って朽ち落ちた野地板の隙間から、昔の施工で使われていた杉皮と屋根土が見えていました。
日本家屋では、防水シートの代わりに杉皮を敷き、その上に屋根土と瓦を重ねる工法が用いられていましたが、長年の雨水でその役目を果たせなくなることがあります。
今回も隙間から内部材が露出しており、防水層としての機能低下が明らかでした。
この状態では雨が降るたびに木部へ水が回り、被害が拡大してしまうため、既存の屋根土や杉皮はすべて撤去して新しい下地に改めることにしました。
軒鼻の高さが揃わず見た目と納まりに影響していました

下屋根を正面から確認すると、軒先の先端である軒鼻の高さが揃っていませんでした。
これは長年の荷重や木部の傷み、施工当時からの微妙な誤差が積み重なって起こることがあります。
軒先が不揃いだと見た目の印象が崩れるだけでなく、瓦の納まりにも影響し、雨仕舞いの面でも好ましくありません。
玄関側からよく見える位置の屋根だったため、機能面だけでなく意匠性も大切にしたい部分でした。
そこで今回は、下地を新しくするのに合わせて軒先の通りも整える施工を行い、美しくまっすぐ見える仕上がりを目指しました。
床下では雨漏りの影響による白蟻被害も見つかりました

床下を調査すると、雨漏りで湿った木材が腐食し、その周辺にシロアリ被害が発生していました。
シロアリは湿気を含んだ木を好み、表面を残したまま内部を食べ進めるため、見た目以上に強度が落ちていることがあります。
実際に矢印の箇所は、軽く触れるだけでも崩れてしまうほど脆くなっていました。
雨漏りと白蟻被害はセットで進行することがあるため、屋根だけ直しても安心とは言えません。
今回の工事では、雨水の侵入を止めることが今後の木部保全にもつながる重要な対策となりました。
既存瓦をめくり大屋根側へ仮置きして解体を進めました

施工ではまず、補修範囲の瓦を丁寧にめくっていきました。
再使用できる瓦は割らないよう注意しながら外し、大屋根の上へ仮置きして保管しています。
古い日本瓦は一枚ごとの状態確認も大切で、無理に扱うと欠けやひび割れにつながるため慎重な作業が欠かせません。
瓦を外したあとは、傷んだ屋根土やその下の杉皮もすべて撤去し、下地の状態がしっかり見えるようにしました。
こうして不要な材料を取り除くことで、どこまで補修が必要かを正確に把握でき、後の工程も確実に進めやすくなります。

解体後は、軒桁と母屋に新しい垂木を取り付けて、屋根の骨組みを作り直していきます。
垂木は野地板を受ける大切な部材で、並びや勾配が少しでも乱れると仕上がり全体に影響します。
今回は玄関側から見上げたときの美しさも意識し、木の通りがきれいに見えるよう丁寧に位置を決めました。
使用した材料は見える部分にも配慮し、木目の美しい無節材を選定しています。
日本家屋らしい上品な雰囲気を守りながら、しっかりと強度を持たせるための大切な工程です。

調査時に確認していた軒鼻の不揃いを改善するため、既存の腕木を削りながら高さを微調整しました。
こうした作業は単純に新しい材料を付けるだけでは済まず、既存の建物の癖やわずかなゆがみに合わせる経験が必要です。
少しずつ削っては通りを見て、軒先が一直線に見えるよう整えていきます。
古い日本家屋ほど現場合わせの技術が問われる場面ですが、こうしたひと手間が最終的な見た目と雨仕舞いの良さにつながります。
仕上がってしまうと見えにくい部分ですが、非常に重要な下準備です。

垂木の上には、新しい化粧野地板を貼っていきました。
今回は玄関側の屋根で、お客様が日々見上げる場所でもあるため、仕上がりの美しさにこだわっています。
木目が素直で節のない無節材を用いることで、軒裏に上質で落ち着いた印象が生まれます。
もちろん見た目だけでなく、傷んだ野地板を新しくすることで下地の強度も回復します。
古い家の雰囲気を損なわず、むしろ魅力を引き立てるような納まりになるよう、板の並びや固定の位置まで丁寧に確認しながら施工を進めました。

化粧野地板の施工後は、軒先に瓦座と呼ばれる三角形の部材を取り付けました。
瓦座は軒先の瓦を受け、きれいな角度で納めるために欠かせない部材です。
ここが不安定だと瓦の並びが乱れたり、軒先のラインがぼやけたりしてしまいます。
今回は新しく整えた軒鼻に合わせて瓦座を取り付けることで、仕上がりの通りをさらに良くしています。
細かな部材ですが、見た目の美しさと機能性の両方を支えるポイントであり、日本家屋らしい端正な軒先を作るうえでとても大切な工程です。

軒の先端は墨付けを行ったうえで切り揃え、全体のラインがきれいに見えるように整えました。
さらに写真では分かりにくい部分ですが、垂木の先端はカンナで削って角を整えています。
こうした細工を入れることで、完成後に見上げたときの印象がぐっと引き締まります。
日本家屋はこうした細部の美しさが全体の品格を左右するため、単に雨漏りを止めるだけでなく、建物本来の魅力を保つ施工が大切です。
新しい木部がまっすぐに並んだ軒裏は、以前の傷みを感じさせない清々しい表情になりました。

下地が整ったら、防水の要となるルーフィングを敷設し、その上に桟を渡して瓦を葺き戻していきます。
今回のような古い屋根では、既存瓦を活かしながら内部の防水性能を高めることが重要です。
見えなくなる部分ですが、現在の防水材をしっかり入れることで、今後の雨水侵入リスクを大きく減らせます。
瓦は一枚ずつ位置を確認しながら戻し、葺き上がりの高さや通りも丁寧に合わせました。
既存の趣を残しつつ、中身はしっかり現代の雨仕舞いに更新する施工です。

最後に全体を確認すると、ばらついていた軒先のラインが整い、下屋根全体がすっきりと美しく納まりました。
再使用した瓦も違和感なく並び、建物の持つ落ち着いた和の雰囲気を損なわずに仕上がっています。
何より、腐食していた下地を撤去し、新しい垂木・野地板・防水下地で組み直したことで、雨漏りの不安を根本から改善できました。
見た目だけを取り繕う工事ではなく、構造と雨仕舞いの両面から手を入れたことで、これからも安心してお住まいいただける下屋根へと生まれ変わりました!
今回の工事では、伊賀市の築100年を超える日本家屋で、下屋根の雨漏りが長年続いたことで野地板が膨らみ、腐食し、さらに床下ではシロアリ被害まで進んでいる状態を確認しました。
表面の瓦だけでは分からない不具合でも、実際には建物全体に影響が広がっていることがあります。
街の屋根やさんでは、昔ながらの日本家屋にも合わせた補修方法をご提案し、見た目と耐久性の両立を大切にしています。
雨漏りは早めに対処するほど被害を抑えやすくなりますので、気になる症状がありましたらお気軽にお問い合わせください。
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