雨漏り調査に伺った時の状況写真です。
日本瓦は山谷があり、雨水は低いところから流れていきます。そのため雨水が流れ込む場所だけ変色しているのがわかると思います。
右の写真は穴が見事に空いてしまい今回の雨漏り箇所です。
銅板の穴あきには色々な原因がありますので紹介していきます。

• 腐食（錆び）
  • 塗膜の剥がれ: 銅板の保護塗装が剥がれると、むき出しになった金属部分に雨水が集中し、錆びが進行して腐食します。
  • 異種金属の接触: 銅板に鉄釘やトタン（亜鉛メッキ鋼板）など、イオン化傾向が異なる金属が直接接触すると、電食（ガルバニック腐食）が起こりやすくなり、腐食が早まります。
  • 特定の環境要因: 酸性雨が直接的な原因となることは稀ですが、瓦の釉薬に含まれる成分や、空気中の特定の化学物質（酢酸、アンモニア、亜硫酸ガスなど）が腐食を促進することがあります。
• 摩耗
  • 雨水による研磨作用: 屋根の谷樋（たにどい）など、常に雨水が流れる場所では、雨水に含まれる砂埃などが研磨剤のような働きをし、長期間かけて銅板を薄くし、穴を開けることがあります。
• 施工不良・経年劣化
  • 水溜まりの発生: 構造上、水が溜まりやすい場所では、常に水に浸かっている状態が腐食を早めます。
  • 物理的な損傷: 落下物などによる物理的な衝撃で穴が開くこともあります。

工事が始まり既存の銅板を撤去しなければいけませんが、銅板の上には瓦が葺いていますので谷際の瓦を一度取り外していきます。
その後下葺き材のゴムアスルーフィングを貼ってからいよいよ谷板金工事になります。

谷板金は屋根に多く用いられるガルバリウム鋼板で施工しました。
この他の工事箇所にもガルバリウム鋼板が主流ですので紹介していきます。

• 高い耐久性・耐食性: 亜鉛の「犠牲防食作用」とアルミニウムの高い耐久性により、トタンよりも遥かに錆びにくいのが特徴です。耐用年数は屋根で約25～35年、外壁で約30～40年とされています。
• 軽量: 瓦屋根の約1/10程度の重さしかなく、建物への負担が少なく、高い耐震性を実現します。
• メンテナンスサイクルが長い: 通常15年～20年が塗り替えなどのメンテナンスの目安となり、手間や費用を抑えられます。
• 高い加工性: 薄くても強度があるため、複雑な形状の屋根や外壁にも対応可能です。
• 環境性能: リサイクル可能な建材であり、環境に優しい点もメリットです。

谷板金施工後、瓦の復旧作業です。
打音検査などでひび割れが入ってないか確かめながら復旧していきます。
屋根土と漆喰が一体化したモルロックを使用していますが、年数とともに下がる可能性がある瓦は穴を開けて銅線で緊結していきました。
棟部も同様にモルロックで積んでいきました。

街の屋根やさん大阪門真店では屋根工事以外でも雨どい、波板など様々な工事が可能です。
気になることがあれば何なりとお問い合わせください。