現在空き家のお住まいで、台風時に屋根が被災してしまった当時に屋根に飛散防止ネットを大工さんにかけてもらったそうです。

それでも瓦のカケラなどが飛んでしまうためご近隣の方から直してほしいと言われ、修繕を決意されたとの事でした。

瓦屋根が崩れる原因

台風の強風や豪雨で瓦屋根が崩れたり、瓦のかけらが飛んだりすることはよくあります。

特に空き家の場合は、定期的なメンテナンスが行われていないため、瓦屋根の劣化が進んでいる可能性が高く、台風の被害に弱いです。

瓦屋根が崩れる原因は、主に以下のようなものが考えられます。

①瓦のずれや割れ：台風の強風で瓦がずれたり、落下したり、割れたりすることがあります。
瓦がずれると、屋根の防水性が低下し、雨漏りの原因になり、瓦割れの場合は瓦のかけらが飛んで近隣に危害を及ぼす恐れがあります。

②棟の崩れ：棟とは、屋根の最高点にある瓦のことで、屋根の形を整える役割を果たしています。
棟が崩れると、屋根の強度が低下し、屋根全体が崩れる可能性があります。
棟が崩れる原因は、台風の強風で棟の瓦がずれたり、落下したりすることや、棟の下地が腐ったり、ひび割れたりすることなどがあります。

③屋根の傾きや沈下：台風の強風で屋根の構造が歪んだり、屋根の重みで屋根の下地が沈下したりすることがあります。
屋根が傾くと、屋根の防水性が低下し、雨漏りの原因になります。
屋根が沈下すると、屋根の強度が低下し、屋根全体が崩れる可能性があります。

神戸市灘区にて棟の積み直し工事をおこないました

築４０年でここまで被害に遭っている場合、今後お住まいになる屋根であれば、下地も瓦も一掃して新たに屋根を施工する「屋根葺き替え工事」しかありません。

ただしこちらは既に空き家で、今後住む予定のない物件です。

そのため、瓦屋根が今後崩れずに近隣の方のご迷惑にならない最低限の屋根修繕をご希望されていました。

今回は崩れている瓦屋根の頂点の棟を一旦全て解体し、正しい位置に施工し直す「棟の積み直し工事」をおこなうこととなりました。

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「台風や地震の後は屋根にのぼらないこと、災害便乗商法に注意すること」

神戸市灘区×棟の積み直し工事　①棟金具の固定

神戸市灘区×棟の積み直し工事　②おいあての固定

棟をはさむように固定する両端の瓦を「おいあて」といいます。

棟に接する部分なのでぴったりはまるようにカット加工した瓦です。

おいあてを固定するために真っ白のなんばん漆喰を置きます。

なんばん漆喰とは、瓦屋根の棟部で使用する葺き土に代わるもので、山砂利（白砂）、消石灰、炭酸カルシウム、マニラ麻をフノリの煮汁で練ったもののことを言います。

なんばん漆喰は、通常の漆喰に比べて、シリコンや防水剤が配合されており、防水性や強度が高くなっています。

神戸市灘区×棟の積み直し工事　③受け木の固定

さきほど固定した棟金具に下地の受け木を取付けます。

下地の受け木とは、棟の瓦を支えるための角材です。

下地の受け木を取り付けることで、棟の瓦の重みを分散させ、棟の強度を高めることができます。

神戸市灘区×棟の積み直し工事　④なんばん漆喰積み

棟下地の受け木を覆うようになんばん漆喰を施工していきます。

なんばん漆喰の厚さは瓦の高さに、なんばん漆喰の幅は棟の瓦の幅に合わせて調整します。

神戸市灘区×棟の積み直し工事　⑤冠瓦の固定

仕上げになんばん漆喰にかぶせるように冠瓦を置き、しっかりとネジや釘で下地の受け木に固定します。

冠瓦（7寸丸）を固定することで、棟の瓦の隙間をしっかり埋めることができます。

頑丈で耐久性の高い棟となり、今後崩れる事なくご近隣の方にご迷惑がかからない状態に復旧することが出来ました！

屋根面の瓦を一部差し換えた様子は次回の施工事例にてレポートいたします。

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